テーマ:ラテン系ロック(89)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
20年来のメキシカン・ロックの定番チューン MANÁ(マナ)は、1987年にデビューしたメキシコのロックバンド。当初は6人から成っていたが、現在はメンバー脱退や新規加入の結果、4名で活動を続けている(うちオリジナルメンバーは3名)。それ以前から音楽活動歴はあり、80年代前半には、ソンブレロ・ベルデ(Sombrero Verde)のグループ名でもアルバムをリリースしていた。 MANÁとしてのデビューは、"Rock en tu idioma(ロック・エン・トゥ・イディオマ、「君の言葉でロックを」)"と呼ばれるスペイン語ロック・ムーヴメントの中で起こった。セルフタイトルのデビューアルバム(『MANÁ』)は、それなりの成功を収めたものの、絶大な人気を獲得することはなかった。だが、2枚目のアルバム(『ファルタ・アモール(Falta Amor)』)は、1990年の発売から約1年間の国内ツアーを経て人気に火がつき、一躍、メキシコ国内はもちろん南米市場でも成功を収める契機となった。 この人気を押し上げる役割を果たしたのが、同アルバムからのシングル曲「ラジャンド・エル・ソル(Rayando el sol)」である。90年代に繰り返しラジオ等で流れた結果、00年代も末の現在では、メキシカン・ロックのクラシックとしての地位を確立した。20年近くを経て、自国産ロックで育った若者も中年へと差し掛かり、もはや若者だけでなく、一定世代以下のメキシコ人にとっては、誰でも知っているような親しみのある曲になった。 詞の内容は典型的なラブ・ソングで、「君の心に達するよりも、太陽に到達する方が簡単だ」と切ない想いを歌ったもの。音楽的にも非常にシンプルで、メキシカン・ロックらしい要素が特に目立つ曲ではない。しかし、逆にスタンダードな作りでシンプルなラブ・ソングを演奏し歌ったがゆえに、MANÁの地位が確立され、90年代半ばには独自の世界を追求していく道が開けた。そんな意味で出世作となる1曲であった。 この曲は、筆者にとっては名曲なのだが、それはきっと音楽とシンクロした様々な実体験・思い出が伴っているからであって、普遍的な名曲と言えるかどうかはわからない。上で述べたような経緯も考え合わせ、ラテンっぽさとかメキシカン・ロックらしさをサウンドに求める人には、この曲よりも、もう少し後のMANÁの楽曲を勧める。逆に、みんなが口ずさめるほどのスタンダード曲(筆者にとってもそうである)を知っておきたい人、ラテンっぽさは求めないがスペイン語ロックの定番を聴きたいという向きには、いい入門曲だと思う。 [収録アルバム] MANÁ / Falta Amor (1990年リリース) MANÁ / Maná en vivo (1994年リリース、ライブ盤) など ↓この曲を含むUnplugged盤です↓ 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】Mtv Unplugged [ Mana (Latin) ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年02月10日 06時51分16秒
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