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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年10月07日
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ブラス・ロックの雄としてのシカゴ、衝撃的デビュー作


 シカゴと言えば、70年代後半~80年代のバラード・AOR系のイメージが強い人もいるかもしれないが、このデビュー作は、それ以前のシカゴの姿がよくわかる1枚。厳密に言えば、この時点においてはまだシカゴという名称ではなく、後にシカゴと呼ばれるこのこのグループは"シカゴ・トランジット・オーソリティ"の名称でこの1枚目を発表した。しかし、シカゴ市運輸局からクレームが付いたため、以後はグループ名を単に"シカゴ"と改めたという経緯だが、現在ではこのファースト・アルバムも"シカゴ"名義として扱われている。

 1967年から活動したバンドが母体で、当時のメンバーは7人だった。その構成は、ギター(テリー・キャス)、ベース(ピーター・セテラ)、キーボード(ロバート・ラム)、ドラム(ダニエル・セラフィン)、トロンボーン(ジェイムス・パンコウ)、ウォルター・パラザイダー(サックス・木管)、リー・ローナン(トランペット)である。ボーカルは最初の3名が分け合っていた。ちなみに、7名うち4名は現在もシカゴのメンバーとして活動している。

 このメンバー構成を見てもわかるように、ホーン・セクションを大胆にフィーチャーしたのが大きな特徴で、ブラッド・スウェット&ティアーズ(BS&T、1967年にアル・クーパーが結成したバンド)と並んで、ブラス・ロックの主要バンドとされる。本作を含めてデビューから3作連続でLP2枚組(現在はCD1枚に収録されている)という多作ぶりで、当時はラブ・バラードよりも政治的・実験的内容の楽曲が多かった。

 1969年に発表された本作『シカゴの軌跡』は、1曲(9.)を除いてすべてメンバーのオリジナルの楽曲で占められている。しかも、録音は2週間足らずという短期間でありながら2枚組というヴォリュームで、この事実だけでも、その時の彼らの意欲と創造力の高さを示していると言えるだろう。そして、この"創造力の高さ"こそが、本盤の何よりの特徴である。単にブラス・セクションを取り入れたからいいという訳ではなくて、テリー・キャスのギターを大きくフィーチャーしたロック・サウンドの中でブラスが効果的に融合されていることが本盤の最大の功績だと思う。つまり、「ブラス・ロックだから良い」のではなく、「ロックとして良い」のであって、その良さを形成するのにホーン・セクションが大きな役割を担っている。

 "創造力"という意味で、もう一点、注目しておきたい。それは、楽曲の長さと複数の曲による組曲的展開である。組曲的な構成は、LP2枚というボリューム(言い換えれば、A面・B面・C面・D面というセクションに分かれるフォーマット)だからこそ成しえたものであろう。A面の1.「イントロダクション」、2.「いったい現実を把握している者はいるのだろうか?」、3.「ビギニングス」という繋がり、D面の10.「1968年8月29日シカゴ、民主党大会」、11.「流血の日」、12.「解散」の流れは見事である。その中で曲の長さが効果的に機能していて、いきなり6分を超える長編の曲(1.)からアルバムが始まる(ちなみに本作で6分を超える曲は7曲もある)。逆にD面は1分足らずの導入的部分(10.)から始まるストーリー構成になっている。こうした箇所は、本作が楽曲単位だけでなく、アルバム単位(あるいは面単位)で聴かれるべきものと言うことを実感させる例だと思う。

 セカンド・アルバム、サード・アルバムも質が高いので、本作を聴いてみて気に入ったならば、ラブ・バラード/AOR以前の初期シカゴの作品群もぜひ楽しんでもらいたいと思う。


[収録曲]
1. Introduction
2. Does Anybody Really Know What Time It Is?
3. Beginnings  
4. Questions 67 and 68
5. Listen
6. Poem 58  
7. Free Form Guitar
8. South California Purples
9. I'm A Man  
10. Prologue (August 29, 1968)
11. Someday (August 29, 1968)
12. Liberation  
*LPでは、A面(1.~3.)、B面(4.~6.)、C面(7.~9.)、D面(10.~12.)。

1969年リリース。




 
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