音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019/06/03(月)06:19

ブルース・スプリングスティーン 「明日なき暴走(ボーン・トゥ・ラン)」

洋ロック・ポップス(915)

オリジナルかアコースティックか、B・スプリングスティーンの聴き比べ ~その2~  前回の「ノー・サレンダー」に続き、ブルース・スプリングスティーンの曲をもう一つ。彼の出世作といえば、1975年のサード・アルバム『明日なき暴走』である。そのタイトル・トラック「明日なき暴走(Born To Run)」は、長年、彼のライブ・コンサートのハイライトとなっている。ちなみに上記のサード・アルバムはリリース30周年記念盤なるものが2005年に再発されている。これら所収のオリジナル・バージョンは、若かりし頃の"ボス"の代名詞とも言える、疾走感あふれるナンバーである。  時は流れて1988年。この前年にリリースされたアルバム『トンネル・オブ・ラブ』に伴うツアーの演奏の一部は、2枚の日本限定CDシングル盤(各4曲入り)として発売された。『トンネル・オブ・ラブ・エクスプレス Vol. I』と『同 Vol. II』がそれである。そのうち、『Vol. I』は「タファー・ザ・ザ・レスト」という、『トンネル・オブ・ラブ』所収のシングル曲をメインとしたものだが、結果的に聴きどころは別のところにあった。収録された1、2曲目は「タファー・ザン・ザ・レスト」のそれぞれオリジナル曲とライブ・バージョン。3曲目はシングルB面としてファンの間では人気のあった「ビー・トゥルー」の同じくライブ・バージョン。そして4曲目こそが最大の聴きどころ、「明日なき暴走」のアコースティック・ライブ・バージョンだった。  このアコースティック・バージョン、原曲とは似ても似つかぬアレンジで、筆者も初めて聴いた時は、詞の内容から"えっ、これってあの…「明日なき暴走」!?"って感じだった。CDで聴いてこれなのだから、ライブの場でこれを聴いた聴衆はより一層の驚きだっただろうと想像する。アコギとハーモニカで淡々と歌われる「明日なき暴走」。ちなみにこのバージョンは、現行のライブDVD『ザ・ビデオ 1978-2000(The Complete Video Anthology/1978-2000)』(かつてのVHS『ザ・ビデオ1978-88(Video Anthology/1978-88)』に収録曲を大幅追加してDVD化したもの)にも収録されている。  26歳で人生を疾走する「明日なき暴走」、ロック界のスーパースターとなり30歳代を突っ走った後で淡々と歌う「明日なき暴走」。同じ曲であるが、アレンジも違えば、歌われている環境も異なる。そこからさらに20年を経た現在、今年60歳になった"ボス"はまた新たな「明日なき暴走」を聴かせてくれるだろうか。実は筆者はひそかに期待している。  [収録アルバム] オリジナル・ヴァージョン: Bruce Springsteen / Born To Run (1975年) アコースティック(ライブ)・バージョン: Bruce Springsteen / Tunnel Of Love Express Vol. I (8cmCD、1988年) Bruce Springsteen / The Complete Video Anthology 1978-2000  (DVD、2001年)  【楽天ブックスならいつでも送料無料】明日なき暴走 [ ブルース・スプリングスティーン ]    にほんブログ村              

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