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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年04月21日
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テーマ:洋楽(2525)
セッションから生まれたスーパー職人バンドの到達点


 TOTOはジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ルカサーらセッション・ミュージシャンとして活動していたミュージシャンたちが1977年に結成したバンドで、直接的にはボズ・スキャッグスの『シルク・ディグリーズ』のスタジオ・ミュージシャンに由来する。メンバーチェンジを経て2008年まで活動していた。

 30年ほどの活動期間を持つ彼らの諸作に統一感があるかというと、少し返答に戸惑う。バンドの歴史とともに、メンバーは入れ替わり、それがバンドの方向性にも影響を及ぼしていくし、かと思えば、初期には『ハイドラ』のようなコンセプト・アルバムもあったりする。その点では、節操がない“産業ロック”バンドの典型例として批判されても仕方ないのかもしれないが、1980年代にバラード系のヒット曲を快調に飛ばしながらたどり着いた、一つの到達点がこのアルバムであると個人的には考えている。

 タイトルが示すように、本作『ザ・セブンス・ワン』はTOTOにとって7枚のアルバムである。副題の“第7の剣”というのは、「ロザーナ」「アフリカ」といったヒット曲を含むアルバム『聖なる剣(原題:TOTO IV)』(1982年)にちなんだというか、二番煎じで付けられた邦題と思われる。

 セールスやシングル・ヒットを考慮すると、本盤を彼らの代表作と呼ぶのには抵抗感がある人もいると思う。けれども、ここに詰め込まれた楽曲群には、全体の塊として、「99」から「アフリカ」「アイル・ビー・オーバー・ユー」などのヒットを経て積み重ねられてきた彼らの方向性が集約されている。“到達点”という言い方をしたのは、この意味においてである。個人的な好みという点では他にも好きなアルバムがあるのだけれど、TOTOというバンドの歴史を考えた時、本作は特にバランスの取れた好作だと思う。

 では、そうした彼らの方向性とはどんなものだったのか。筆者は、次の二つの特徴が際立っていると感じる。一つは、ソリッドでコアなロックサウンドにたいする“こだわりのなさ”である。つまりはキャッチーで、軽くてもよい、さらには臆面なく甘いAOR系のバラードを披露できるという点である。恥ずかしげもなくこうした音を奏でる部分が、上で述べたように“産業ロック”云々と批判される部分でもあるのだが、思い切ってそれができることが(決して悪い意味でなく)肯定的な意味で、彼らの特徴とも言えるだろう。

 もう一つの特徴は、スティーヴ・ルカサーのギターが出しゃばっていないこと。後にルカサーは、バンドの中心メンバーだったジェフ・ポーカロの死(1992年)後、TOTOの中で中心的役割を果たすようになり、ついにはメンバーチェンジを経る中でバンドのリード・ヴォーカルまでとってしまう。けれども、本盤を聴く限りでは、音作りには出しゃばるけれども、演奏では出しゃばらないというスタンスがはっきりしている。そしてこの形こそ、80年代のヒット連発期を駆け抜けたTOTOの大きな特徴の一つになっていると言えるそうな気がする。TOTOは元来、デヴィッド・ペイチとジェフ・ポーカロのバンドだとよく言われるが、“出しゃばらない”ルカサーのプレイが彼らの音楽に重要な効果を与えていた点も大事だったように思う。

 ちなみに本作時点でのTOTOのヴォーカルは、TOTO史上最高のヴォーカリストという声もあるジョセフ・ウィリアムス(彼は本作『ザ・セブンス・ワン』とその前作『ファーレンハイト』のみ在籍)。加えて、ジョン・アンダーソン(イエス)が4.のコーラスで参加している。




[収録曲]

1. Pamela
2. You Got Me
3. Anna
4. Stop Loving You
5. Mushanga
6. Stay Away
7. Straight for the Heart
8. Only the Children
9. A Thousand Years
10. These Chains
11. Home of the Brave
12. The Seventh One *日本盤のみ

1988年リリース。






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an-dale@ Re[1]:420万アクセス御礼(12/05) Midge大佐さんへ ありがとうございます。…
Midge大佐@ Re:420万アクセス御礼(12/05) おお!すごいですね!! (コメントしてま…
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ひろし@ Re:ザ・バーズ 『ミスター・タンブリン・マン』(08/12) まさに仰る通りで、バーズがロックに残し…
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