テーマ:洋楽(3463)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
メロディアスHR/HMのお手本と言える名演奏 プリティ・メイズ(Pretty Maids)は80年代前半にデビューしたデンマーク出身のへヴィ・メタル・バンド。メンバーの入れ替わりや休止期間もあったものの、今日まで活動を続けている。 この「プリーズ・ドント・リーヴ・ミー(Please Don’t Leave Me)」という曲はプリティ・メイズの1992年のスマッシュ・ヒット。ただし、彼らのオリジナル曲ではなくて、元はジョン・サイクス(シン・リジイやホワイトスネイクで活動経験がある)の1982年の作品をカヴァーしたものである。そして、このプリティ・メイズのカヴァーがヒットしたことで、オリジナル(原曲)もシングルカットされたという面白い経緯もある。とはいっても、別にこの曲だけが特別なわけではなく、そもそもプリティ・メイズは結構カヴァー曲が多い。 HM(へヴィ・メタル)というと大音量や爆音、激しいリズムなどをイメージしてついつい避けるという人もいるかもしれないが、この曲の演奏は実にメロディアスで、美しく、カッコいい。その意味では、彼らが主に分類されるジャンル(HR/HM)との乖離は確かにあるかもしれない。ヴォーカルとギターの魅力を堪能するというのは、HMの狭い世界の中では、ある種、邪道であろう。けれども、もっと広くロック界という大雑把な括りからすれば、このヴォーカルの表情とメロディアスさ、このギターの旋律とメロディラインで“ぞくぞくさせる”演奏は、大衆的ロックの教科書、あるいはお手本といっていい。 プリティ・メイズのファンどころか、そんなに熱心なリスナーですらない筆者にとって、詳しい事情は不明だけれど、この曲のヒットは本人たちにとって苦悩や迷いのもとになったんじゃないかと想像する。他人の曲をカヴァーしてみて、しかもその出来がHM的ではなく、しかし世間からは大きな評価を得てセールスにつながった。ひょっとしたら、本当にやりたいことの核心はここにはないけれど、試しにやってみたものが本人たちの代表曲的に扱われてしまったという部分もあるのかもしれない。もしそうなのだとすれば、この曲のヒットは、プリティ・メイズというバンドにとっては不幸なことだったのかもしれない。 しかし、その一方で、聴き手の側からすれば、ロック界の教科書・お手本が一つ増えた。これほどメロディアスにかっこよくアレンジして決められるのは、彼らが“甘~いロック系ミュージシャン”ではなく、本格的なHR/HMを志向していたゆえという、ある種、矛盾する理由もあるのだと思う。いずれにしても、ロック・ファンなら必聴の1曲であり、永遠に“お手本”となり得るような素晴らしいカヴァーであることは間違いがない。 [収録アルバム] Pretty Maids / Sin-Decade (1992年) 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年06月17日 06時06分01秒
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