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カテゴリ:洋ロック・ポップス
ジョン不朽の名作の真価 ~前編~ 『イマジン(Imagine)』は、ビートルズ解散後の1971年にジョン・レノン(John Lennon)が発表したアルバムで、言わずと知れたタイトル曲「イマジン」を筆頭とする超有名盤である。ビートルズは恐れ多いという理由から、筆者はこれまでビートルズ盤について書くのを避けてきた(そのうち書きたいと思う盤は何枚もあるのだけれど)。今回も結局、ビートルズではなくて解散後のソロ作ではあるが、とりあえずは、このジョンの名盤を、敬意を表して3回シリーズぐらいで考えてみたい。第1回の今回は旧LP盤でのA面に相当する1.~5.の楽曲を順に見ていこうと思う。 冒頭の1.「イマジン(Imagine)」は、平和を訴える曲として有名で、比較的記憶に新しいところでは、9・11のテロ後にラジオ局にリクエストが殺到した。またもう少し前では、1985年ロサンゼルス五輪の開会式でもこの曲が流された。曲の内容については、 “天はない(there’s no heaven)”という歌詞から始まり、しばしば問題視される“宗教もない(no religi?n, too)”に至るまで、“ないものづくし”であり、最後に“そうすれば世界は一つになる(and the world will be as one)”と歌う。歌いだしの“創造してごらん(Imagine)”とうのは、オノ・ヨーコの詩から取ったとのことであり、ヨーコをクレジットに入れなかった事を反省していると思しきコメントを後になってジョンは残している。 2.「クリップルド・インサイド(Crippled Inside)」は、アップ・テンポでドブロ・ギターの音が印象的なカントリー・ロック調の曲。このドブロを弾いているのは、ビートルズで一緒だったジョージ・ハリスンである。曲調に対して詞の内容はシビアなもので、“君が隠すことのできないものは、内面からおかしい時だ”と歌っており、後述の8.「眠れるかい?」と同様、ポール・マッカートニーへの批判と解釈されることもあるが、聴きようによっては自己批判もしくは一般論としての人間批判とも理解できるように思う。 3.「ジェラス・ガイ(Jealous Guy)」は、個人的には本アルバム前半(A面)最大の聴きどころ。元々ビートルズ時代に作っていた曲とのことだが、恋愛関係の嫉妬心を素直に歌いあげたもの。演奏はピアノ・バラード調に仕上がっていて、途中の口笛パートもいい効果を演出している。政治色抜きでジョンのアーティストとしての力量が如実に表れている曲と言えるだろう。ジョン暗殺直後の1981年に追悼盤として日本でだけシングルとして発売され、1988年にようやく世界でシングル曲としてカットされた。 4.「イッツ・ソー・ハード(It's So Hard)」はジョンの人生観の一端を示す曲とされるが、一方で政治的メッセージが込められているという解釈もある。注目すべきはサックスで参加しているキング・カーティス(R&B、ソウル、ファンク、ソウル・ジャズ系の有名サックス奏者)の演奏。ジョンはレコーディングに直接参加できないキング・カーティスのソロ・パートをわざわざ空輸し、このアルバムに使ったとのことだが、実は、演奏者であるキング・カーティス自身は、この録音の直後に口論から麻薬中毒者によって刺殺されており、この演奏がキング・カーティスの遺作となった。 5.「兵隊にはなりたくない(I Don't Want to Be a Soldier)」は、タイトルが明瞭に示しているように、ストレートに政治的メッセージとして反戦を歌ったナンバー。“僕は兵隊になりたくない、死にたくはない”というストレートな文言が、戦闘場面やそこに向かわされる人を想起させ、サウンド的にもおどろおどろしさを思わせる音で演出されている。アルバム表題曲の1.「イマジン」が理想論としての批判を受ける中、この曲はリアルな叫びに(少なくとも筆者には)聞こえる。「イマジン」への批判として、“印税をがっぽり稼ぐスターがそんな理想郷を歌っても…”というのがある。しかし、その批判は、この曲のメッセージを加味した上で果たして本当にそう言えるのかを考えてもいいように思う。ヴェトナム戦争に限らず、米国が仕掛けてきた近年に至るまでの様々な戦争の中で、これが当事者の声そのものだったのではないだろうか。 (中編へ続く) 関連記事リンク: ジョン・レノン 『イマジン』 ~中編~ へ ジョン・レノン 『イマジン』 ~後編~ へ *全収録曲のデータは後編を参照ください。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.16 07:39:40
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