カテゴリ:洋ロック・ポップス
ロッドの新たな出発点となった転機作 ロッド・スチュワート(Rod Stewart)は、1960年代末にジェフ・ベック・グループで頭角を示し、70年代に入るとフェイセズとソロ活動を並行させながら、キャリアを重ねていった。そんなロッドは、1975年に英国から米国へと活動拠点を移し、レコード会社もマーキュリーからワーナー・ブラザーズへと移籍して新たな一歩をスタートさせた。その第一作がこの『アトランティック・クロッシング』であり、一般に全盛期とされる70年代後半のスーパースターとしてヒット満載の時代の幕開けとなる。 ジャケットは一見するとスーパースター、ロッドが踊っているかのようなよくわからないデザインだが、裏ジャケと続き画になっているので開いて全体を見るとわかりやすい。地球を一跨ぎしてイギリスからアメリカへ渡ってきたという、アルバム・タイトル通り“大西洋横断”の図になっている。 レコード時代のA面は“ファスト・サイド(Fast Side)”、B面は“スロウ・サイド(Slow Side)”と命名されており、このアイデアは当時の恋人(スウェーデン出身の女優ブリット・エクランド)の発案だったらしい。その名称の通り、1.~5.はテンポにのったロック・ナンバー、6.~10.はスロー曲で、LP盤の表面と裏面でイメージが異なるという構成である。 上で述べたように活動拠点を米国に移したのは、イギリスの重税を逃れるためだったと言われるが、レコーディングそのものもそれ以前とは大きく変化した。このアルバムでは、NY、マイアミ、ロスなど米国5か所でレコーディングを行っている。とりわけ、レコーディング地のうちソウルやR&Bの聖地マッスル・ショールズでの録音が中心で、ロッド自身もここでの録音を望んでいたらしい。そうした新しい環境の下で、アメリカのスタジオ・ミュージシャンを多く迎えてこの作品が録音された。米国に移って心機一転の気分の中、とりわけ南部の香りを感じながら、ロッドにとってはさぞかし気持ちよく歌える録音だったのではないかと想像する。 前半5曲はスピードに乗った熱唱が印象的。これらの中では、1.「スリー・タイム・ルーザー」、4.「明日なきさすらい(Drift Away)」、5.「ストーン・コールド・ソウバー」が優れている。後半のスロウ・サイドもゆったりとした歌唱力が存分に発揮されていて佳曲ぞろいである。10.「セイリング」は言わずと知れた超名曲だが、これ以外では、6.「もう話したくない(I Don’t Want To Talk About It)」と9.「スティル・ラヴ・ユー」が個人的には好きだ。 [収録曲] 1. Three Time Loser 2. Alright For An Hour 3. All In The Name Of Rock´n Roll 4. Drift Away 5. Stone Cold Sober 6. I Don't Want To Talk About It 7. It's Not The Spotlight 8. This Old Heart Of Mine 9. Still Love You 10. Sailling 1975年リリース。 関連過去記事: ロッド・スチュワート 『ガソリン・アレイ』 ロッド・スチュワート 「ダウンタウン・トレイン」 ![]() 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】【送料無料】アトランティック・クロッシング/ロッド・スチュワート[CD]【返品種別A】 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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