テーマ:クラシックロック(754)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
米国サウンドへの傾倒の成果は、忘れ去られがちな好盤 若くして功を成した人はある意味では不幸でもある。エリック・クラプトン(Eric Clapton)はヤードバーズに始まり、ジョン・メイオールのグループでの活動(『ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン』)で早くも神格化されたアーティストになってしまった。その後はクリームでの数年間の活動とその解散、そしてブラインド・フェイスの結成(しかしアルバム1枚で解散)、さらにはデレク・アンド・ザ・ドミノス(これまたアルバム1枚で解散)へと進んでいくわけだが、常に注目を浴び、それと同時に批判も浴びせられることになる。言い換えれば、若くして有名になってしまったがために、新たな音楽や分野に挑戦する自由がなかったわけではないが、そういう行為が常に公衆の目に晒され、しばしば批判のもとになったのは不幸とも言える。 ブラインド・フェイスの解散からデレク・アンド・ドミノスに至る間、クラプトンはデラニー&ボラニーのツアーに帯同したりして南部サウンドへと傾倒していく。そして、1970年、デレク・アンド・ザ・ドミノス活動を始める前に発表したのが、キャリアとしては最初のソロ作にあたるこの『エリック・クラプトン・ソロ(Eric Clapton)』である。メンバーには、プロデュースにもあたったデラニー・ブラムレットのほか、ボニー・ブラムレット、レオン・ラッセル、リタ・クーリッジらが名を連ね、まもなくデレク・アンド・ザ・ドミノスを結成することになる面子も揃っている。さらには、スティーヴン・スティルスにジョン・サイモンがゲスト出演もしている。 当時のウケが決して良くなかったであろうことは、上で述べた経緯から察せられる(当時の多くのファンにとって“神がリラックスしたアルバムを作ってはいけない!”のだった)。また、その後のクラプトンの長いキャリアからも忘れ去られがちなアルバムである(本格ソロ始動はこれよりもさらに数年後に始まるため)。けれども、40年以上経った今から見れば、何ともよくできたアメリカン・ロック・アルバムで、もっと評価されていいものだと個人的には思う。全体としてはR&B色、リラックス感、ホーンセクションの導入といった点が目を引くが、本質的には、イギリス出身のギタリスト(かつ本作からは本格的にボーカリストともなった)のクラプトンが、アメリカ音楽の深みへ入っていくといった方向のアルバムである。 個人的好みでベスト3は次の3曲。1.「スランキー」はジャム・セッション的なインストルメンタル曲。4.「アフター・ミッドナイト」は、J・J・ケイルの作で本作からのシングルカットともなった曲。リラックスしていながらもスリリングさを失っていないこの曲は、アルバムを締めくくる名曲11.「レット・イット・レイン」と並んで、本盤全体の雰囲気をよく反映している。 [収録曲] 1. Slunky 2. Bad Boy 3. Told You The Last Time 4. After Midnight 5. Easy Now 6. Blues Power 7. Bottle Of Red Wine 8. Lovin’ You Lovin’ Me 9. Lonesome And A Long Way From Home 10. Don’t Know Why 11. Let It Rain 1970年リリース。 ![]() 【送料無料】エリック・クラプトン・ソロ/エリック・クラプトン[SHM-CD]【返品種別A】 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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