カテゴリ:洋ロック・ポップス
驚異的ヒットを記録した超名盤(前編) キャロル・キング(Carol King)と言えばほとんどの人がこの作品を思い浮かべるのではないか。そのくらい有名な盤が1971年発表の『つづれおり(Tapestry)』である。グラミー4部門(最優秀アルバム賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル、最優秀レコード賞「イッツ・トゥー・レイト」、最優秀楽曲賞「君の友だち」)受賞に輝き、全米のアルバム・チャートでも15週連続1位を記録、同チャート100位内に300週以上も(6年も!)とどまったという驚きの人気を博したアルバムである。 このキャロル・キングという人は、1942年ニューヨーク生まれの女性シンガーソングライター。最初は1950年代末にシングル・デビューをするが全く売れず、60年代に入って当時の夫であったジェリー・ゴフィンとのコンビで共作曲を提供してソングライターとしての地位を確立した。その当時の提供曲としては、1962年のヒット曲「ロコ・モーション」(リトル・エヴァ、後にカイリー・ミノーグなどのカバーもあり)や、63年のドリフターズの「アップ・オン・ザ・ルーフ」などがある。彼女自身は、70年に改めてシンガーソングライターとしての活動を始め、アルバム作品第二作となるこの『つづれおり』が大ヒットに至ったという、大雑把にはこのような経歴を持つ。 作品全体の大きな特徴としては、まず、時代を感じさせないということ。そもそも流行に乗っかったようなサウンドでないというせいもあるのだろう。70年代前半の音楽シーンが移り変わってゆく中で何年も売れ続けたというのが何よりの証明だけれど、それとは別に、さらに10年、20年後の文脈にもってきても、はたまた今現在の音楽シーンでこのアルバムが売れていても違和感がなさそうに思える(そういえば、2000年代に入ってからノラ・ジョーンズという歌手が現れたけれど、その頃に一緒に売れていても違和感がないのではないかと思ったりもした)。俗世と隔絶してそうな部分があるというと、少々言い過ぎかもしれないけれど、時代を超えて聴かれるというのはやはり名盤たる所以である。 次に、シンガーソングライターの作品と言うと、弾き語り的にシンプルなものをイメージする人もいるかもしれないけれど、本盤の演奏は結構凝っている。いや、もうちょっと正確に言うとヴァラエティに富んでいて、ピアノ弾き語り風のものもあれば、ジャズ的要素をうまく取り込んだ演奏、ロック的要素をやや濃くしたアレンジなど幅がある。いろんなミュージシャンを取り入れてこういうことをやると、本人の“色”が出にくくなりそうなものだ。けれども、キャロル・キングのヴォーカルが見事、バックにかき消されずに“彼女色”を強く出す結果になっている。 この二点が本盤全体としての大きな特徴だろうと思うのだけれど、話が長くなってきたので、今回はひとまずここまでにし、項を改めて収録曲のいくつかを見ていくことにしたい(後編に続く)。 (収録曲の情報は後編に掲載しています。) ![]() 【送料無料】つづれおり [ キャロル・キング ] ![]() 【送料無料】つづれおり(レガシー・エディション) [ キャロル・キング ] 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年09月28日 08時16分23秒
コメント(0) | コメントを書く
[洋ロック・ポップス] カテゴリの最新記事
|
|