テーマ:女性ヴォーカル(44)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
稀有な女性シンガーの真価を代表盤から考えてみる(その2) 先回の『ブルー』で書いた内容の姉妹編ということで、今回は、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)の別の有名アルバムを取り上げてみたい。1974年の第6作『コート・アンド・スパーク(Court and Spark)』というアルバム。ジョニ自身の絵でジャケットが飾られているが、前5作は肖像画や写真など何らかの形で彼女の姿がジャケットに登場していたが、本作では初めて本人の姿なしとなった。 さて、“女性シンガーソングライター”、あるいは“女性フォーク・シンガー”といった括りで普通イメージされるのは、静かな弾き語り風なものというのが典型的なイメージかもしれない。けれども、そのイメージから出発すると、このジョニ・ミッチェルという人は、掴みどころがはっきりしないアーティストになってしまう。というのも、彼女は、時とともに、もしくは必要性に応じて、楽曲を演奏する際の“音”を大きく変えていったからだ。そもそもギターのチューニングからして変則チューニングを多用することで知られ、これまでいろんな曲を作るのに50種類ほどの変則チューニング(本人の言葉によれば、“ジョニの奇妙なチューニング”)を使用しているとのことである。 もちろん、そうした工夫はギターのチューニングだけに見られるというのではない。バックを務めるミュージシャンも様々に変容していく。弾き語りのフォーク・シンガー的なところからスタートして、ロック系ミュージシャンを取り込んだのもそうだし、ミンガス(チャールズ・ミンガス)への傾倒も、ジャコパス(ジャコ・パストリアス)との出会いも、こうした一連の流れの中にあったのだろう。 そうした流れの端緒とも言えるのが、本盤『コート・アンド・スパーク』であった。平たく言えば、この盤はジャズ/ジャズ・フュージョン系のサウンドへの一歩を踏み出した作品であったということになるのだろうが、聴衆にも好意的に受け入れられ、チャートでは全米2位、カナダで1位と、商業的にも大きな成功を収めた作品となった。 女性として、ミュージシャンとして、ジョニ・ミッチェルはいろんな人と出会っていったわけだけれど、それは単に人とのつながりが広がっていくというだけでなく、音楽的にもどんどん広がっていったんだろうなと想像される。世の中には“自分の型”や“自身のスタイル”にもう少し頑なな人(“これが私です”とか平気で言うタイプの人)もいるが、ジョニはその正反対で、もっと柔軟性に富んでいた。それが1つのイメージで収まらないアーティスト、ジョニ・ミッチェル像にもつながるのだろうけれど、こういう柔軟で自由な生き方って、ある種、誰にでもできるものではないのかもしれない、と思わされたりもする。 その1『ブルー』へ [収録曲] 1. Court and Spark 2. Help Me 3. Free Man in Paris 4. People's Parties 5. Same Situation 6. Car on a Hill 7. Down to You 8. Just Like This Train 9. Raised on Robbery 10. Trouble Child 11. Twisted 1974年リリース。 ![]() 【RCP】【Joshinはネット通販部門1位(アフターサービスランキング)日経ビジネス誌2013年版】【送料無料】コート・アンド・スパーク/ジョニ・ミッチェル[CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014年01月11日 05時33分31秒
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