テーマ:ブルース・ロック(61)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
永遠の“ライヴの教科書”~ジョニー・ウィンター追悼(後編) (前編からの続き) さて、ジョニー・ウィンター・アンドという、一風変わった(初めて聞く人は、例外なく“アンド・何?”となるのではないだろうか)バンド名でのライヴ作品について、引き続き見ていくことにしたい。 前項で述べたように、バンド・スタイルでの演奏だが、その編成は、ギター2本、ベース、ドラムという構成。メンバーの中で注目は、もう一人のギタリスト、リック・デリンジャー(「ロックンロール・フーチー・クー」の作者としても知られ、ウィンターとの共演の他、80年代にはプロデューサーとしてアル・ヤンコヴィックを世に送り出してもいる)の参加。もちろん、ギターをメインで聴かせるのはジョニー本人だが、バンドとしての塊(敢えて“まとまり”というのではなく、一塊になっている感じ)が抜群の演奏を繰り広げている。ちなみに、ベースはランディ・ジョー・ホッブス、ドラムはボビー・コールドウェル(AORシンガーとは別人)である。 もちろん、ジョニー・ウィンター自身のギター・プレイは、聴きどころ満載である。ブルース・ギタリストとしての真骨頂を示しているのは、B・B・キングの2.「イッツ・マイ・オウン・フォールト」で、本人自作曲の5.「ミーン・タウン・ブルース」とあわせればブルース・プレイヤーとしての彼の本領発揮ということになるのだろう。 けれども、これら2曲で終わりにしてしまってはもったいないのが、この盤だと思う。冒頭の1.「リトル・スクール・ガール」のように、ロックのノリが強い(しかもそれがサニー・ボーイ・ウィリアムソンの曲!)中に、ジョニー・ウィンターのギターが生かされた演奏こそが、むしろアルバム作品としては聴きどころになっているようにすら感じる。その意味でのハイライトは、“ブルース的”な聴かせどころよりも、むしろ4.「ロックンロール・メドレー」のような部分だと言えるかもしれない。ロックバンドをやるのなら、誰しもがこのような一体感と個性の融合を試みたいと思うに違いない。その意味では、絶好の“教科書”的アルバムでもある。そんな風に考え出すと、ストーンズの3.「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」も、チャック・ベリーの6.「ジョニー・B・グッド」も聴き逃せない演奏という風になってくる。 最後に、先週のジョニー・ウィンターの訃報についてあらためて振り返っておきたい。ツアー先のヨーロッパのホテル(スイスのチューリッヒ)で亡くなったとのことで、死因は今のところよくわからないのだけれど、70歳(それも近年は来日も含め比較的活発に活動していた)というのは、惜しむほかない。そう言えば、昨年亡くなったルー・リードも71歳と、ほぼ同じ世代だった。これからもこの世代のミュージシャンの訃報を時折耳にすることになるのかもしれないが、時代の移り変わりを再認識させるこうしたニュースには、何とも言えない寂しさが伴う。 ジョニー・ウィンターがもっとも偉大だったところは、“彼を超えるギタリスト”(少なくともそう形容される人)が、1960年代末のシーンへの登場以降、亡くなった現在まで、一度も現れなかった点である。さほど有名ヒットを飛ばしたわけでない一方、実力面での抜きんでていた彼の存在をよく表している評価だと思う。白いブルース・ギタリストよ、永遠なれ。ご冥福をお祈りします。 [収録曲] 1. Good Morning Little School Girl 2. It's My Own Fault 3. Jumpin' Jack Flash 4. Rock And Roll Medley: 1) Great Balls Of Fire~2) Long Tall Sally~3) Whole Lotta Shakin' Goin' On 5. Mean Town Blues 6. Johnny B. Goode 1971年リリース ![]() Johnny Winter ジョニーウィンター / Live 輸入盤 【CD】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014年07月22日 06時43分45秒
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