テーマ:洋楽(3484)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
一風変わった代表盤 アメリカ西海岸を拠点とし、“70年代の最も完成された作詞家”と呼ばれたシンガーソングライターのジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)。先に紹介した『ザ・プリテンダー』と並ぶ彼の代表作と言えるのが、1977年リリースのこの『孤独なランナー(Running on Empty)』である。 何でも、1976年の『ザ・プリテンダー』の発表後、そのツアーを収めた2枚組ライヴ盤が企画されていたのだという。しかし、このライヴ・アルバムは実現されなかった。それが形を変えたものが、本盤『孤独のランナー』となったからである。そのようなわけで、この盤は、ツアーでのライヴ・テイクをはじめ、ツアー中の様々な場所で録音された曲が収められており、一風変わったアルバム作品に仕上がっている。全米3位となり、セールス面でも彼の作品としては最も売り上げたものとなった。 本盤のよさは、何よりもまず、楽曲の質の高さだと言える。1.「孤独のランナー」のたたみかけるような完成度の高いオープニングの1曲だけでも、このアルバムを手にしてみる価値はある。もちろん、1曲しか聴かないのももったいない。他にも好曲揃いで、これは聴き逃せないと思う筆者のお気に入りをさらにピックアップしてみたい。4.「ユー・ラヴ・ザ・サンダー」は、ライヴの録音日は別だけれども上記1.とあわせて聴きたいナンバー。曲の素晴らしさ・演奏の完成度という観点では、他に9.「ザ・ロード・アウト」、10.「ステイ」(後者はデビッド・リンドレー、ローズマリー・バトラーもヴォーカルをとっている)。ライヴ・テイク以外の曲の中では、6.「シェイキー・タウン」が外せない好ナンバー。 上に書いたように、ツアー中の録音場所がなかなか面白い。3.はコンサート・ホールのリハーサル室、5.や6.は宿泊ホテルの一室(イリノイ州エドワーズビルのホリデーイン124号室)、8.に至っては移動中のバス(ニュージャージー州内のどこかを移動中)の録音とのこと。とはいえ、アルバムで聴くと全然リハーサル・テイクっぽい感じもせず、完成度は高い。 ジャクソン・ブラウンのデビューは1970年代初頭だけれども、それ以前からイーグルスへの楽曲提供などソングライターとしての能力は知られていた。その才能が自己の歌・演奏と相まって花開いた時期が『ザ・プリテンダー』から本作『孤独なランナー』にかけての70年代後半だったということになるだろうか。70年代に数あるシンガーソングライターたちが歌うテーマや音楽的方向性を明確に定めきれず苦悩した中、彼の音楽はその行く末がしっかり見定められていた、そのことがよくわかる名作アルバムだと思う。 [収録曲] 1. Running on Empty 2. The Road 3. Rosie 4. You Love the Thunder 5. Cocaine 6. Shaky Town 7. Love Needs a Heart 8. Nothing but Time 9. The Load-Out 10. Stay 1977年リリース。 ![]() 【Aポイント+メール便送料無料】 ジャクソン・ブラウン / 孤独なランナー[CD] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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