テーマ:洋楽(3494)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
詩人による、シンガーソングライターとしてのデビュー作
レナード・コーエン(Leonard Cohen)は、1934年ケベック州モントリオール生まれのカナダの詩人。1956年、まだ大学生の頃に最初の詩集を出版して以降、詩人および小説家として活躍していたが、1967年にアメリカに拠点を移す。その理由は、シンガーソングライターとしてデビューするためで、翌68年にデビュー盤をリリース。そのアルバムこそが、この『レナード・コーエンの唄(Songs of Leonard Cohen)』であった。 つまりは、33歳でデビュー盤というのは遅いように見えるかもしれないが、それ以前に既に詩人として名を成していて(いくつかの詩集は邦訳もなされていたよう)、満を持しての音楽界への進出だったと言えるのかもしれない。 さて、そんな本盤の内容はというと、実に“淡々と”したものである。基本は弾き語りのシンガーソングライター風。一聴して“陰気”で“暗い”のは確かである。けれども、同時に、後々の彼の作品に通底する重要な特徴が既に明確に表れているようにも思う。それは、ただ一人で孤独に語っているのではなく、聴き手へ強く伝わってくる“慈悲の感覚”である。孤独に見えて、実は優しさに溢れている。 収められた曲には、その後も代表曲として知られるようになる曲も複数含まれている。冒頭の1.「スザンヌ」、5.「シスターズ・オブ・マーシー」、6.「さよならマリアンヌ(ソー・ロング・マリアンヌ)」といったところがそれにあたり、本盤を聴く上では逃せない聴きどころになっている。さらに、個人的な好みでは、7.「そんなふうにさよならを言ってはいけない(ヘイ、ザッツ・ノー・ウェイ・トゥ・セイ・グッドバイ)」のクリアでストレートな曲調がおすすめ。 ちなみに、1.「スザンヌ」はジュディ・コリンズが歌ったことでも知られる(1966年の『イン・マイ・ライフ』に収録)が、5.「シスターズ・オブ・マーシー」とこの7.「そんなふうにさよならを言ってはいけない」もまた彼女の自作(1967年の『ワイルドフラワーズ』)でカバーされている。 ともあれ、デビュー作にして、レナード・コーエンを初めて聴く入り口としても(ただし、全体的に“暗い”ことは承知の上で!)、彼の持ち味が存分に発揮された推奨盤と言えるように思う。 [収録曲] 1. Suzanne 2. Master Song 3. Winter Lady 4. The Stranger Song 5. Sister of Mercy 6. So Long, Marianne 7. Hey, That’s No Way to Say Goodbye 8. Stories of the Street 9. Teachers 10. One of Us Cannot Be Wrong ~以下、CDボーナス・トラック(2007年デジタル・リマスターの際に収録)~ 11. Store Room 12. Blessed Is the Memory 1968年リリース。 ![]() 【メール便送料無料】レナード・コーエンLeonard Cohen / Songs Of Leonard Cohen (w/Bonus Tracks) (輸入盤CD)(レナード・コーエン) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年01月04日 20時10分12秒
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