9284468 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2017年08月22日
XML
テーマ:洋楽(3285)
“自覚的”に変革を求めたザ・バーズの第5作


 『ミスター・タンブリン・マン』のところでも少し述べたことだけれど、ザ・バーズ(The Byrds)の音楽は、自然発生的というよりは、しばしば“意図的”もしくは“自覚的”なものだったと言っていいように思う。

 1960年代後半、ロック音楽がその後十数年の流れに続く新たな胎動を起こしている中で、“なんかやってみたら偶然出てきた”というのではなくて、いろいろと試行錯誤しながら新たなものを意識して創り出そうというものであった。その当時も、そうしたことに無自覚だったアーティストもいただろう。けれども、当時の多くのアーティストやバンドは、ずっと後に比べて言えば、“自覚的”な人がいっそう多かったのではないかと推察する。そして、ザ・バーズはその自覚的な姿勢を如実に示しているバンドの一つであったのではないかというのが筆者の見立てである。

 本盤『名うてのバード兄弟(The Notorious Byrd Brothers)』は、1968年発表の、グループとしては5枚目の作品に当たる。制作途中でデヴィッド・クロスビーが脱退するが、その理由は、彼の自作曲の14.「トライアド」をめぐる孤立と、バンドがアルバム完成までのつなぎとしてシングル発表した2.「ゴーイン・バック」(G・ゴフィンとC・キングの有名曲)の採否をめぐる対立だったという。さらにクロスビーの脱退の結果、先に脱退していたジーン・クラークが本盤完成のために一時呼び戻されるという事態も起こったが、この辺りのメンバーの対立騒動も、考えようによっては、上述の“自覚的姿勢”の強さを想起させるエピソードと言えなくもない。

 従来のバーズのサウンドと比べるとストリングスやホーンの使用が目立つが、アルバムのトータルの音作りに貢献していて、個人的にはいい印象を持っている。『霧の五次元』からのサイケな要素を残しつつ、カントリーなロック・サウンドをベースにしつつもポップさに欠けていない。ある意味、絶妙のバランスの上に成り立った好作と言っていいように思う。全米ではそれ以前の作品ほどのヒットとならなかったものの、イギリスで12位にランクインしたのも頷ける。

 曲単位で注目したいのは、唯一のシングルとなった2.「ゴーイン・バック」。そして、アルバム本編には収録されなかった(現在はボーナストラックとして収録の)D・クロスビー作の14.「トライアド」。他にいくつか個人的お気に入りを挙げると、4.「ドラフト・モーニング」(オリジナルのエンディング付きは16.で聴くことができる)や9.「部族集会(とライバル・ギャザリング)」なんかもいい。そう思うと、当時のデヴィッド・クロスビーは本当にいい曲を作っていたということか。ついでながら、1990年代の再発で追加されたボーナストラックも結構楽しめる。上記14.「ドラフト・モーニング」もそうだけれど、それ以外には、クロスビーが嫌々参加している(?)「ゴーイング・バック」の初期ヴァージョン(15.)、さらには7.「今が転機(チェンジ・イズ・ナウ)」のデモ・ヴァージョンの17.「ユニヴァ―サル・マインド・デコーダー」なんかが収められているのも面白い。


[収録曲]

1. Artificial Energy
2. Goin' Back
3. Natural Harmony
4. Draft Morning
5. Wasn't Born to Follow
6. Get to You
7. Change Is Now
8. Old John Robertson
9. Tribal Gathering
10. Dolphin's Smile
11. Space Odyssey

~以下、CD(1997年)のボーナス・トラックボーナス・トラック~
12. Moog Raga (instrumental)
13. Bound to Fall (instrumental)
14. Triad
15. Goin' Back (version one)
16. Draft Morning (alternative end)
17. Universal Mind Decoder (instrumental)

1968年リリース。




 ​
名うてのバード兄弟(Blu-spec CD2) [ ザ・バーズ ]





下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、ぜひバナーをクリックお願いします!
       ↓          ↓

   にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ      ブログランキング・にほんブログ村へ   





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017年08月22日 21時25分43秒
コメント(0) | コメントを書く
[洋ロック・ポップス] カテゴリの最新記事


PR

Freepage List

Category

Free Space

  ブログランキング・にほんブログ村へ
     にほんブログ村

   にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

   にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

   にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
  人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Archives

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

Headline News


© Rakuten Group, Inc.