テーマ:洋楽(3465)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
儚きグループによる幻の好盤
キャロル・キング(Carol King)は、1960年代に当時の夫とのコンビでライターとしてヒット曲を多く書き、その名をとどろかせたが、ソロのアーティストとして本格的に活動するようになったのは、1970年以降のことであった。それまでの間、若い頃に何枚かのシングル(いずれも売れずに終わった)、1962年にシングル1枚を出しているので、キャリア上は“デビュー”していたわけだけれど、アルバムリリースには至っていなかった。 そんな彼女が最初に制作したアルバムは、ソロ活動への伏線だったと思われるものの、3人組のグループによるものだった。バンド名はザ・シティ(The City)。メンバーは、キャロル・キングのほかは、ギターのダニー・コーチマー(ダニー・クーチ)が、ベースのチャールズ・ラーキー(後にキャロル・キングの二人目の夫となる)が名を連ねていた。さらにゲストとして、ジム・ゴードンがドラムスを担当した。 ザ・シティが残した唯一のアルバムが、1969年リリースのこの『夢語り(Now That Everything's Been Said)』である。オードというレーベルに吹き込まれたのだけれど、その発売元が変更(CBSからA&Mに移った)というタイミングのために早々に廃盤となり、“幻の盤”になった(後に1993年に日本で世界初CD化された)。 全体として、名盤『つづれおり』(過去記事前編・後編)に続いていくことになる作品と言われたりもするものの、ソロ作品と比べるとバンド感(というか“グループ感”といった方がしっくりくるような気がする)が強い。曲自体は、1曲(9.)を除き、いずれもキャロル・キングの共作ナンバーが並ぶ。 注目曲は1.「スノー・クイーン」。詞もリズムも幻想的な感覚が印象的だが、1980年代に入って“再発見”されてラジオのエアプレイで好評を博したという曲でもある。ほかには、緊張感とソングライティングの妙がよく出た表題曲3.「夢語り(ナウ・ザット・エヴリシングズ・ビン・セッド)」がよく知られる。さらに、個人的好みをもう少し入れると、2.「ワズント・ボーン・トゥ・フォロー」、8.「レイディ」、12.「オール・マイ・タイム」なんかもいい。それから、唯一、自作ではない9.「マイ・スウィート・ホーム」。上記の“グループ感”がよく感じられるこのナンバーもまた、本盤の注目曲と言えるように思う。 [収録曲] 1. Snow Queen 2. I Wasn't Born To Follow 3. Now That Everything's Been Said 4. Paradise Alley 5. Man Without A Dream 6. Victim Of Circumstance 7. Why Are You Leaving 8. Lady 9. My Sweet Home 10. I Don't Believe It 11. That Old Sweet Roll (Hi-De-Ho) 12. All My Time 1969年リリース。 ![]() シティー/夢語り 【CD】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年08月24日 20時53分15秒
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