テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
活動初期の“クールな”名盤
MJQことモダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet)が結成されたのは、1951年。当初は、ミルト・ジャクソン・カルテット(どのみち略称はMJQ)といい、ディジー・ガレスピーのビッグ・バンドから派生したグループだった。 1955年にはドラムスがコニー・ケイになり、メンバーが固まったが、本盤『ジャンゴ(Django)』は、1953年半ば~1955年初頭の間に吹き込まれ、ケニー・クラークがドラムを務めていた時期の録音である。とはいえ、MJQの代表作の一つとしてよく名前が挙げられる盤でもある。 よく言われるように、クラシックの室内楽のような演奏の作品である。クラシカルな部分はジョン・ルイス、逆に黒っぽいフィーリングを展開するミルト・ジャクソンの絶妙なバランス、これに尽きる。“クール・ジャズ”というとまったく違う種類の音楽が想像されてしまいそうだけれど、本盤で展開される彼らの音楽は二重の意味で“クール”と言えるように思う。いわゆる“カッコいい”の意味のクールと、“飄々としてどこか涼しげな感じさえする”という意味でのクールだと思う次第である。 個人的に注目したい曲をいくつか挙げておきたい。ジャンゴ・ラインハルトに捧げられたルイス作の表題曲(1.「ジャンゴ」)は、後に演奏されているものの、これが初演。2.「ワン・ベース・ヒット」は、パーシー・ヒースのベースが聴きどころ。あと、6.「ニューヨークの秋」や7.「バット・ノット・フォー・ミー」あたりは、繰り返し演奏されている有名ナンバーだが、逆にこうした演奏を聴くと、本盤の、さらにはMJQ自体の目指したところがよく見てとられるんじゃないだろうか。上で述べた“白人的”でクラシック的な部分と、“黒人的”でジャズ的な部分の融合は、偶発的に生まれてきたのではなく、ある意味ではしっかり計算されていたのだろうと想像できるように思う。 [収録曲] 1. Django 2. One Bass Hit 3. La Ronde Suite 4. The Queen's Fancy 5. Delauney's Dilemma 6. Autumn In New York 7. But Not for Me 8. Milano [パーソネル・録音] Milt Jackson (vib),John Lewis (p),Percy Heath (b),Kenny Clarke (ds) 1953年6月25日(4.~7.)、1954年12月23日(1.,2.,8.)、1955年1月9日(3.)録音。 ジャンゴ/モダン・ジャズ・カルテット[SHM-CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年09月22日 20時19分26秒
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