テーマ:スペイン音楽(68)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
スペイン音楽史上伝説のライヴ
1996年、当時のスペインで脂の乗り切った世代の4人のシンガーが集結し、大規模な国内ツアーを行なった。翌年に入ってもツアーは続き、海外(メキシコ、ベネズエラ、アルゼンチンなど)でも公演が行われた。この時のライヴの記録(厳密にはマドリードでのライヴを収録)が『エル・グスト・エス・ヌエストロ(El gusto es nuestro)』という盤である。 その4人とは、アナ・ベレン(Ana Belén)、ビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)、ミゲル・リオス(Miguel Ríos)、ジョアン・マヌエル・セラー(Joan Manuel Serrat)である。最初の2人(参考過去記事)はデュオで長く活動してきた。M・リオスは1960年代から活動していた有名ロックシンガー。J・M・セラー(参考過去記事)も1960年代後半~1970年代に入る頃からのよく知られたシンガーソングライター。つまるところ、過去に共演歴を持つ大物たちが一斉に集合して大規模コンサートを行なったというわけで、当然のようにツアーは大成功し、アルバムは大きなセールスを上げた。 筆者的には端から端まで聴き逃せないアルバムなのだけれど、4人が共演しているという意味で聴きどころになっているのは、冒頭の1.「オイ・プエデ・セール・ウン・グラン・ディア(今日は素晴らしい日になる)」、アナ・ベレンの代表曲の7.「コンタミナメ」、M・リオスがヒットさせたベートーベン曲に基づいた21.「イムノ・ア・ラ・アレグリーア(歓喜の歌)」、そして何よりJ・M・セラーのナンバーである20.「フィエスタ(祭礼)」。とくにこの20.はアルバムのいちばんのハイライトになっていると思う。個々のシンガーの得意曲や有名曲(例えば、V・マヌエルの3.「ソロ・レ・ピド・ア・ディオス」やM・リオスの18.「エル・ロック・デ・ラ・カルセル(監獄ロック)」)もいいのだけれど、せっかくの共演盤なので、もういくつか共演での注目曲を挙げてみたい。まずは、A・ベレンとM・リオスによる9.「エスパーニャ・カミサ・ブランカ・デ・ミ・エスペランサ(わが希望の純白のシャツ、スペイン)」。V・マヌエル作のナンバーということだけれど、本当にこの人はいい曲を書くと再確認させられる。あと、8.や19.のように、J・M・セラーのカタルーニャ語が原曲のナンバーでも共演が含まれている点が興味深い。 時は流れて2016年、シンガーとしての成熟期にあった中年4人組(失礼!)は、老境に差し掛かったシンガー4人組となり、20周年ライヴツアーを翌年(つまり今年2017年)にかけて行った。1996年当時の年齢はA・ベレンが45才、M・リオスが52才、ビクトル・マヌエルが49才、J・M・セラー53才、そして、2016年の年齢はそれぞれ65才、72才、69才、73才であった(いずれも当該年の誕生日後の年齢)。20周年の方もアルバム化されているので、そちらの盤についても、いずれ機会を見て取り上げたいと思う。 [収録曲] 1. Hoy puede ser un gran dia 2. El río 3. Sólo le pido a Dios 4. Penélope 5. Mientras el cuerpo aguante 6. Cruzar los brazos 7. Contamíname 8. Me’n vaig a peu 9. Espana camisa blanca de mi esperanza 10. Marilyn Monroe 11. Blues del autobús 12. Quiero abrazarte tanto 13. Cuélebre 14. Cantares 15. La plaga 16. Estremécete 17. La locomotion 18. El rock de la Cárcel 19. Paraules d' amor 20. Fiesta 21. Himno a la alegría 1996年リリース。 【中古】 【輸入盤】El Gusto Es Nuestro /ElGustoEsNuestro 【中古】afb 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 “ぽち”応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年10月15日 06時33分47秒
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