音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2018/02/16(金)07:40

ジミー・ウィザースプーン&ベン・ウェブスター 『ルーツ(Roots)』

ジャズ(496)

ブルース・シンガーと王道ジャズ・テナーの邂逅  ジミー・ウィザースプーン(Jimmy Witherspoon, 1920~97年)は、アーカンソー出身のブルース・シンガー。アップテンポのいわゆるジャンプ・ブルースを得意とし、「エイント・ノーバディーズ・ビジネス」のヒットでも知られる。他方、共演者のベン・ウェブスター(Ben Webster, 1909~73年)は“3大テナー”の一人に数えられる、ジャズ・サックスの王道を行く巨人である。この2人が1962年に共演して吹き込まれたのが、本盤『ルーツ(Roots)』ということになる。  1959年にモンタレー・ジャズ・フェスティヴァルで共演して以来、クラブなどで2人はしばしば共演していたという。力強いウィザースプーンのヴォーカルと暖かみのあるベン・ウェブスターのテナーというのは確かに絶妙な組み合わせだと思う。とはいえ、ジャズの中での通常の歌もの(ありがちなジャズ・ヴォーカル盤)とは一線を画している。  “ルーツ”という表題は、もちろんブルースを指しているわけだけれど、ジャズ化したブルースと本来のブルースには一定の隔たりがある。本盤が面白いのは、その狭間を埋めるような作品になっているからだと思う。ヴォーカルを中心に耳を傾けるとなるほど本来のブルースの延長線上にある音楽との印象を受ける。その一方で、サックスを中心に楽器演奏の側はしばしばジャズの聴き手に受け入れられやすい雰囲気に仕上がっている。つまるところ、本盤は“ジャズ・ヴォーカル盤”ではなく、ジャズ演奏を含んだ“ブルース盤”と言っていいのかもしれない。全編にわたって弛みがなく、わざわざ聴きどころを絞る必要もないとは思うが、ウィザースプーンのヴォーカルが特に気に入っているのは、2.「アイム・ゴナ・ムーヴ・トゥ・ジ・アウトスカーツ・オブ・タウン」や5.「コンフェッシン・ザ・ブルース」、ウェブスターのサックスが特に好みなのは、9.「チェリー・レッド」や12.「プリーズ、ミスター・ウェブスター」といったところ。 [収録曲] 1. I'd Rather Drink Muddy Water 2. I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town 3. Key To The Highway 4. Did You Ever 5. Confessin' The Blues 6. Nobody Knows You When You're Down And Out 7. Your Red Wagon 8. Rain Is Such A Lonesome Sound 9. Cherry Red 10. It's A Low Down Dirty Shame 11. Just A Dream 12. Please, Mr. Webster [パーソネル・録音] Jimmy Witherspoon (v) Gerald Wilson (tp) Ben Webster (ts) Ernie Freeman (p) Herman Mitchell (g) Ralph Hamilton (b) Jim Miller (ds) 1962年5月23日録音。  ​ジミー・ウィザースプーン/ルーツ+ジミー・ウィザースプーン +3(CD)​  ​【メール便送料無料】JIMMY WITHERSPOON / ROOTS (輸入盤CD)(ジミー・ウィザースプーン)​    以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、    “ぽち”応援よろしくお願いします。        ↓      ↓      ↓          

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