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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年02月26日
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兄弟弟子による白熱したギターの競演


 カルロス・サンタナ(Carlos Santana)は、メキシコ出身だけれどもサンフランシスコへ移り住み、アメリカの音楽シーンで活躍をしてきた。他方、マハヴィシュヌ・ジョン・マクラフリン(Mahavishnu John McLaughlin)は、イギリス出身で、アメリカへわたって活躍するとともにインド音楽やヒンドゥー教に傾倒していった人物である。これら2人のギタリストはともに卓越した技術と感性で名声を博していたわけだが、アメリカ在住のシュリ・チンモイ師の兄弟弟子となった2人は、1973年(録音は1972~73年)に『魂の兄弟たち(Love Devotion Surrender)』というコラボレーション盤を発表する。

 この1972~73年というタイミングは、両者の全盛期と言ってもよいだろう。サンタナの方はというと、1969年のバンドとしてのデビュー盤の後、1970~71年にかけて、『天の守護神』と『サンタナIII』をヒットさせた直後であった。マクラフリンの方は、マイルス・デイヴィスにも関わった後、マハヴィシュヌ・オーケストラを結成してのりにのっている時期だった。

 基本的に、本盤は、インストルメンタルのギタープレイが激しく繰り広げられるというもの。1960年代の音楽体験が1970年代にそれぞれの活躍を進めていく両者の中に共通項としてあったこと(後述のコルトレーンの『至上の愛』は1965年の作品)、さらにはシュリ・チンモイ師への傾倒(アルバム表題にあるように2人はこの人物の弟子として兄弟関係にあった)から、このような演奏が生まれたのだろう。今となって思えば、きっと2人の間には、音楽家としての各自の成長過程に大きく影響を与えた諸要素が頭の中に浮かんでは消えを繰り返していたのではないかと想像する。

 いちばんの聴きどころは、ジョン・コルトレーンの1.「至上の愛」だろう。コルトレーンの『至上の愛』は四部構成になっているが、そのパート1の「承認(Acknowledgement)」に基づき、主に左チャンネルがサンタナ、右チャンネルがマクラフリンになっている。アコギで演奏される2.「ネイマ」もコルトレーンの曲で、こちらは1960年発表の『ジャイアント・ステップス』に収録されていたもの。そして、再び『至上の愛』のテーマに戻って3.「神聖なる生命」では、2人熱いプレイに加えてラリー・ヤングのオルガンが存在感を発揮している。4.「神の園へ」は伝統的なゴスペル曲だが、15分越えの長編で、2人のギターバトルの激しさはとどまるところを知らない。

 サンタナから入るかコルトレーンから入るか、ギターバトル盤としてみるかトータルな作品としてみるか、など観点によってこれほどいかようにも評価されてきたアルバムはないと言ってもいいかもしれない。たぶんこの問いに答えはないのだろう。体のいいまとめ方と言われてしまうかもしれないけれど、そういう風にいろいろと違った角度から聴けるというのは、本盤のいいところでもあるのかもしれない。実際、筆者が聴くときも、ある時はコルトレーンを思い浮かべ、またある時はそんなの関係なしに2人のギターにのみ集中してみたりする。また、別の気分だとギターと全体、さらにはギタリストのいずれか一方、などと多様な聴き方で楽しめばいいのだろう。


[収録曲]

1. A Love Supreme
2. Naima
3. The Life Divine
4. Let us Go Into the House of the Lord
5. Meditation

1973年リリース。




 ​
魂の兄弟たち [ ジョン・マクラフリン&カルロス・サンタナ ]





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Last updated  2018年02月26日 07時43分28秒
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