テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
ラテンのイメージとは全く異なる演奏
クレア・フィッシャー(Clare Fischer)は1928年、ミシガン出身のミュージシャンで、2012年に83歳で死去している。1950年代にザ・ハイローズ(アメリカのコーラス・グループ、最近の日本のバンドではないので念のため)のピアノとアレンジを担当し、その後はボサノヴァなどを手掛けた。ラテン・ジャズのスタンダードである「モーニング」や「ペンサティーバ」の作者として知られる。 しかし、そんなイメージとは異なり、ピアノ・トリオでジャズ・ミュージシャンとしての本分(?)を追求している1枚が『サージング・アヘッド(Surging Ahead)』という盤である。1960年代前半にパシフィックに吹き込んだ初期リーダー作の一つであるが、ラテンなどの真新しさではなく、スタンダードをじっくりどう料理するか、に主眼がある盤だと言える。 でもって、“非ラテン”なクレア・フィッシャーはというと、これがまた個人的には実に好みのプレイなのである。世間が言うビル・エヴァンスの影響は本人が否定しているが、その代わりに影響を受けたのはリー・コニッツだとも述べている。なるほど、一聴するときれいに収まっているように思えるものの、実は端々ではじけたり、意表をつくトーンが出てくるあたりは、リー・コニッツ的と言われると確かにそうなのかもと思えてくる。 1960年代前半の彼のリーダー盤はほかにもある。筆者はまだ全部は聴けていないが、いつか一通り聴いてみたいし、すでに聴いた中にもいい盤があるので、今後も取り上げたいと思う。 [収録曲] 1. Billie's Bounce 2. Way Down East 3. Satin Doll 4. This Can't Be Love 5. Strayhorn 6. Things Ain't What They Used to Be 7. Davenport Blues 8. Without a Song [パーソネル、録音] 1.~4.: Clare Fischer (p), Albert Stinson (b), Colin Bailey (ds) 1963年3月13日録音 5.~7.: Clare Fischer (p), Ralph Pena (b), Larry Bunker (ds) 1963年2月6日録音 8.: Clare Fischer (p), Gary Peacock (b), Gene Stone (ds) 1963年4月録音 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年03月03日 07時32分41秒
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