テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
多彩なギターとパーカッション
ジャック・マーシャル(Jack Marshall)は、1921年カンザス生まれの作曲家・編曲家、プロデューサーそしてギタリスト(1973年没)。どちらかというと裏方的な役割が多かったためか、彼名義のアルバム作品は決して多くない。そんな彼が1966年にドラマーのシェリー・マン(Shelly Manne)と共演したのが本作『サウンズ!(Sounds!)』である。シェリー・マンは1920年生まれ(1984年没)だから、同世代の2人ということになる。 内容は、ドラムのみならずヴォイス・パーカッションまでをも使って多彩な伴奏を繰り広げるシェリー・マンに、メロディアスで多彩なテクニックのジャック・マーシャルのギターが絡むというデュオ演奏になっている。取り上げている楽曲には、スタンダード曲のほか、いわば当時の“流行りもの”も含まれ、1.「アラビアのロレンスのテーマ」や11.「カーニヴァルの朝~オルフェのサンバ」なんかが収められている。その意味では、一見すると収録曲に一貫性がないように思われるかもしれないが、聴いてみると、意外にそうでもない。“お洒落に聴かせられる曲”というのがおそらくは選曲基準ではなかったかと思わせるような統一性があるように感じる。 全編通して聴くことがベストではあるものの、気になる曲をいくつか挙げておきたい。3.「オール・ザ・シングス・ユー・アー」や8.「スポージン」は本盤の特徴をよく表す演奏になっているように思う。既存の曲をそういうものとして演奏するのではなく、このデュオでしかできない形(8.の口でのパーカッションも含め)で提示しようという意気込みがはっきりしている。そういう意味では、1.「アラビアのロレンス」のほか、スペイン絡みの2曲(6.「スペインの雨」と7.「スペイン舞曲 第5番 アンダルーサ」)も、ブラジル系の選曲(4.「ショーロス」、10.「サン・パウロの少女」、11.「黒いオルフェ~オルフェのサンバ」)も、その意図に沿った題材の選択だったのかなと思わされる。 実は、本作品には同じ2人による先行するデュオ盤がある。1962年に吹き込まれた『サウンド・アンハード・オフ』という盤である。以前から気になっていながらも筆者は未聴であるが、同盤をいつか手にした時には、時系列では逆になるけれども、本記事の続編を書きたいと思っていたりする。 [収録曲] 1. Theme from "Lawrence of Arabia" 2. Sweet Sue, Just You 3. All the Things You Are 4. Choros 5. Am I Blue? 6. The Rain in Spain 7. Spanish Dance No. 5 8. S'posin' 9. Yesterdays 10. The Girls of Sao Paulo 11. A Day in Brazil Medley: Manha de Carnaval/Sweet Happy Life (Samba de Orfeu) [パーソネル・録音] Jack Marshall (g), Shelly Manne (perc) 1965年録音。 【中古】 Shelly Manne/Jack Marshall / Sounds! 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年12月06日 16時14分45秒
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