テーマ:アメリカン・ロック(103)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
ロック色を強めた名曲揃いのソロ第2作
いきなりだけれど、個人的にはロックに政治色を被せるというのはあまりよろしくないと思っている。ベトナム戦争などの反戦も、黒人問題などの人種問題も、ロックの題材として、あるいはロックそのものの推進に意味を持ってきたことは十分分かっているつもりだけれど、特に若者に聴かれる大衆音楽の政治性は、間違った使われ方をされると恐ろしいことになり得る。どこかでそんなことをつい考えてしまうからだ。 そんな風に思っているにもかかわらず、セカンド作になって政治性とロック性を一気に高めたリトル・スティーヴン(Little Steven)の『ヴォイス・オブ・アメリカ(Voice of America)』は私的愛聴盤である。メンバーは、ファースト作(過去記事はこちら)の“ディサイプルズ・オブ・ソウル”の面々をそのまま引き継いでいるものの、音楽的にはロック色をぐっと強めている。 個人的な好みで言うと、ベストは次の3曲。表題曲の1.「ヴォイス・オブ・アメリカ」、スペイン語で“失踪者たち”を意味する6.「ロス・デサパレシードス」、そして、8.「明日を夢見て(アイ・アム・ア・パトリオット)」。1.と6.の2曲はロック・アーティストとしてのリトル・スティーヴンの本領発揮曲で、8.はレゲエ調のカッティングが印象的だが、これら3曲はいずれもヴォーカリストとしての彼らしさ(といっても、癖のあるヴォーカルなので、好き嫌いが分かれるだろうけれど)が際立っている。 これらに次いで外せないと思うナンバーは、2.「ジャスティス」。上記の1.や6.がいいと思う人はこの曲や5.「真夜中の疾走(アウト・オブ・ザ・ダークネス)」も気に入ることだろう。また、8.同様に裏カッティングが印象的な4.「ソリダリティ」もいい。この4.のほか、上記5.と10.「生還の誓い(アンディフィーテッド)」がシングルとしてもリリースされているがチャートアクションはなかった。とはいえ、アルバム自体はファースト作の全米118位に対し、本作は全米55位と前進した。 [収録曲] 1. Voice of America 2. Justice 3. Checkpoint Charlie 4. Solidarity 5. Out of the Darkness 6. Los Desaparecidos (The Disappeared Ones) 7. Fear 8. I Am a Patriot (And the River Opens for the Righteous) 9. Among the Believers 10. Undefeated (Everybody Goes Home) 1984年リリース。 【輸入盤CD】Little Steven / Voice Of America (w/DVD)【K2020/7/17発売】(リトル・スティーヴン) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021年04月28日 08時46分19秒
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