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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2021年11月27日
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テーマ:洋楽(3281)
音楽的豊かさと多彩さが際立つ記念碑盤


 1965年。この年は、ボブ・ディランが『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』と『追憶のハイウェイ61』を発表した年である。フォークとロックの垣根が取り壊され、その間が埋まっていくという音楽的には重要な転換期だった。ただ、そうは言っても、フォークとロックの距離が狭められていくという動きは、何もディラン一人に限った話ではなかった。例えば、“フォーク・ロック”の始まりは前年のイギリスのアニマルズによる「朝日のあたる家」と言われたりすることもある。

 1960年代半ばのこうした音楽的胎動に関して、忘れてはならないアーティストが、このティム・ハーディン(Tim Hardin)と言えるように思う。ディランと同じ1941年の生まれで、フォーク畑のシンガーソングライターである。彼のデビュー盤となった本作『ティム・ハーディン1(Tim Hardin 1)』は、1966年に発表されたものであるが、録音時期は1964年の5月と11月、および1965年12月というから、まさしくこうした動きの真っただ中である。結論から先に言ってしまうと、フォーク・ロックの誕生と確立に携わった功績は、ディランのそれと同じと言えるほど評価されていいように思う。 

 レコーディングの参加メンバーとしてまず目につくのは、ジョン・セバスチャン(ハーモニカ)である。本盤発表時点では彼はラヴィン・スプーンフルのメンバーとして活躍していたわけだが、録音時期はちょうどラヴィン・スプーンフルのデビューと前後する時期であり、ブルース・ハープの腕を磨いていった頃だった。さらに付け加えると、セバスチャンは同じ時期にボブ・ディランの『ブリンギング~』のレコーディングにも参加していたとのこと。さて、他のメンバーにも目を向けると、ゲイリー・バートン(ヴィブラフォン奏者)やジミー・ヒースのバンドでプレイしたボブ・ブッシュネル(ベース奏者)などジャズ寄りのミュージシャンが参加している。こうしたメンバーの取り合わせ自体が既にただのフォークではない方向を向いていたことを示しているように思われる。

 注目点としては、後に様々なミュージシャンにカバーされることになる楽曲が複数含まれていることが挙げられる。7.「リーズン・トゥ・ビリーヴ」はそうした楽曲として有名だけれど、他にも1.「ドント・メイク・プロミセズ」、11.「ミスティ・ローゼズ」や12.「ハング・オン・トゥ・ア・ドリーム」が収められている。とはいえ、この点だけでは、ソングライターとしての評価にしかならない。冒頭で述べたフォーク・ロックの展開という文脈からは、サウンド面にも注目したいところである。あちらこちらでストリングスが効果的に使われ、各曲のテンポに緩急がつけられ、シンプルなフォークやブルースから意図的に乖離していこうとしてるかのように見える。3.「スマグリン・マン」や10.「エイント・ゴナ・ドゥ・ウィズアウト」のようなナンバーと、6.「ネヴァー・ハプン・アゲイン」や12.「ハング・オン・トゥ・ア・ドリーム」のような曲調が同居する不思議さ。そして、筆者はこういうヴァラエティの中ではどちらかといえば中道的と位置づけられそうな1.「ドント・メイク・プロミセズ」や11.「ミスティ・ローゼズ」が気に入っている。


[収録曲]

1. Don't Make Promises
2. Green Rocky Road
3. Smugglin' Man
4. How Long
5. While You're on Your Way
6. It'll Never Happen Again
7. Reason to Believe
8. Never Too Far
9. Part of the Wind
10. Ain't Gonna Do Without
11. Misty Roses
12. How Can We Hang on to a Dream?
~以下、CDリイシューのボーナス・トラック~
13. While You're on Your Way (alternate version)
14. It'll Never Happen Again (alternate version)
15. She Ain’t Home
16. You Say You Love Me
17. How Time Flies

1966年リリース。




 ​
ティム・ハーディン1 [ ティム・ハーディン ]



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Last updated  2021年11月27日 07時26分57秒
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