カテゴリ:洋ロック・ポップス
ソロ名義の名盤
1989年の『フル・ムーン・フィーヴァー』に続き、ソロ名義としては2枚目のアルバムとして1994年にリリースされたのが、トム・ペティ(Tom Petty)の本作『ワイルドフラワーズ(Wildflowers)』である。MCAからワーナーへ移籍後の最初の作品となった。 いつものバンド(ハートブレイカーズ)ではなく、ソロ作として制作したのは、リック・ルービン(プロデューサー)とトム・ペティの2人で自由にやりたかったからとのこと。ただし、実際の演奏には、ハートブレイカーズの全メンバー(ドラムスについてはこれ以降に後任ドラマーとなったスティーヴ・フェローン)が参加している。 アルバム全体を通してトム・ペティ節が全開で、ファンの中にはこれを最高作とする意見もある。確かに、1970年代の『破壊』が若き勢いを持った彼の傑作だとするならば、この『ワイルドフラワーズ』の方は、キャリアを重ね、40歳を手前にしていい意味で円熟味を帯び始めた時期の傑作と言ってもいいかもしれない。 いくつか好みの曲を挙げておこうと思う。表題曲の1.「ワイルドフラワーズ」のしっとりと聴かせるこの加減は、上記のとおり、いい意味での余裕と円熟を感じさせる。テンポのよいトム・ペティらしさが前面に出たナンバーとしては、4.「ユー・レック・ミー」と12.「ハイヤー・プレイス」が個人的な好み。とはいえ、全編が早めのテンポや重厚な演奏のナンバーが並ぶと、きっと本盤は名作と呼ばれることになっていなかったんじゃないかと感じる。肩の力が抜けたゆったりな曲、メランコリックなナンバー、ヴォーカルをしっかりと聴かせるミディアムやスロー・テンポの曲…。こうしたヴァリエーションがあってのこのアルバムというふうに筆者は思う。そんなことを考えるにつけ、5.「イッツ・グッド・トゥ・ビー・キング」や14.「クローリング・バック・トゥ・ユー」なんかも聴きどころと言っていいような気がする。 十分にヴォリュームがあって聴きごたえのある15曲というのが本盤ではあるのだけれど、当初2枚組でのリリース(全25曲)という案もあったのだという。実際、多くのアウトテイク音源があり、1枚のアルバムに収めるためにカットされた10曲の音源は、2020年に蔵出しリリースされた。筆者は未聴だけれども、この際の豪華なエディションは、レコード9枚組、CDでは5枚組というヴォリュームで、上記10曲に加え、アウトテイクやライヴ音源などが収められているとのこと。 [収録曲] 1. Wildflowers 2. You Don't Know How It Feels 3. Time to Move On 4. You Wreck Me 5. It's Good to Be King 6. Only a Broken Heart 7. Honey Bee 8. Don't Fade on Me 9. Hard on Me 10. Cabin Down Below 11. To Find a Friend 12. A Higher Place 13. House in the Woods 14. Crawling Back to You 15. Wake Up Time 1994年リリース。 ![]() 輸入盤 TOM PETTY / WILDFLOWERS [CD] ![]() 【送料無料】WILDFLOWERS & ALL THE REST [3LP VINYL] 【輸入盤】【アナログ盤】▼/TOM PETTY[ETC]【返品種別A】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2023年06月01日 06時43分20秒
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