テーマ:ラテン音楽(411)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
メキシコ伝統音楽へのチャレンジ
ユリディア(Yuridia)は、TVショウをきっかけに歌のシンデレラ・ガールとして注目され、『天使の声(ラ・ボス・デ・ウン・アンヘル)』および同盤に収められたシングル・ヒットの「アンヘル」でデビューし、一気に人気を得た。その後、着実にアルバム制作を続ける一方、私生活では結婚し、2人の子に恵まれている。そんなユリディアがキャリア17年にして、新たな音楽性を志向したのが、2022年の『パ・ルエゴ・エス・タルデ(Pa’luego es tarde)』である。2015年の『6』以来、7年ぶりのアルバム発表だった。 ポップ界で成功したシンガーが伝統音楽にチャレンジするというのは、メキシコの音楽業界では必ずしも珍しいことではない。とはいえ、上述のようなデビュー当時を思えば、貫禄もついてきた(失礼!)彼女がマリアッチ楽団と一緒にジャケット写真に収まり、これまでとは大きく異なる方向性の楽曲を歌いこなすというのは、なかなかインパクトがあったと個人的には思う。 内容的には、マリアッチ、ランチェラ、コリードといったメキシコ伝統音楽をユリディアが歌い上げるといったものである。ところどころポップ歌手っぽさが残っていなくもないが、全体としては堂に入ったヴォーカルで、デビュー以来磨いてきたヴォーカル力が活かされている。 収められた14曲のうち、4.「イ・ケ・タル・シ・フンシオナ」は、シナロアのバンドであるバンダMSとの共演。7.「メ・アセ・タント・ビエン」は、本盤のアレンジやプロデュースも担当したエデン・ムニョスとのデュエット、10.「ケ・アゴニーア」は、ペペ・アギラールの娘でロサンゼルス出身のシンガーであるアンヘラ・アギラールとのデュエットとなっている。 個人的に気に入っている曲をいくつか挙げると、まず、冒頭の1.「アルマ・エナモラーダ」はインパクトがあって外せない。バンダMSとの共演の4.「イ・ケ・タル・シ・フンシオナ」は、ユリディア自身がすっかり伝統音楽ジャンルに溶け込んでいる感じがいい。6.「エンピエサ・ア・プレオクパールテ」は彼女の声に馴染むサビのメロディが印象的。9.「ブルヘリーア」もすっかり雰囲気にヴォーカルが乗り切っている。12.「ノ・ソン・オラス」はもう少しコブシの入った歌い方があってもよかったように思うけれども、好演奏にできあがっている。現時点(2024年時点)でこれがまだユリディアの最新作であるが、この路線を続けていくとすれば、将来のアルバムにも期待が持てると思わせてくれるアルバムと言えるように思う。 [収録曲] 1. Alma enamorada 2. Y tú, ¿qué ganas? 3. ¿Con qué se pega un corazón? 4. ¿Y qué tal si funciona? 5. Te dejo 6. Empieza a preocuparte 7. Me hace tanto bien 8. Si no piensas cambiar 9. Brujería 10. Qué agonía 11. Aquí ya nadie te extraña 12. No son horas 13. Por salud mental 14. Te estabas tardando 2022年リリース。 ↓別盤(ライヴ盤)です。↓ 【輸入盤CD】【新品】Yuridia / Primera Fila 【K2018/11/2発売】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年08月18日 22時18分01秒
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