テーマ:洋楽(3484)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
“東のTOTO”のデビュー盤
西海岸のスタジオ・ミュージシャンが集まって1970年代末にデビューし、成功を重ねていったのがTOTO。一方、東海岸のミュージシャンが似たような形で集まり、バランス(Balance)というバンドとして1981年に発表したのが、セルフ・タイトルの本盤『バランス(Balance)』である。このバンドの曲として最も知られる「ブレイキング・アウェイ」(全米22位)が収められたアルバムでもある。 メンバーは、ペピィ・カストロ(ヴォーカル)、ボブ・キューリック(ギター)、ダグ・カッサロス(キーボード)の3人。このトリオに、アンディ・ニューマーク(ドラム)、ジョン・シーグラー(ベース、2.,3.,5.,6.,7.,9.の6曲)、ウィリー・ウィークス(ベース、1.,4.,8.,10.の4曲)などが加わって演奏を繰り広げている。 1980年代初頭らしく、きらびやかで、キレがあってメロディアスなロック・サウンドという風情の楽曲が次から次へと展開されていく。TOTOやフォリナーなど、時に“産業ロック”と揶揄される方向性のサウンドだが、全体として明るいトーンというのが印象的である。NY録音ということもあり、西海岸のTOTOを引き合いにして“TOTOに対する東からの回答”と言われたりするが、西と東でサウンドの傾向がどうとかいうことはなく、このバランスのアルバムはストレートできらびやかで明るいというのが特徴だと言えるように思う。 注目曲としては、シングルとして全米22位になった3.「ブレイキング・アウェイ」がその作風をよく表していて、かつ幅広い聴衆に受けそうなナンバーの筆頭と言える。これに次ぐのが、6.「アメリカン・ドリーム」で、曲の展開と演奏に工夫がなされているのがよい。8.「フォーリング・イン・ラヴ」もシングル発売されたナンバー(全米で58位)だが、親しみやすいメロディが印象的な1曲と言える。 上記の楽曲以外にも、本盤にはいかにもきらびやかな80年代サウンド風のナンバーが目白押しである。とくに聴き逃がせない曲として、筆者的には、2.「アイム・スルー・ラヴィング・ユー」と5.「夜を遥かに(フライ・スルー・ザ・ナイト)」も挙げておきたいところ。 結局、TOTOとは違い、このバンドは、本盤の翌年にアルバムをもう1枚出した後、活動は続かなかった。長い時を経て、2000年代に入って復活のアルバムやライヴ活動をしたものの、中心メンバーのボブ・キューリック(KISSのギタリストであるブルース・キューリックの実兄)は2020年に70歳で鬼籍に入っている。 [収録曲] 1. (Looking for the) Magic 2. I'm Through Loving You 3. Breaking Away 4. No Getting Around My Love 5. Fly Through the Night 6. American Dream 7. Haunting 8. Falling in Love 9. Hot Summer Nights 10. It's So Strange 1981年リリース。 ![]() Balance / Balance 【CD】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方はバナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2025年01月31日 05時31分22秒
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