テーマ:洋楽(3484)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
フィル・スペクターのプロデュースによる第5作
レナード・コーエン(Leonard Cohen, 1934-2016)は、カナダはモントリオール出身のミュージシャン、詩人。シンガーソングライターとしては、1967年のデビュー盤(参考過去記事)以降、アルバム作品を発表していった。本作『ある女たらしの死(Death of a Ladies' Man)』は、1977年にリリースされ、第5作に当たる。 コーエンと言えば、孤高の詩人で、語るように歌うミニマリスト的なイメージがあるかもしれないが、本盤はフィル・スペクターがプロデューサー・作曲者として参加し、音の面で前作までとはかなり異なる。初めての人にもかなり聴きやすく、個人的には、“コーエンは怖い”(笑)などとという印象を持っている人にはぜひ試してもらいたい作品であると思っている。 無論、従来のコーエンの作風と異なるということで、当時にも賛否両論があった。コーエンの詞にスペクターが曲をつけ、スペクターらしいきらびやかで厚みのあるサウンドに仕上がっているというのは、サウンド面では初期の作品(例えばこちらやこちら)とは対極に位置する。けれども、筆者的には、1970年代後半のこの段階でよい新境地が切り拓かれるようになった作品だったのではなかったかと感じている。つまりは、弾き語り的なコーエンと分厚いサウンドのコーエンのどちらがよいとかいうのではなく、どっちもありというのが答えだったのではないかという気がしている。 個人的におすすめの曲をいくつか挙げておきたい。1.「真実の愛」は、どこかに素朴さを残して従来のコーエンらしさを彷彿とさせながら、工夫の凝らされた演奏が印象的なオープニング・ナンバー。4.「回想」はサックスを大幅にフィーチャし、壮大な演奏に仕上がっている。表題曲でアルバムの最後に収録されている8.「ある女たらしの死」は、本盤に収録された楽曲の中で個人的にはベストではないかと思う1曲である。 [収録曲] *( )内は邦盤の日本語曲名。 1. True Love Leaves No Traces(真実の愛) 2. Iodine(ヨードチンキ) 3. Paper Thin Hotel(紙のように薄い壁のホテル) 4. Memories(回想) 5. I Left a Woman Waiting(ぼくは女を待たせた) 6. Don't Go Home with Your Hard-On(興奮したまま家に帰るな) 7. Fingerprints(指紋) 8. Death of a Ladies' Man(ある女たらしの死) 1977年リリース。 ![]() ある女たらしの死 [ レナード・コーエン ] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025年02月07日 23時17分19秒
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