テーマ:スペイン音楽(79)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
人気絶頂期の多彩なサビーナ
スペイン出身のシンガーソングライター、ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)にとって、1978年のデビュー盤から数えて10枚目のスタジオ作となったのが、1996年リリースの本盤『ジョ・ミ・メ・コンティーゴ(Yo, mi, me, contigo)』である。一見すると、英語の“アイ・マイ・ミー・マイン”のもじりかと思われるタイトルだが、“マイン”に当たる部分は“コンティーゴ”つまりは英語だと“ウィズ・ユー”に当たる表現になっている。 1990年の『メンティーラス・ピアドサス』以降、『フィシカ・イ・キミカ』1992年)、『エスタ・ボカ・エス・ミア』(1994年)とヒット作を連発していたサビーナのキャリアの中、本盤『ジョ・ミ・・メ・コンティーゴ』もまた大きなヒットとなった。スペインの統計によるとリリース1週間で8万枚が売れ、国内の年間アルバム売上ベスト10位内にも入った。さらに、スペインを皮切りに、ペルー、メキシコ、チリ、アルゼンチンなどをまわる世界ツアーを行い、成功を収めた。 サビーナの作品全般にも見られる現象ではあるけれど、本盤の楽曲を見渡すと、実に幅広いジャンルの音楽が取り込まれている。ロックだけでなく、ボレロやサルサ、ジプシー系の音楽、ペルーのバルツなど多彩な音楽性を見せる。そのようなわけで、全体を通しての多様な楽曲を楽しむのが本盤の正当な楽しみ方と言えるだろう。 とはいえ、個人的な好みでいくつか注目曲に触れておきたい。1.「エル・ロカンロル・デ・ロス・イディオタス」は“愚か者たちのロックンロール”という表題だが、ロックというよりはフォーク調に近い弾き語り調の曲をロック/ポップ寄りのリズムに乗せたという感じ。他のいくつもの曲にも言えることではあるが、詞の内容を語りかけるような感じのメッセージ性がいい。味があるという意味では、3.「フガール・ポル・フガール」がおすすめ。詞を聴かせるための背後の音楽が、上で述べたような多彩さを持っているところが聴き手を飽きさせない。 5.「ミ・プリーモ・エル・ナーノ」は、カタルーニャ出身のシンガーソングライターであるジョアン・マヌエル・セラ―に捧げられたナンバーで、ルンバ・カタラーナ(カタルーニャ風ルンバ)を取り込んだ演奏。“ハバナの絵葉書”というタイトルの8.「ポスタル・デ・ラ・アバナ」では、一転してカリブのリズムに乗せてキューバのハバナの情景を歌う。 名曲度ナンバー1と言えそうなのは、9.「イ・シン・エンバルゴ」。詞もよし、メロディもよしの、サビーナのキャリア全体の中でも五指に入るような名曲だと思う。11.「セイス・デ・ラ・マニャーナ」では、正統なロック調ナンバーでも実力を発揮している。最後にもう一つ。アルバム末尾の13.「タン・ホベン・イ・タン・ビエホ」は、アコギをバックにして語りかけるようなヴォーカルのナンバーで、詩人でもあるサビーナの本領発揮曲として聴き逃がせない。 [収録曲] 1. El rocanrol de los idiotas 2. Contigo 3. Jugar por jugar 4. Es mentira 5. Mi primo El Nano 6. Aves de paso 7. El capitán de su calle 8. Postal de La Habana 9. Y sin embargo 10. Viridiana 11. Seis de la mañana 12. No sopor..., no sopor... 13. Tan joven y tan viejo 1996年リリース。 ↓LP盤です↓ ![]() 【輸入盤LPレコード】【新品】Joaquin Sabina / Yo Mi Me Contigo【LP2019/5/10発売】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2025年03月14日 22時21分52秒
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