テーマ:洋楽(3508)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
“一捻り”を利かせたセルフ・カバー作
トッド・ラングレン(Todd Rundgren)は、ソロやバンドでのアーティストとしての活動のほか様々な作品のプロデュースを手掛けるなど、とにかく多才な人である。その才能が発揮された作品の一つと言えそうなのが、1997年リリースの『ウィズ・ア・トゥイスト(With a Twist…)』である。表題の“トゥイスト”は腰をくねらせるほうのツイストではなく、文字通り“一捻り”という意味なのだろう。自身の過去の楽曲をアコースティックにカバーして編んだのが本盤ということになる。 とはいえ、ありきたりな単なる“アコースティック・ヴァージョン”の披露に留まらないところが、トッド・ラングレンの本領発揮である。ボサノバ風アレンジなどがほどこされ、ほとんどの曲の雰囲気はがらりと変わっている。アルバム全体を支配する優しい調子は、ラウンジ・ミュージック盤といってもよい仕上がりになっているが、よくよく聴くと、聞き流すのがもったいないという凝ったアレンジや演奏が詰め込まれているという側面も併せもっている。 どの曲も素晴らしい仕上がりなのだけれど、敢えて注目したい曲をいくつか挙げてみたい。1.「アイ・ソウ・ザ・ライト(旧邦題:瞳の中の愛)」は、名盤『サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー)』に収録された有名曲。元のバージョンとはまったく違い、南の島でハンモックに乗って聴きたい雰囲気とでも言えばよいだろうか。 『ミンク・ホロウの世捨て人』に収録の3.「キャン・ウィー・スティル・ビー・フレンズ(旧邦題:友達でいさせて)」は、筆者のお気に入りナンバーで、本盤のバージョンも感動的。6.「ラヴ・イズ・ジ・アンサー(旧邦題:愛こそ証し)」は、ユートピアの『悪夢の惑星』所収のシングル曲で、この美しく流れていく演奏と歌についつい聴き惚れる。 9.「ハロー・イッツ・ミー」も1.と同じ『サムシング~』からの楽曲で、凝った編曲と工夫の凝らされた演奏が印象的である。あと、特に衆目を集める収録曲と言えば、10.「アイ・ウォント・ユー」。この曲はマーヴィン・ゲイの1976年のシングル曲(同名のアルバムに収録)で、トッドのヴォーカルもなかなか魅力的なカバー・バージョンになっている。 [収録曲] 1. I Saw the Light 2. Influenza 3. Can We Still Be Friends 4. Mated 5. It Wouldn't Have Made Any Difference 6. Love Is the Answer 7. Fidelity 8. Never Never Land 9. Hello It's Me 10. I Want You 11. A Dream Goes On Forever 1997年リリース。 ![]() トッド・ラングレン / ウィズ・ア・ツイスト [CD] ![]() ウィズ・ア・ツイスト [ トッド・ラングレン ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2025年04月29日 05時16分47秒
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