テーマ:ラテン音楽(416)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
スペイン人とキューバ人、2人の男性シンガーの邂逅
パブロ・ミラネス(Pablo Milanés)は1943年キューバ出身のシンガーソングライター。キューバの新しいトローバ(ヌエバ・トローバ・クバーナ)の牽引者として知られ、スペイン語圏では大きな人気を誇るアーティストで、2022年に既に鬼籍に入っている。一方のビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)は、1947年スペイン北部出身のシンガーソングライターで、アナ・ベレンとのデュオで多く活動した。この2人が1995年8月3日、スペイン南部マラガ市のランドマークでもある闘牛場で行ったライヴ実況盤が、この『エン・ブランコ・イ・ネグロ(En blanco y negro)』である。 当時、パブロは50歳代前半、ビクトル・マヌエルは40歳代後半で、どちらも円熟の、若い頃とは違う意味での絶頂期であった。収録された楽曲を見ると、それぞれの代表曲が多く含まれているが、その一方で本盤の表題となっている“白と黒(ブランコ・イ・ネグロ)”をテーマとする楽曲が複数見られる。スペイン人とキューバ人という2人の組み合わせを意識したもの(最近だとポリコレにうるさい人たちからクレームが来そうだが、本盤が出たのは1990年代のことである)で、表題曲の1.「エン・ブランコ・イ・ネグロ」は、スペイン人アーティストのホアキン・サビーナが作詞、歌っている2人が作曲したナンバーである。8.「イマヘネス・エン・ブランコ・イ・ネグロ」は、1.の続編もしくはリプライズとなっているが、カナリア諸島出身のシンガーソングライターであるペドロ・ゲラの楽曲としてクレジットされている。アルバム最後の17.「ドス・コローレス:ブランコ・イ・ネグロ」は。ウルグアイ人ミュージシャンのホルヘ・ドレクスレルによる楽曲を2人で熱唱している。 その他の楽曲では、2人がデュエットでヴォーカルをとっているものが多く収録されている。筆者の好みでいうと、パブロの代表曲である2.「ラ・ビダ・ノ・バレ・ナダ」、ニコラス・ギジェンの詩にパブロが音楽をつけた5.「デ・ケ・カジャーダ・マネラ」、同じくパブロの代表曲である13.「ジョ・ピサレー・ラス・カジェス・ヌエバメンテ」なんかがいい。 他方、自身の楽曲を各々が歌っているものもあり、ビクトル・マヌエルの7.「スベ・アル・デスバン」や、パブロの11.「パラ・ビビール」なんかがこれに該当する。けれども、これらとは逆に、相手の楽曲をメインヴォーカルとして歌うという曲は本盤ならではと言える。パブロの楽曲をビクトル・マヌエルが歌う6.「ポブレ・デル・カントール」は、実にナイスな選曲。ビクトル・マヌエルのヴォーカルがとにかくカッコいい仕上がりとなっている。15.「ソイ・ウン・コラソン・テンディード・アル・ソル」は、ビクトル・マヌエルの曲をパブロが柔らかいヴォーカルで歌い上げる。こうした当たりは本盤でしか味わえない取り合わせと言える。 全17曲、収録時間にして67分超という、比較的長時間ではあるが、それが長いとは全く感じない。それほど、2人のヴォーカルの魅力が手をかえ品をかえ出てくるとった感じのライヴ盤である。円熟の2人のヴォーカルを楽しめる、筆者としてはとてもお気に入りのアルバムである。 [収録曲] 1. En blanco y negro 2. La vida no vale nada 3. No hemos inventado nada 4. Amor 5. De que callada manera 6. Pobre del cantor 7. Sube al desván 8. Imágenes en blanco y negro 9. Parque Berlín 10. Yo no te pido 11. Para vivir 12. Un ramito de violetas 13. Yo pisaré las calles nuevamente 14. Años 15. Soy corazón tendido al sol 16. Yolanda 17. Dos colores: blanco y negro 1995年リリース。 ![]() 【輸入盤CD】【新品】VICTOR MANUEL & PABLO MILANES / EN BLANCO Y NEGRO 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”お願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025年05月02日 06時07分25秒
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