マイケル・フランクス 『ブルー・パシフィック(Blue Pacific)』
AOR再燃期の好作 マイケル・フランクス(Michael Franks)は、1976年のメジャー・デビュー以降、アルバム制作を重ね、ジャズ側の関心のあるリスナーのみならず、AOR(大人向けロックを指す和製英語の略)志向のファンからも人気を得ていった。1980年代末、3年ぶりのアルバムとなったのが、本盤『ブルー・パシフィック(Blue Pacific)』であった。折しも1980年代の末は、AORブームが再燃した時期である。ボズ・スキャッグス(参考過去記事)がシーンに返り咲き、ロビー・デュプリー(参考過去記事)が復活するなどした。そんな中、このマイケル・フランクスのアルバムも、AORファンからこうした流れの中で捉えられる好作に仕上がった。 特徴としては、複数のプロデューサーを起用している点が挙げられる。その内の一人はトミー・リピューマ(4., 8., 9.)で、1980年のアルバム以来10年ぶりのマイケル・フランクスの作品のプロデュースとなった。二人めは、スティーリー・ダンのウォルター・ベッカー(3., 5., 10.)、そしてもう一人がジェフ・ローバー(1., 2., 6., 7.)という、いずれも腕の立つ人物がプロデュースを分担して担当した形になっている。 アルバムは前半(A面、1.~5.)、後半(B面、6.~10.)とも、ジェフ・ローバーがプロデュースした比較的キャッチーなナンバーから始まっている。冒頭の1.「アート・オブ・ラヴ」はアップテンポながらフランクスのヴォーカルの魅力がよく発揮されたナンバー。3.「オール・アイ・ニード」は、精緻な作りでヴォーカルのよさを際立たせるという、ウォルター・ベッカーのプロデュースならではの仕上がりとなっている。 後半は、ダンサブルな6.「スピーク・トゥ・ミー」から始まり、7.「オン・ジ・インサイド」ではフランクスらしいまったりした雰囲気で一気に聴き手は引き込まれる。リピューマがプロデュースした8.「シェ・ヌー」は、フランクスらしさが満載の好ナンバー。結果として、異なる3名のプロデューサーを起用し、その作風の違いが組み合わさってアルバムを構成するというのが見事に成功した作品になったと言えるように思う。[収録曲]1. The Art of Love2. Woman in the Waves3. All I Need4. Long Slow Distance5. Vincent's Ear6. Speak to Me7. On the Inside8. Chez Nous9. Blue Pacific10. Crayon Sun (Safe at Home)1990年リリース。 【中古】 ブルー・パシフィック/マイケル・フランクス 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓