ジョーン・バエズ 『クリスマス・アルバム(Noël)』
伝統的クリスマス・ソング集 ジョーン・バエズ(Joan Baez)は、1941年生まれのシンガーソングライターで、フォーク、フォークロックの分野で1960年代から先駆的な活躍をしたアーティストである。そんな彼女は、6作目のスタジオ・アルバム作品として1966年にクリスマス盤を発表している。 本盤『クリスマス・アルバム(Noël)』は、スタンダードなクリスマス曲がずらりと並ぶといった内容に仕上がっている。米国では、クリスマス・アルバムを出すことはアーティストとして大きなステータスだと言われるが、このアルバムはコマーシャルな雰囲気を感じさせない盤に仕上がっている。もう半世紀以上前のものとはいえ、聴衆受けの商業的な部分が見られず、真摯に伝統的なクリスマス・ソングに取り組んだという印象を与える盤だと言える。 リュートやハープシコードなどの演奏をバックに、かの澄んだ声でクリスマス曲を歌い上げるというスタイルは、“フォークの女王”たるジョーン・バエズのイメージとは一線を画する。アレンジを担当したのは、ピーター・シックリー(クラシックのパロディなどで知られる作曲家で、今年2024年に亡くなっている)で、この後に発表されたバエズのアルバムでも制作に関わることになった人物である。そのようなわけで、トラディショナルな方向を向いた選曲・アレンジで、彼女の美声によるクリスマス・ソングを堪能する、そうしたアルバムだと言える。 いくつかの短いインストルメンタル曲(つまりはバエズが歌を歌っていない、演奏のみのもの)が、ところどころにインターヴァルもしくは次の曲の前奏的な感じで収められている。上記のような方向性を持ったアルバムであるということを踏まえれば、これもアルバム全体の流れの中で効果的に機能しているように思う。また、注目したい点としては、10.「シューベルトのアヴェ・マリア」ではドイツ語、15.「オー・ホーリー・ナイト」ではフランス語での歌唱に取り組んでいることである。冒頭の定番曲1.「来たれエマヌエル」から始まり、最後の17.「きよしこの夜」で静かにアルバムを締めくくるまで、安らかで静かなクリスマスを過ごしたい人には好適なクリスマス盤と言えるように思う。[収録曲]1. O Come, O Come, Emmanuel(来たれエマヌエル)2. Coventry Carol(コンヴェントリー・キャロル)3. Good King Wenceslas(よきかなウェンセスラス王)4. The Little Drummer Boy(リトル・ドラマー・ボーイ)5. I Wonder as I Wander(何ゆえ、イエスは)6. Bring a Torch, Jeanette, Isabella(たいまつを!ジャネット、イザベラ)7. Down in Yon Forest(あそこの森に行く)8. The Carol of the Birds(小鳥のキャロル)9. Angels We Have Heard On High(あら野の果てに)10. Ave Maria(シューベルトのアヴェ・マリア)11. Mary's Wandering(さまようマリア)12. Deck the Halls(お部屋を飾って)13. Away in a Manger(厩のみどり子)14. Adeste Fideles (O Come, all ye Faithful)(神のみ子はこよいしも)15. Cantique de Noël (O Holy Night)(オー・ホーリー・ナイト)16. What Child Is This(このみ子は誰なるぞ)17. Silent Night(きよしこの夜)1966年リリース。 【輸入盤CD】【新品】Joan Baez / Noel (ジョーン・バエズ) 【中古】 クリスマス・アルバム/ジョーン・バエズ 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓