2020年01月05日

エンリコ・イントラ・トリオ 『ジャズ・イン・ストゥーディオ(Jazz in Studio)』

テーマ:Jazz(1659)
カテゴリ:ジャズ
現代ジャズ?いやはや半世紀前のジャズ…


 エンリコ・イントラ(Enrico Intra)は、1935年ミラノ出身のイタリアのジャズ・ピアニスト。彼の盤と言うと、筆者はそれこそ何枚かは聴いてみているのだけれど、さほど枚数を聴いたわけでもない。けれども、今のところダントツに推奨で、おそらく聴いた盤の数が増えてもそうであり続けるのではないかという予感がしているのが、本盤『ジャズ・イン・ストゥーディオ(Jazz in Studio)』である。

 録音がなされたのは1962年のこと。起伏に富み、エモーショナルで、どこか軽快で、既成概念にとらわれない奔放さが好印象の演奏である。エンリコ・イントラのピアノがというよりは、トリオの3人が一体になってそうした空気感を作り上げているという印象である。何でも5か月にわたってリハーサルを繰り返した挙句の演奏とのことで、いい意味で作り込まれた演奏なのだと思う。

 筆者の好みとともに聴きどころを挙げると、まずは1.「パーカッション」。ピアノをちゃんと強調した演奏ながら、ベースとドラムスがしっかり効いているというのがいい。3.「ピットゥーラ」は、疾走感を出しながらも実に綿密な演奏をしている。6.「ジョン・ルイス」から7.「クラシック・ジャズ」という2曲は、本盤収録の演奏の中でも特に作り込まれた感じがするが、まったく嫌味な感じがしない。一方、10.「フィオーラ・ブルース(フラワー・ブルース)」は、いくぶんルーズな感じを醸しだしていて、個人的にはなかなか気に入っている。ちなみに、イタリア人トリオということもあって、各曲の冒頭には、短くイタリア語での曲紹介の音声が含まれている。

 手元のCDはリイシュー盤で、元々はEPだった別のライヴ演奏(11.~14.の4曲)がボーナス曲として収められている。本編よりも数年前(1957年)のサン・レモのジャズフェスティヴァルでの演奏だが、こちらの方は、どちらかというと、“勢い”がキーワードになりそうである。全体として疾走感のある演奏で、もちろんこの感覚は本編での演奏にも通じているのだけれど、ベーシストが交代しているとはいえ、意図して作り込もうとするとこんなに変わってくるものかと変に驚かされたりもする。

 ちなみに、この盤、かつては中古相場でウン十万円とかいう高値がついていたそうだが、筆者はそんなこととはつゆ知らず、2008年のリイシュー後に“何となく”入手した。実を言うと、ジャケットが目に留まり、“現代ピアノ盤”だと思って最初に手に取った。確かに、音がそれなりによくないことを横に置けば、演奏内容はいまだって“現在のジャズです”と言われたら信じる人も多いのではなかろうか。それほどにまで先を見据えた“現代的”演奏を演っていたのだというと、果たして言いすぎであろうか。


[収録曲]

1. Percussion
2. Nardis
3. Pittura
4. A Foggy Day
5. Tra Bop
6. John Lewis
7. Classic Jazz 
8. You Stepped Out Of A Dream
9. Tre, Tre, Tre
10. Fiora Blues
11. Modern In S.Remo
12. Blues
13. The Classic Jazz
14. La Strada Del Petrolio


[パーソネル、録音]

Enrico Intra (p), Pupo de Luca (ds), Pallino Salonia (b, 1.~10.), Ernesto Villa (b, 11.~14.)

1962年10月録音(ただし、ライヴ音源のボーナス・トラック11.~14.は1957年録音)。




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Last updated  2020年01月05日 08時26分53秒
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