第一話 エリック
私の名は、エリック・エヴァンズ。21歳。故郷・・というか、育った地で剣術と魔術をある程度学んだ。剣術の流派は、「スパイク流刀剣術」(*1)。師匠のヴィンセント・スパイク師は、既に60歳を超えるが、未だに私でも勝てない。・・・と、自己紹介はこの程度にしておこう。とりあえず、今の状況を説明させて頂こう。私は、嫌な夢を見ていた。ふと、気がついたら、インペリアルシティ(*2)の牢獄の中に居たのだ。しかも、一般人の立ち入りは禁止された区画の牢獄だ。インペリアルシティの牢獄は恐ろしいと聞いたことがある。噂では、何年間も牢獄にぶち込まれているダンマー(*3)の男が居ると聞いたことがある。・・・・その、悪名高い、インペリアルシティの牢獄に、私は居た。・・・・正直言って、ココに来るまでの記憶がないのだ。私は、シロディールで生まれ、間もなくヴァレンウッド(*4)に一家で移動したらしいので、一度もシロディール(*5)に訪れた事がない。とりあえず、牢の中を物色する。謎の白骨、コップとピッチャー、椅子と机、天井からぶら下がった拷問器具・・ぐらいしか見当たらない。ちなみに、自らの装備品はボロボロになった囚人服と、鋼鉄製と思われる手枷だ。向かいの独房に人が居るらしい。話しかけようと近付いたらいきなり「おい!!インペリアルの坊や!!」などといわれた。・・・よく見るとダンマーだ。コイツが噂の・・・?「・・・・なんだ?」「ハッ!テメェ、自分の状況が全然わかってねぇんだな!!ハッハッハ、いい気味だぜ!!!」「・・・・何を言いたいんだ、お喋りなダンマーさん?」「ヒャハハハ!・・・っと?ハッハ!衛兵(*6)の長靴の音だ! 三人は居るんじゃねえか?・・・お前を処刑する連中じゃないかァ!? ハッハッハッハッハッ・・・!あー、つまんねえ、寝るか・・・」言いたいことだけ言って、ダンマーは寝床に戻っていった。冗談ではない、私は何故ココに居るのかすら把握してないのだ。 処刑されてたまるか。「ボーラス、扉を閉めておけ!」「はっ。」扉が閉まる音が聞こえた。 指揮官は女性の様だ。「・・・・私の息子は皆殺された。・・じきに私も死ぬ・・・。」「陛下の御命は、我々ブレイズ(*7)が命をかけて御守り致します。」「運命には逆らえぬよ・・・・。」・・・待て。陛下・・・ブレイズ・・・・?まさか・・・衛兵じゃなかった・・・彼らは・・・!!「・・・ん?」インペリアルの女性がこちらを見て、険しい表情になる。「何故、囚人がこの牢に居る!?」部下と思われるレッドガード(*8)の男性が、「は・・、監視兵の連中の手違いかと・・」と弁明をしようとしたが「いや、言い訳はいい。・・・・囚人!!」「・・・・?」いきなり怒鳴りつけられ、声も出なかった。「窓際に下がれ!早く!! もし、我々に近付いたら斬り捨てるぞ!!」随分と強引だな・・・。まぁ、緊急なのだろう・・・・・、多分。仕方ないので、窓際に下がる。 窓というより、柵がついた穴だったが。「・・・陛下、どうぞ・・」 「動くなよ、囚人!!!」このレッドガードの男性とインペリアルの女性は休むことなく口を動かしているが、もう一人のインペリアルの男性は無口だった。「・・・・・? そなたの顔には見覚えがある・・・」皇帝が、いきなり俺の顔をまじまじと見始めた。やめて欲しい。・・・って待て待て、私はシロディールにきたことはないんだぞ。「むぅ・・・そなたの顔は・・・ お告げで一度見た・・・・?」「え、いや、私はシロディールには始めて来た・・・っていうか、いつの間にかシロディールに居たんですが」お告げって何だ・・・と思ったが、聞くのはやめておいた。もしかしたらシロディールの人々は常にお告げを受信している、おめでたい脳味噌なのかもしれない。「そうか・・・だとすれば、運命だ。 そなたは私を助けるだろう。いや、助けねばならぬのだ。それが、神のお告げだ」大真面目な顔で言うものだから、つい、素っ頓狂な声が出てしまった。「へ? ・・・な・・、何を言って・・・?」な、何を言うんだ・・・・このユリエル・セプティム皇帝陛下は、何を思ったのやら、私を救世主扱いするつもりか?冗談だろ・・・!電波も程々にしてほしい。「・・・陛下、あまり時間がありません。お急ぎください。」といいつつ、インペリアルの女性がシーツのしかれた壁付近に近寄る。「いや・・すまない、・・時間がない様でな・・さらばだ・・・」といい、私に背を向けた。女性指揮官が、壁に触れた途端、独房の壁がゴトゴトと音を立て、隠し通路が姿を表した。・・・何故先程気付かなかったのだろう・・・。そして、セプティム皇帝は隠し通路の中に消えていった・・・。「ボーラス、この扉は開けたままにしておくぞ」「・・・何故ですか?」「内部からは開ける術がないからな・・・まさかそんなコトはないと思うが」「了解であります」なんだ・・・?内側から開けられないって・・・とんだ欠陥だな・・・。「いくぞ、ボーラス、グレンロイ!!」「はっ!」「・・・囚人。この通路はあけたままにしておく。好きにしろ」・・・・って、何?ま、まさか・・・ 開けたまま・・私を見張ることなく・・・?・・・・・・脱獄しても良いと言うのか・・・・? 前代未聞だぞ、帝都の監獄を脱獄(*10)するだなどと。私は「帝都監獄からの脱獄者」になるのか?続く*1 本プレイ日記(?)オリジナルの流派。ってか、本当は流派なんてないっす。 スパイクは、日本語版を発売している会社の名前です><*2 日本語版でいう「帝都」このプレイ日記(?)では、英語版と同じく「インペリアルシティ」と呼ばせていただく。*3 ダークエルフのコトをダンマーという。故郷はモロウウィンド 他に、ウッドエルフはボズマー、ハイエルフはアルトマーと呼ばれる。*4 シロディールの南西にある。西部はボズマーの故郷。 森が多い。*5 インペリアルシティを中心に、コロール、スキングラード、シェイディンハル、アンヴィル、レヤウィン、ブラヴィル、ブルーマの都市で構成される国家。*6 各都市に駐在する、都市衛兵。 インペリアルレギオン(*9)には「帝都監視兵」と「帝都騎兵」がおり、監視兵はインペリアルシティの衛兵を、騎兵は、支給される馬に騎乗し、街道を巡回している。*7 皇帝直属の諜報機関及び護衛騎士団。諜報機関とはいえ、一流の戦士の集まりで、皇帝の護衛騎士としても活躍しているが、一般人には知れ渡っていない。*8 砂漠地帯Yokuda出身の種族。黒人。 生まれつき、戦士としての才能に恵まれており、戦士の波とも呼ばれる。オーク(*11)やノルド(*12)と並んで、屈強な戦士が多い。*9 帝国軍。あえて英語を使う。 帝国軍には「帝都監視兵」「王宮近衛兵」「帝国騎兵」「帝国番兵」がいる。*10帝都の監獄は、練度の高い監視兵達による警備もさることながら、脱獄しようとしても確実に見つかる構造になっており、今まで脱獄した人物は存在しないらしい。後日、大体だが構造を図に描いてUPしよう。*11山岳地帯ドラゴンテイル山地出身で、緑色の肌を持つ。力が強く、オークのバーサーカー達は「緑色の狂戦士」とも呼ばれ、多くの戦士達から恐れられている。*12北方の雪国スカイリム出身で、冷気に耐性のある強靭な肉体を持つ。非常に優れた戦士を輩出する種族でもある。セリフはうろ覚えなんで、それっぽいセリフとかで云々かんぬん。そして初期の頃だから写真がない;人の写真くらいなら、ベルジェのを使いまわしてますが;少しずつ頑張りますですはい・・・><主人公のエリックは、今使ってるキャラです。あ、いや、うん、ベルジュもどうにかしますよ><登場人物とか、種族とか、用語集とかも作ります><