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日々是好日

小説(7)

小説



◇   一度読めば十分
×   私と合わない
☆   普通
☆☆  まあまあ
☆☆☆ おすすめ
(★   ☆の半分)


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放課後の音符(キイノート)
放課後の音符(キイノート)
☆☆☆
大好きな小説です。
女子高生が主人公の短編集。オトナでもなく子供でもない微妙な時期に、少女からオトナになる階段を上っている途中の登場人物たち。
ひとつひとつがきらきらしている話だと思います。
それぞれの主人公はもどかしくなるくらいに不器用で純粋で、その誰もがきっと素敵なオトナの女性になるんだろうな~と感じさせられます。
素敵な女性の「原型」を見たような気がします。
中でも私が好きなお話は、南の島へ行って口のきけない素敵な男の子と恋をするマリのお話と、「ミル」という香水の出てくるお話。
全編を通して匂いや音や触感や温度が感じられる気がします。
山田詠美さんの小説で年齢が若い主人公だと、文体さえ違うように感じるのですが、これもそうだと思います。
みずみずしい文章で、温かい温度をかもし出していて、視点がとてもせつないです。
読むたびにピュアになれる気がします。
勉強やスポーツだけでなく、放課後に様々な時間を過ごして大人になってゆくのですね。
ほんの一瞬かもしれないけれど、それはとても素敵な時間なんだわと今さらながらに思います。
私がこの小説を読むときはなぜか大事な儀式のような気持ちになるのですが、過ぎ去ってしまった遠い昔をのぞいているような気持ちになるからかもしれません。

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模倣犯(上・下)宮部みゆき
☆☆☆
宮部さんの時代物の読み物も私は好きだが、この「模倣犯」はバリバリの現代物の長編。なんと上下巻で総計3551枚である。
ハードカバーで買ったのだが分厚くて重くて持ち運びが困難なのでおウチで読むしかありません。
なんの気なしに、眠る前にベッドに入って読み始めたら・・・面白くて眠れませんがな!!
連続誘拐殺人事件のハナシで三部構成になっている。
第一部は被害者家族側から見た事件、捜査側から見て容疑者の死ぬところまで。
第二部は犯人側から見た事件、第三部はその後から真犯人が逮捕されるまでとなっている。

事件が終焉を迎えるまで、周りの登場人物や社会の状況をうまく絡めて交差させている。
登場人物それぞれの生い立ちや想いを上手く描き出しており、興味深い。
自分を投影しているかのようなキャラクターがいると感じられるかもしれないくらい見事。
読み終わったら不思議と残るものはない。
キレのある終わりではないが、被害者側の受ける理不尽さといい、ドラマや映画のようにきちんと終らないところがリアルさを感じる。
被害者は二度殺される。
一度目は直接手を下した犯人に。二度目はマスコミや世間によって社会的に。
真犯人が暴かれるシーンではぞくぞくした。読んでいるのにストップ・モーションのような感じだった。うるっときた。
読み始めたら続きが気になって眠れなくなるので、長いお休みや時間のある時に読むことをおすすめします。
中居くん主演の映画は決して観ないように。あれはベツモノ。脚本もちっとなんとかできなかったのだろーか(怒)


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蛇にピアス ( 著者: 金原ひとみ | 出版社: 集英社 )
蛇にピアス 金原ひとみ 集英社

第130回芥川賞受賞作。
テーマがはっきりしています。スプリット・タンを題材にしているところがスゴイ。
キャラクターの描き分けがよくできていると思いました。
主人公ルイの人となりもよく描かれているし、心情もよく表現されていると思います。
一見すると怖い、気持ち悪い、よくわからないと思われがちですが、それに惑わされてはいけません。
作者の金原ひとみさんはお父様が大学教授で、不登校の彼女は若いうちからお父様のゼミに参加をして、小説を書いてきたそうです。
(お父様は哲学か何かの教授で、ゼミは小説など文章を書くのが主体のものらしいです)
彼女は若いですが、ずっと昔からそうやって小説を書いてはお父様や周りの人に読んでもらっては感想をもらっていたそうです。
自分の作品にレスポンスが返ってきて、読み手のことを考えながら書くことが身についているのは大変な強みですね。
でも私だったら身内に読んでもらうのはこっ恥ずかしいなぁ・・・。自分の妄想を披露するみたいなものですから。

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理由 ( 著者: 宮部みゆき | 出版社: 新潮社 )
理由 宮部みゆき 新潮社

☆☆★
物語は多くの「?」から始まり、ナゾが解けないままどんどん話が展開して行きます。
身近にありえそうな題材なだけに底知れない怖さを感じたままぐいぐいとひきこまれ、読んでしまいました。
直木賞受賞作。
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火車 ( 著者: 宮部みゆき | 出版社: 新潮社 )
火車 宮部みゆき 新潮社

☆☆★
山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。 人は、状況によって鬼にもなってしまう・・・。せつない話です。
悲惨な運命を背負いながらも、どんな手段を使ってでも必死に生き抜こうとする姿勢にやりきれなさを感じます。
現代社会なら誰でも起こりうる事柄だけに心に残る作品です。
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蹴りたい背中
蹴りたい背中 綿矢りさ 河出書房新社


第130回芥川賞受賞作。
お話はなんてことないけれど、これでもかというくらいしつこい人物描写、女子高生が書いたとは思えません。
鋭い観察眼があるんだろうなー。読後感は「えっ!?それで?」という感じ。
はっきりいって面食らいました。
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歴代小説売上1位!
世界の中心で、愛をさけぶ 片山恭一 小学館

泣けなかった。ちょっときそうになりかけた場所は一部分。
あらすじを読んでいるような印象。ストーリーとしてはいいのか。
ドラマがよくできていた。3話以降からはまり、観ては泣いた。



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