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BLUE NOTE JAZZ

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[BLUE NOTE 4000番台] カテゴリの記事

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4025 THE TIME IS RIGHT/ LOU DONALDSON

4025 THE TIME IS RIGHT/ LOU DONALDSON「説似一物即不中」という言葉がある。「せつじいちもつそくふちゅう」と読む。絶対なるもの、究極なるもの、あるいは本来的なものを、「絶対」とか「究極」などという言葉で表現する。ところがそれが「中（あた）らず」＝的はずれだということだ。　大威張りで自説を説いたはいいが、見当違いだったなんてことはざらにあることで、私がよがっていってることなどハズレもハズレ、一等賞の大ハズレだったと反省することが多い。　ジャズを何年聴いても、自分は萬年ビギナーだなと思うわけである。『ジャズ批評』に面白い一文を見つけた。”ブルーノート６５周年”特集の一文である。　某氏曰く、ジャズの敷居を高くしたのは、ジャズの物書きどもだと。もっとビギナーに優しくなれ・・・とまあそういうことだったのだが、このビギナーに優しくしろというのがいまいちわからないと以前は思っていた。　嘗ては敷居を自分の力で乗り越えてこそ立派な一人前のジャズ・ファンになれるんだと思っていた。いちいちお膳立てして、「さあ、ここからお入りやす」なんて旅館の仲居さんみたいな優しさは必要ない・・・と。　今だから確かに某氏の言わんとしてることも頷ける。データー解析ばかりのレビューなど読んだところで、益々ジャズは面白くなくなる。ハズレと言われても大威張りで、ジャズの「面白み」を伝える言葉が欲しいと常々思う。そして言わんとしていることを少しでもわかってもらえるように、わかりやすく読み手の立場になって書かねばならんと最近思うようになった。　　見当はずれなど世の中日常茶飯誌だ。当の某氏などは、以前言ってたことを「素直に」撤回してしまう思い切りの良さ、というか勢いで言ってしまったものをいちいち取りざたされたら堪ったもんじゃない、過去のことは過去のこと、今の自分が正解という潔さがある。これに参るわけでだ。　良いのだそれで。で、かの一文に今まで何度となく説いてきた彼の自説が。旋律だ、メロディだ、曲だと。　これはその通りだろう。ジャズに目覚める以前に彼らは色んなジャンルのものを聴いてた筈で、それらはメロディがメインであるものであったのだから。　ジャズに入っていく段取りとしてヴォーカルをとことん聴く時期があった方が良いと思っている。そこで曲を覚える。これがジャズに親しむ為に欠かせない。それから少し小難しく感じるかも知れないが、インストものにも耳を傾けてみると、ああ、この曲知っているとなればしめたものである。ぐっと親近感を感じるようになる。　その後、どうすれこうすれ等とビギナーに説く器量は私にはない。　それでこれさえ入っていれば、どんなアルバムでも良く思えるという曲のひとつであるBE MY LOVEの愛聴盤、L.ドナルドソンのTHE TIME IS RIGHTを挙げよう。まさにこの曲に惚れている。　C.マクファーソンがこれをやった。L.ドナルドソンのTHE TIME IS RIGHTに入っていることも以前から知ってはいたけれど、暫し待ったのだ。　是非アナログで欲しいと。そして手に入った。真っ先に聴きたいのだが、まあ、待て！いずれこれが鳴り出すのはわかっているのだから、折角だから頭から聴こうと。欲しかったアルバムが手にはいると、そわそわして落ち着かなくなる。どういう手練手管を持ってすれば、最も相応しく聴けるかと。まずは、雰囲気づくり。いつものドリップ珈琲じゃなくて、エスプレッソを作って聴く。　　まずは軽快でポップな雰囲気のテーマを持つLOU'S BLUES。ドナルドソンのアルトは、伸び伸びした明快さが信条で、ブルーノートも４０００番台に入るとポップな感じの曲調にその伸びを生かしたアルトを聴かせてくれる。　で、BE MY LOVEだ。レイ.バレットのコンガが入って軽いポップな雰囲気を醸し出すバックに乗って、ドナルドソンの伸びやかなアルトがこのテーマを吹き出す。曲の流れからいって愛らしく奏で、メロディに酔わされ、終わりに向かって盛り上がっていく。情感を籠めて吹いているけれど、全体のノリを軽く仕上げているから幾分薄まってはいるものの、曲のもつ愛らしさ、切なさに変わりはない。　BE MY LOVEの入っているアルバムでは、先のマクファーソンのやキース・ジャレットのソロアルバム、そしてケニー・ドリューの5000番台のKENNY DREW TRIOにも入っていた。そして山下達郎の・・・はぁ？！　自分の好きな曲をもつこと・・・これはどんなに敷居が高く感じるジャズでも、ながく聴き続けることの出来る「究極のバリアフリー策」に違いないと思うが、不中（あたらず）であろうか。BLUE MITCHELL tp, LOU DONALDSON as, HORACE PARLAN p, LAYMON JACKSON bDAVE BAILEY ds, RAY BARRETTO-cong1959.10.31BLUE NOTE 4025SIDE 11.LOU'S BLUES 2.BE MY LOVE 3.IDAHO 4.THE NEARNESS OF YOUSIDE 25.MACK THE KNIFE 6.CROSSTOWN SHUFFLE 7.TANGERINE　　

2022.04.04

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4037 US THREE/HORACE PARLAN

US THREE/HORACE PARLAN いよいよ春めいて来て、というのは本州の関東より西の方の話なのだろうが、ここ北海道はややその気配はあるのだが、それを裏切るように昨日あたりまた雪が降ってきた。毎年のことながらよく飽きもせず降りやがると３月中旬まで降る雪を眺めて思う。それでも暖かい日差しがさして来ると開放的な気分になるなと思う。陽もながくなって来たのが夕方の空の明るさで実感する。南の方では桜も開花しているようだし、冬ってやっぱり気分も縮こまって閉塞してたんだと改めて思う。　逆に「春だぁー！」と思うと、何でもかんでも春めいて見えたり、聞こえたりするから不思議なもんだ。　我が家の敷地内に従兄のいたって小さな家があるのだが、彼は冬になると俄然活発になる。つまり雪かきが人生唯一の楽しみのように見えてしまう位熱心にやっている。頼んでもないのに敷地の全てを掻いてくれる。彼が外で活動するのはその雪のある季節ばかりなのだ。あとの３シーズンは全く家に籠って殆ど出てこない。近くのコンビニまでの道のりでたまに出くわすばかりだ。お互い様なんだろうが、彼の冬の活動を見ていると冬眠する動物と真逆だなと思う。冬籠りならぬひきこもりだと。彼が雪かきをしているのを眺めていると、「雪やコンコ・・・犬は喜び　庭かけまわり猫はこたつで丸くなる」を歌いたくなる。猫はこたつで・・・は私の事だが。春を待ち望むはずんだ期待をこめてこの一枚。このアルバム、冒頭のUS THREEがなにせ凄い。アル・ヘアウッドの猛然とブラシで叩くそのスピード感が堪らない。この曲はたったひとつのコードで演奏されているからモード的にも聞こえるけど、どうもそうじゃないようだ。云ってみれば、レッド・ガーランドのC-JAM BLUESを極端に単純にして、スピードアップしたような按配だろうか。まあ、どうでも良いが恰好良い。　またこのアルバムのなかにもあるWALKIN'を扱ったアルバムを何枚か聴いていいなと思ったのがいくつかあった。ジョー・ロバーノのTENOR TIME（これにはJunko Onishiが加わっている）とかバド・シャンクとかあったが、やっぱり本家本元マイスル・ディビスのWALKIN'も聴いてみた。マイルスは、他のアルバムでも何度か吹き込んでいる。イン・ベルリンとかフォー・アンド・モアとかあるけれど、やっぱりマイルスが抜きんでているのだろう。けれど、このホレス・パーランのUS THREEはスロー・テンポということもあって異色な感じがした。悪くない。　WALKIN'って云う曲は何て云ったらよいのか、ファンファーレみたいな出だしの後のブルージーなフレーズが格好いいんだろうな。如何にもジャズっぽい後乗りのフッっという間が効いてる。　この格好良さをパーランのこのトリオは、アル・ヘアウッドのブラシを効果的に使ってテーマを弾くパーランの打鍵の間に上手く滑り込ませて出している。こういう格好良さを最近のピアノ・トリオは忘れちゃってんのかなという気もした。HORACE PARLAN p, GEORGE TUCKER b, AL HARWOOD dsApr 20 1960BLUE NOTE 40371.UE THREE 2.I WANT TO BE LOVED 3.COME RAIN OR COME SHINE 4.WADIN' 5.THE LADY IS A TRAMP 6.WALKIN' 7.RETURN ENGAGMENT

2022.03.17

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4068 FACE TO FACE/BABY FACE WILLETTE

4068 FACE TO FACE/BABY FACE WILLETTE　ひな祭りが過ぎてだいぶ日も長くなってきた。午後の五時を過ぎた辺りに日没し始める。冬の空の低い位置に太陽がまだあって、少し得をしたような気になる。少し戸外に出掛けてみたくなり車を走らせると、東の空の下の方の層は薄紅色に染まって初々しい女の子の恥じらいの頬のようだった。それも良く目を凝らすと幾層かの色の層になっていることに気付く。バックミラーに写った西の空には夕陽が雲に遮られて、火を熾した炭火のように赤々と燃えていた。　今年は戦後ん？何年？終戦が1945年だから55＋22だから77年？算数が苦手だ。コカコーラが戦後まもなく進駐軍の必需品として日本に輸入されて、私の記憶でも小学生の頃には、極めて風変わりな味の飲み物として市場に出回り始めたのを憶えている。映画「Always 三丁目の夕日」では鈴木オートの社長が、煙草屋のおばちゃんに「ババー、醤油飲んで死んじまえ！」と毒づいていたあれだ。これがアメリカの味かなんて当時の小学生には思いもしなかったが、それからどんどんファッションもアメリカナイズしていったのだろう。　　でもあの頃まだまだ日本中が漸く貧乏から這い出したばかりで、北海道という地域性もあったろうが、冬には手編みのセーターに靴下が日常身につけるものだったし、石炭ストーブの燃える茶の間の天井から雪で濡らして帰ってきた私らの冬支度がほかほかと湯気を上げていたものだった。　まだまだ貧乏だった。アメリカなど別世界のことだった。　　これはそんなアメリカの中でも特別な近づきたくても近づけない見果てぬ世界のアルバムだ。　BLUE NOTEの４０００番台を集めていると、どうしたって出てくるのがこのオルガンの存在。　１５００番台にはジミー・スミスしかいなかったオルガニストが、４０００番台となると俄然花盛りとなる。　私にとってオルガンは、ずっと以前のことになるけれど一番遠ざけていた楽器だった。ピアノに比べて如何にも大雑把で、且つ感情過多、という印象を長年持ち続けていたし、音楽的にもR&Bやソウルといった真っ正面からジャズを感じるものではなかった。ハモンド・オルガンであるからアコースティックでもない。総じて「知性」が感じられないという理由である。　如何にも中途半端な「知性」を保持する黄色人種である日本人的偏見に他ならないわけだ。言い換えれば、黒人のソウルをわかっちゃいないだけなのだ。　で、頭でっかちは頭でしかわからないのは致し方ないけど、知識だけは知っておこうと思って、ピーター・バラカン（彼だって白人だ）の書いたものを読ませて貰った。（『ブルーノート再入門』７章「ソウル・フィンガーズ！」）　なるほど、時代背景を知れということなのだが、一番応えたのがハモンド・オルガンを備えた黒人街にある無数のバーやナイトクラブである「チトリン・サーキット」の存在だ。豚のモツ煮込みであるチトリンというソウル・フードも喰った事のない奴にオルガン・ジャズを云々する資格はない・・・というわけである。　ジミー・.スミスの次に来るオルガン奏者と、ジーン・アモンズの流れを汲むフレッド・ジャクソンという組み合わせ、加えてギンギンのR&B調のグラント・グリーンのギター。と来れば、絵に描いたようにどっぷりソウルフルだろうなと思いきや、ロングトーンをあまり多用せず、小気味よいスタッカートをきかせて弾くウィレットのオルガンと小刻みにカットするグリーンのギターであって思いの外粘っこくない。　さっと焼いた餅が形を崩さない程度に煮てあって、粘りはあっても硬く締まっている餅の食感、それが具の食感と合わさる雑煮の風味？　だから嫌味のない程度にソウルフルで、少々時代かかったジュークボックスかディスコで流れるメロディを感じさせるテーマだが、陽気で軽快に踊る気分なのだ。　　スローなブルース仕立てのGOIN' DOWNとなると流石にぐっと粘りが出て、黒人のソウルフルな血がドクドクと脈打つ感じだ。フレッド・ジャクソンのテナーがむせび泣き、裂ける。　WHATEVER LOLA WANTSは昭和の歌謡曲にこんなのあったよな懐かしい気分で、少々含み笑いも出ようというものだが、所謂懐メロ風だが、時代の空気が伝わってくる。少し侘びしくせつない、昭和枯れススキ？という雰囲気か。いやいや労働に疲れた貧しい黒人の心を慰める哀切なメロディだったのだろう。　　世知辛い世の辛さ侘びしさが冬の夜風のように身にしみて、ああ無常（無情か）・・・。　でもこのアルバム、仄かな哀しみが熱気の隙間から滲みだして来るけど、断然軽快で暗い気分など跳ね返すバイタリティに満ちている。それがかえってせつないのだが。FRED JACKSON-ts GRANT GREEN-g BABY FACE WILLETTE-org BEN DIXON-ds1961.1.30SIDE 11.SWINGIN' AT SUGER RAY'S 2.GOIN' DOWN 3.WHATEVER LOLA WANTSSIDE 24.FACE TO FACE 5.SOMETHIN' STRANGE 6.HIGH 'N LOW

2022.03.11

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4024 JACKIE McLEAN / SWING.SWANG,SWINGIN´

ジャッキー・マクリーンが吹くと同じ曲でも他のミュージシャンとは何か違うという気がする。何なのかと暫し考えると、そうだ！MACK THE KNIFEだと。「切り裂きマック」のことだ。その音色は切り裂くかのような鋭さがあるなと思う。そして音程だ。全部が全部ではないがややフラットして外れたような音程。これはどう考えてもわざとそうしてるとしか思えない。スティックさばきも見事なアートテイラーに音の粒がそろった堅実なプレイを聴かせるウォルター・ビショップ・ジュニアそれにウォルターのあの名盤Speak Lowで相棒を務めたジミー・ギャリソンという素敵な組み合わせ。曲はどれも聴き馴染んだスタンダードな曲ばかりだけれど、それがマクリーン節でやってるを聴くのがこのアルバムの聴きどころだろう。そしてWhat´s Newいたっては何度これをやったのかというほど色んな彼のアルバムで聴けるナンバーだ。　というような具合だが余計なことだろうが、マクリーンを聴きすぎると全部同じ調子に聴こえてしまうのは致し方ないのか。JACKIE McLEAN as WALTER BISHOP jr p JIMMY GARRISON b ART TAYLOR ds1959.10.20WHT'S NEW 116TH AND LENOX,LET'S FACE THE MUSIC AND DANCE,IREMEMBER YOU,I LOVE YOU ,I'LL TAKE ROMANCE,SATABLEMATES

2021.07.30

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4033 DIZZY REECE / SOUNDIN' OFF

ワン・ホーンで朗々とトランペットを吹くD.リ-ス、BNに残した３枚のアルバムのラストだった。耳慣れないとどこに特徴があるのか実のところ良くわからなかった。　滅多に他人を褒めないM.デイビスが彼に注目したらしいが、そういやONCE INA WHILE等を聴くと、共通するもの持っているかも知れないと言う気がした。リズムセクションからやや遅れ気味か後に伸ばしたりと、ワザとタイミングをずらして吹いたりする。　ハードバップのノリで軽快にやっているEB POBもPRESTIGE時代のマイスルを彷彿とさせる。　リズムセクションにも注目したい。’６０年初頭と言えばW.ビショップも脂ののった時期で、リーダーアルバムをそろそろ出し始めた時期。それにD.ワトキンスにA.テイラーときてるから、聴き応えはこっちにもありというところ。OUR LOVE IS HERE TO STAYと後に続くBLUE STREAKのノリの素晴らしいこと。DIZZY REECE-tp WALTER BISHOP JR.-p DOUG WATKINS-b ART TAYLOR-dsMay 12, 1960SIDE 11.A GHOST OF A CHANCE 2.ONCE IN A WHILE 3.EB POBSIDE 24.YESTERDAYS 5.OUR LOVE IS HERE TO STAY 6.BLUE STREAK

2020.05.13

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4001 NEWK'S TIME / SONNY ROLLINS

まずはTHE SURREY WITH FRINGE ON TOPの演奏から聞くことをお勧めする。1581 A NIGHT THE VILLAGE VANGUARDの「殺気」が蘇ってくる。　ポリリズムを駆使したE.ジョーンズの代わりに今度はP.J.ジョーンズとの一騎打ちが展開する。曲のモチーフからあらん限りのフレーズを振り絞り強烈なパワーを見せつける。ピアノもベースも入らないまさに「素手」で戦っている感がある。フィリーに対する彼の反応は凄まじいものがある。大絶賛を送らざるを得ない。　ロリンズが唯一真のライバルとみなしたコルトレーンに対してそれを寄せ付けない強大な力を見せつけた。大きくゆるぎない音、鮮やかに変化するダイナミックス、深く雄弁な語り口。　「裸の感情と偉大な芸術と私的な皮肉が一体となった」存在。まさにそれが彼である。　そのことを示す真骨頂がこのTHE SURREY WITH FRINGE ON TOPにこめられている。　しかし全体的に言うと A NIGHT THE VILLAGE VANGUARDに比べれば未完の感があり、満足を得るにはあまりに短い。 SONNY ROLLINS:ts WYNTON KELLY:p DOUG WATKINS:b PHILLY JOE JONES:ds1958.9.281.TUNE UP 2.ASIANTIC RAES 3.WONDERFUL ! WONDERFUL ! 4.THE SURREY WITH FRINGE ON TOP 5.BLUES FOR PHILLY JOE 6.NAMELY YOU

2020.02.15

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4026 FUEGO /DONALD BYRD

リフからソロにいたるまで計算されつくしたような緻密な充実感。ドナルド・バードの代表作でありBNには欠かせない一枚。初めてこのアルバムを聴いた時、タイトル曲FUEGOが頭の中を突っ切るような衝撃は忘れられない。まさに風を切って疾駆する爽快感。上出来なんてものではない。それまで聴いたどのBN盤をも勝る独創性にアッとさせられた。裏表タイトルを見ただけで脳裏に鮮やかに蘇る、こんなのはバド・パウエルのTHE SCENE CHANGES以来だった。自分だけ知ってる隠れ名盤でなかったのが悔しいほど良く知られ愛され続けている。一曲として手を抜いたものがない、というは異口同音なコメントだ。音楽理論をきちんと学んだ学究肌というステイタスに溺れない熱情と客観的な冷めた抑制とが聴いてとれる。DONALD BYRD(pocket-tp) JACKIE McLEAN (as) DUKE PERSON (p) DOUG WATKINS (b) LEX HUMPRIES (ds)1959.10.4SIDE 1FUEGO ,AMEN, BUP A LOUP, FUNKY MAMA,SIDE 2LOW LIFE, LAMENT

2020.02.11

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4004 HOLIDAY FOR SKINS VOL.1/ ART BLAKEY

これだけのメンバーを取り揃えいったい何をやらかしたのか？　大体想像はつくだろうが、ブレイキーをして最高傑作と称したアルバムのひとつである。　彼はアルフレッド・ライオンがプロデュースした「パーカッシブな作品」全てがベストだとする。　先立つ１５００番台には、ORGY IN RHYTHMもまたそれである。　ジャズのルーツであるアフリカン・ビートであり、更には未来を見据えた実験であったのだろう。マイルスが如何に偉大であったとしても、この時点でこんな事が出来るのはブレイキーを置いて他にいなかったに違いない。　「リズムの饗宴」であることには間違いないが、メロディックな要素としてのレイ・ブライアントのピアノとドナルド・バードのトランペットはこのアルバム中重要な役割を果たしている。またCHANTという歌の要素も加味され、アフリカンな雰囲気とジャズが見事に融合したアルバムである。B面最後のブライアントの曲REFRECTIONが大好きである。哀愁のあるテーマで、度々ブライアントはこの名曲をやっている。締めのというか中間あたりからのリズムバトルが凄いではないか。ART BLAKEY-ds PHILLY JOE JONES-ds,timpani ART TAYLOR-ds,gong SABU MARTINEZ-bongo,conga RAY BARRETTO,CHONGUTTO VICENTE-cong VICTOR GONZALEZ=BONG ANDY DELANNOY-maracas,cencerro JULIO MARTINEZ-cong,treelog FRED PAGANI,JR -timbalesDONALD BYRD-tp RAY BRYANT-p WENDEL MARSHALL-bCHANTS BY ART BLAKEY,PHILLY JOE JONES,SABU MARTINEZ,AUSTIN CROMER,HAL RASHEEDSIDE11.THE FEAST 2.AGHANO 3.LAMENT AFRICANO 4.MIRAGESIDE 25.O'TINDE 6.SWINGIN' KILTS 7.DINGA 8.REFRECTION

2020.02.06

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4010 WALKIN' & TALKIN'/BENNIE GREEN

ベニー・グリーンのBNにおけるあまりに短い滞在のラストである。BNの当時の主流からすれば、こんな奴がいてもいいかも・・・という程、そのユニークさは飛び抜けていた。　ハードバップの時代に、ビ・バップより更に遡るジャズの故郷を思わせる底抜けの明るさをひっさげて現れ、そして去っていった。　時代の要望が先を競って居るときに、あっけらかんとして手拍子宜しく朗らかに笑い、冗談を言い合って騒ぎ、夜を明かした。　彼が去った後には、何も無かったかのようにジャズが、そしてBNのアルバム群が新たな展開をしていった。　J.Jジョンソン、カーティス・フラーに続く男は、いったい何者だったのだろうかと、立ち止まって考えてみるのも悪くはない。BENNIE GREEN-tb EDDY WILLIAMS-ts GILDO MAHONES-p GEORGE TUCKER-b AL DREARES-ds1959.1.25SIDE 11.THE SHOUTER 2.GREEN LEAVES 3.THIS LOVE OF MINESIDE 24.WALKIN' & TALKIN' 5.ALL I DO IS DREAM OF YOU 6.HOPPIN' JOHNS

2020.02.05

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4011 THE SERMON ! / JIMMY SMITH

「ハウス・パーティー」と同じ構成によるA面全てを使った２０分に及ぶセッションだが、メンバーが豪華でとっても有り難く聴けそうだったが、違った。　テーマはポップな感じで良いのだが、一人一人に割り当てられたコーラス数でソロをとって、「お次どうそ」的に出てくるのを少々だれた気分で聴く羽目になった。これだけのメンバーでありながら、３管プラスギターのオルガンという数ぶんだけのソロが掛け合いもなしで坦々と流れてしまっているせいなのか、ソロにも覇気がないのが目立つせいか、有り難くは思えなかった。　寧ろB面２曲に割り当てられたセッションの方が熱狂出来る。FLAMINGOではモーガンの蕩々と吹く音に身を任せる事が出来る。エディ・マクファディンのギターもしっとりと濡れたような艶やかさがあり、J.O.Sはまさに熱狂的演奏だが、ルー・ドナルドソン他のメンバーがTHE SERMONのセッションの時より張りがあって緊迫したソロがとれているように思える。その昔、B面アワーというのが流行ったことがあったが、A面の看板曲より裏の面の方に隠れた名曲があったりしたものだ。このFLAMINGOもまさにそれという気がする。IMMY SMITH-org LEE MORGAN-tp LOU DONALDSON-as* GEORGE COLMAN-as **TINA BROOKS -ts *KENNY BURRELL-g EDDIE McFADDIN-g** ART BLAKEY-dsDONALD BAILEY-ds**1957.8.25,1958.2.28SIDE 11.THE SERMON*SIDE 22.J.O.S** 3.FLAMINGO

2020.02.04

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4012 LD+3/LOU DONALDSON WITH THE THREE SOUNDS

スリー・サウンズが４０００番台でサックス奏者と組んだアルバムは、スタレイ・タレンタインとこのルー・ドナルドソン以外にないのだが、ワン・ホーンによって挑発されるとこれほどムキになってやるのか・・・というところを存分に残しているアルバムだと思う。　時にジーン・ハリスが息もつかせぬソロを聴かせ、時にビル・ドウディがルーと丁々発止で掛け合い、時にアンドリュー・シンプキンスがぐいぐいとソロを展開する。発破をかけられてルーがエキサイティングになるというより、その逆にルーがバリバリ吹くのに呼応して、彼らはいつになくガムシャラになっている・・・ように聞こえる。　それだけルーのアルトが圧倒的であるとも言えよう。神懸かりとも言えるワン・ホーンの凄まじい嵐を冒頭から聴かせる。そのあとのジーン・ハリスのソロは、ニコニコトリオ？の時には滅多に聴けないしゃかりきになって鍵盤にのめるようになって弾く。　以下同様の見せ場がいくつも出てくるわけで、これは結構凄いアルバムだと思う。LOU DONALDSON-as GENE HARRIS-p ANDREW SIMPKINS-b BILL DOWDY-ds1959.2.181.THREE LITTLE WORDS 2.SMOOTH GROOVE 3.JUST FRIENDS 4.BLUE MOON 5.JUMP UP 6.DON'T TAKE YOUR LOVE FROM ME 7.CONFIRMATION

2020.02.03

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4083 Dexter Gordon/ Dexter Calling

これは4077 Doin' Allrightの３日後に吹き込まれたもの。あれはFreddie Hubbardとの２管だったが、旧友Kenny Drewとの再会セッションでもあり今回のは実力者としての貫禄あるワン・ホーンものだ。豪快で重量感のあるテナーが聴ける。まず、ゆったりとしたゴスペル調のSOUL SISTER。余裕綽々のテナーを聴かせるDexだ。断然Dexのテナーだけがどーんと聞こえる。Drewのピアノはゆったりとしたテンポで闊歩するがごとし。MODAL MOODは勢い込んで聴くとつんのめる程のテンポ。快調テナーDexの独特のフレーズが飛び出てくるし、時々フリーキーにもなりかかる程。ホントにこの人のアドリブはわかりやすくて、意味のないフレーズなど出てこない。THE END OF A LOVE AFFAIRはテナーの低い音程で聴かせるテーマで、アドリブの中音域と対照的。フレーズが流暢にどんどん出てくる。サブトーンを効かせたバラードのERNIE'S TUNEがいい。最後のチャップリンのSMILEが早いテンポでありアドリブに入って軽快に吹くDex。ご機嫌にスウィングするテンポに乗っておいしいフレーズが飛び出てくる。でもスロー・テンポでやってくれたら泣けるのに。DEXTER GORDON ts, KENNY DREW p, PAUL CHAMBERS b, PHILLY JOE JONES ds1961.15.9SOUL SISTER, MODAL MOOD, ERNIE'S TUNE, I WANT MORE, THE END OF A LOVE AFFAIR, CLEAR THE DEX, SMILE

2020.02.02

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4013 NEW SOIL / JACKIE McLEAN

このアルバム、ドラムのピート・ラ・ロッカの彼にとっては最高のドラミングが聴けるらしいということで期待を思って聴き始めた。　確かに、A面２曲目のMINOR APPREHENSIONにそれはあった。ポリリズム的ドラミングは、その瞬間だけ彼の独壇場となる。　マクリーンにとってBNの時期は特別な意気込みがあって、これはその幕開き、BN移籍第一団であって、リハーサルに何と５週間をかけたということだった。ただ事では済ませない何かを心に秘めていたわけだが、時はハードバップの時代から新機軸を模索している時期へと移行する頃で、時流を敏感に感じとっていたマクリーンだったわけである。　確かにマクリーンのアルトの鋭さのなかに、今までにない「意図」を感じるが、しかしやっぱり全体としてはハードバップの域を抜けたとは言い難いと思える。　機が熟するには今暫くというところで、見事にハードバップである。DONALD BYRD-tp JACKIE McLEAN-as WALTER DAVIS JR.-p PAUL CHAMBER-b PETE LA ROCK-ds1959.5.2SIDE 11.HIP STRUT 2.MINOR APPREHENSIONSIDE 23.GREASY 5.SWEET CAKES 6.DAVIS CUP

2020.02.01

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4014 BOTTOMS UP !/ THE THREE SOUNDS

　これだけ甘口な曲のラインアップにして、意表をつくハードタッチなアルバムは予想していなかった。　そもそもスリー・サウンズというユニット名で名乗っているから軽くみられている。いっそジーン・ハリス・トリオとでもすればちょっと構えが違って受け入れられたたかも知れないのに・・・と思わないでもない。　ニコニコ顔をジャケットしていることの多いこのユニット。なめてかかっちゃ度肝を抜かれる。　気心知れている分、気合いが入ればとことんバシバシ来る。　いきなりBESAME MUCHOのハードな演奏。こんな具合にやられるとはお釈迦様でも・・・ってところだろう。　一方セレスタを使ったJINNE LOUなんて小洒落たのもある。　流石に最後まで同じ硬めのタッチでこられると、ちょっと一辺倒過ぎかな？という気もするが。GENE HARRIS-p,celeste ANDREW SIMPKINS-b BILL DOWDY-dS1958.9.16/9.28/1959.2.11SIDE 11.BESAME MUCHO 2.ANGEL EYES 3.TIME AFTER TIME 4.LOVE WALKED INSIDE 25.I COULD WRIGHT A BOOK 6.JINNE LOU 7.NOTHING EVER CHANGES MY LOVE FOR YOU 8.FALLING IN LOVE WITH LOVE

2020.01.30

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４019 BYRD IN HAND /DONALD BYRD

３管編成でハードバップセッションでバリバリやるかと思っていたら、冒頭WHICHCRAFTで気勢をそがれる。モダンなセンスでバードが淡く吹くこの頭が良い。　アダムズとラウズは脇に廻っているが、それぞれ味のあるソロをとる。　僕にとってはラウズ入りというところがミソで愛着が持てるアルバムとなる。キュッと引き絞ったテナーが聴けるのが嬉しい。　やはり大半はハードバップ調なのだが、境界線的なA面１，２曲目が効いている。　4007 OFF TO THE RACESでペッパー・アダムズ、ジャッキー・マクリーンの３管でBN初リーダーを出して以後、これにウォルター・ディヴィスJRが絡む作品が並ぶ。つまりマクリーンのBN初リーダーである4013 NEW SOIL、デイヴィスのBN初リーダーの4018 DAVSI CUPそして本作と言う並びだ。誰かがリーダーとなって同様のメンバーでアルバム化されている。DONALD BYRD-tp CHARLIE ROUSE-ts PEPPER ADAMS-bs WALTER DAVIS JR.-p SAM JONES-b ART TAYLOR-ds1959.5.31SIDE 11.WITCHCRAFT 2.HERE AM I 3.DEVIL WHIPSIDE 21.BRONZE DANCE 2.CLARION CALLS 3.THE IJJUNS

2020.01.29

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4023 STAR BRIGHT /DIZZY REECE

サウンドのコアになる部分（芯）が安定し充実していると非常に心地よい。　ここで言えばウィントン・ケリー他のリズムセクションだが、しっかりした芯とホーンの兼ね合いのバランスが凄く良いなと思うアルバムだ。　ディジー自身、ハイトーンをヒットさせて吃驚させるようなタイプじゃなくて、中間音を中心に聴かせるブルー・ミッチェルのようなタイプだろう。それとモブレーと来てる。ヴァン・ゲルダー・サウンドを地でいっている・・・というような。　ディジー・リース自身のオリジナルも工夫されており、更にI'LL CLOSE MY EYESのような曲を持ってくる辺りのディジーのセンスが良いなと思う。　ジャマイカ出身で、マイルスが絶賛したという辺りのことは良く知られているが、畢竟言葉にしにくい”センス”がものを言う。　センスの良いもの同士が寄り集まってしまえば、自ずとしみ出てくる味は手垢で黒光りするほど愛される。このアルバムの人気の所以だ。DIZZY REECE-tp HANK MOBLEY-ts WYNTON KELLY-p PAUL CHAMBERS-b ART TAYLOR-ds1959.11.19SIDE 11.THE RAKE 2.I'LL CLOSE MY EYES 3.GROOVESVILLESIDE 24.THE REBOUND 5.I WISHED ON THE MOON 6.A VARIATION ON MONK

2020.01.28

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4027 THE MUSIC FROM THE CONNECTION / FREDDIE REDD

ハワード・マギーの同名のフェルスティッド盤の方を先に聴いていたが、そちらには、ティナ・ブルックス等とともに作曲者フレディ・レッドは参加している。　「ザ・コネクション」はオフ・ブロードウエィで上演されたミュージカルだが、マクリーン他のミュージシャンにも台詞が与えられ、演奏もするという、ジャズと麻薬をテーマにした内容。それはそれで興味深いが、マクリーンやレッドの残した音源としてそれとは別に貴重なものと言えるだろう。　レッドの示すテーマ自体の洗練度にマクリーン他の快演が加わり充実度を増す。　実演の際には、レッド自身の麻薬癖が災いして代役として、ウォルター・デイヴィスJR、ケニー・ドリュー、デューク・ジョーダンがあたったらしいが、なるほど同タイプのピアニストだなと実感する。　JACKIE McLEAN-as FREDDIEREDD-p MICHAEL MATTOS-b LARRYRITCHIE-ds1960.2.15SIDE 11.WHOKILLED COCK ROBIN 2.WIGGLIN' 3.MUSIC FOREVERSIDE21.TIME TOAMILE2.THEME FOR SISTER SALVATION 3.JIM DUNN'S DILEMMA 4.O.D.

2020.01.27

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4031 SOUL STATION /HANK MOBLEY

R.V.ゲルダー自身も快心のレコーディングだったと回想するだけに、RVGサウンドの粋を感じさせるものだ。　オリジナル盤の場合、遊び溝にVAN GELDER或いはVGLと刻印されているが、僕のはキング盤で割と定評のある再販盤で結構気に入っている。モブレーのテナーがベルベット地のように緻密な音で鳴り、リズム・セクションのタイトなサポートでこのうえないワン・ホーン・カルテットの桃源郷を描く。　判で押したように、理想的なソロで構成されていて、足し算、引き算が的確であるべくしてあるソロの連続という気がする。しかし出来すぎているだけに逆に「こんなに良くていいのかよ」と戸惑いを感じないわけではないが、そうざらにあるわけではない一枚なのだと思うしかない。------------------------HANK MOBLEY-ts WYNTON KELLY-p PAUL CHAMBERS-b ART BLAKEY-ds1960..7SIDE 11.REMEMBER 2.THIS I DIG OF YOU 3.DIG DISSIDE 21.SPLIT FEELIN'S 2.SOUL STATION 3.IF I SHOUL LOSE YOU

2020.01.07

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4028 MOVIN' & GROOVIN' / HORACE PARLAN

　4036 Sunny Side Upのレコーディングが終わってスケジュールが空いていたパーランのリズムセクションがそのまま彼のBN初リーダーアルバムとなった。　１９５７年にプレスティッジから出されたレッド・ガーランドのGROOVYのC JAM BLUESのノリをパーランも格好良いと思ったのでは？、いやそればかりか彼の演奏スタイルはガーランドのC JAMに電撃を受けて決定づけられたのでは？などと思いながら聴き進めていくとまんざらハズレでもなさそうな気になる。麻痺した右手のハンディを逆手にとって自分のスタイルを打ち立てるヒントがガーランドのC JAMにあったのかも知れない。　針飛びしたかと思うような熱意の連打に彼の汗を感じ、サム・ジョーンズのウォーキング・ベースとアル・ヘアウッドのブラッシュ・ワークこれぞGROOVY ! とそのノリにあわせて身が踊る。HORACE PARLAN-p SAM JONES-b AL HAREWOOD-ds1960.2.29SIDE 11.C JAM BLUES 2. ON GREEN DOLPHIN STREET 3.UP IN CYNTHIA'S ROOM 4.LADY BIRDSIDE 21.BAG'S GROOVE 2.STELLA BY ATARLIGHT 3.THERE IS NO GREATER LOVE 4.IT COULD HAPPEN TOYOU

2019.12.22

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4044 MOODS / THE THREE SOUNDS

大抵ニコニコ顔の三人が顔を揃えたジャケットのスリー・サウンズが、妖しい媚態を大写しにしたものを使ったには、何か曰く言いたげだな？と思わなければならない。　エンターテイメント精神旺盛なピアノ・トリオが少々斜に構えてブルージーにグルーブする「昔は良かったね」や超スタンダード曲ON GREEN DOPHIN STREETを等々、聴けばこのトリオの意外な「気骨」を感じ、一歩下がって「畏れ入った」と脱帽する・・・やも知れない。　グルービー！！と吃驚マークを二つ、三つ付けたくなるようなLOOSE WALK、あのR.ガーランドのC JAM BUESを思わせる跳ね具合や、超スローで緊張感をめい一杯籠めた演奏を聴かせるLIL DARLIN'、等、聴くものを愉しませるツボを心得た演奏満載のアルバムだ。　因みに余白的に書いておくと、この妖しい媚態の令嬢は、アルフレッド・ライオンの二番目の奥方ルース・メイソン・・・である。GENE HARRIS-p ANDREW SIMPKINS-b BILLY DOWDY-ds1960.6.28SIDE 11.LOVE FOR SALE 2.THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE 3.ON GREEN DOLPHIN STREETSIDE 24.LOOSE WALK 5.LI'L DARLIN' 6.I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT 7.TAMMY'S BREEZE 8.SANDU

2019.12.21

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4047 A.T.'S DELIGHT/ART TAYLOR

ハードバップの現場には欠かせないドラマー、アート・テイラーが残したリーダーアルバムは、驚くほど少なくTAYLOR'S WAILLERによるもの以外思い浮かばない。事実そうである。　ハードバップ・シーンを知り尽くした彼はジャーナリストでもあって批評力があるが故に、自らの位置をわきまえ、やたらとドラム・ソロをぶちかますようなことはせず、寧ろサイドマンに徹していたという事実は、このアルバムが示すところだろう。　しかし、いざ出番となれば胸のすくようなソロも演じてくれる。　アルバムのトップがコルトレーンのSYEEDA'S SONG FLUEを持ってくるあたり意外性充分。それとコンガのカルロス・パタート・ヴァルデスの起用がアルバムに弾みをつけている。テイラーとヴァルデスにデイヴ・バーンズの壮絶な出だしのMOVEなどは、テイラーのドラム・ソロを含む各人のソロの凄まじさは、聴き応え充分。　B面に入って趣を変えるのも、ケニー・ドーハムのHIGH SEASとBLUE INTERRUDEを持ってきた為だが、モダンさを強く印象づけられる。　その２曲の間に挟まったテイラーのオリジナルは、リズム面を強調しヴァルデスとテイラーの出番が多いラテン調の演奏。もう一人のアート、アート・ブレイキーがBNに数多く残したリズムの饗宴に比べればささやかなアイデンティだろうが。DAVE BURNS-tp STANLEY TURRENTINE-ts WYNTON KELLY-p PAUL CHAMBERS-b ART TAYLOR-ds POTATO VALDEZ-cong*1960.8.6SIDE 11.SYEEDA'S SONG FLUTE 2.SPISTROPHY* 3.MOVE *SIDE 24.HIGH SEAS 5.COOKOO AND FUNGI *6.BLUE INTERLUDE

2019.12.20

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4048 BYRD IN FLIGHT/DONALD BYRD

　D.バードが２曲、D.ピアソンが３曲それにLITTLE GIRL BLUEを改題したLITTLE BOY BLUEが挟んであるという取り合わせ。中山康樹氏の『超ブルーノート入門　完結編』によれば、バードのFUEGOに始まり、ピアソンのPROFILE 更にTENDER FEELIN'を経た線上に、アルフレッド・ライオンが周到に練った作戦がこのアルバムに籠められているという。　何？FUEGO他３枚を聴かねばならないのか・・・。今、その余裕はないので、ピアソンのPROFILEに収録されたGATE CITY BLUESとGATE CITYと改題された同曲を聴くだけにするが、ピアソンの洒落たセンス、それとバードの作曲力が集結された「曲」で聴くだけでも充分満足のいくアルバムだと言えよう。　勿論名アレンジャー二人が揃った演奏面の素晴らしさもだが。　にも関わらず僕は、彼らのオリジナルを余所にこれだけ聴くとなれば、ワン・ホーンで奏でるLITTLE BOY BLUEのバードの哀感に浸る。DONALD BYRD-tp HANK MOBLEY-ts DUKE PEARSON-p DOUG WATKINS-b LEX HUMPHRIES-ds1960.1.17,25DONALD BYRD-tp JACKIE McLEAN-as DUKE PEARSON-p REGINALD WORKMAN-b LEX HUMPHRIES-ds1960.7.10*SIDE 11.GHANA 2.LITTLE BOY BLUE 3.GATE CITYSIDE 24.LEX 5."BO" 6.MY GIRL SHIRL

2019.12.19

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4050 HOME COOKIN' / JIMMY SMITH

シングル盤市場に追い込まれていたBNもシングル製作に手を染めずにはいられなかった事情、シングル用にレコーディングしたものを一枚のアルバム化するのに要した製作年数１年（勿論丸一年かけたわけではなく、３度のレコーディングで漸くアルバム化した言う意味だが）、多くのテイクがボツとなり日の目を見ていない、そしてこのジャケット。アポロ劇場裏の「ケイトのホーム・クッキング」の店先でのショット、無名のテナー、パーシー・フランスの来し方行く末・・・等々、因むエピソードを知る程にBNの「光と影」を象徴するようなアルバムだったわけだ。　当時のヒット・チューンを鏤めスミス味にクッキングされたトラックが小気味よく続く。シングル用と思われるものでは熱気はほどよくセーブされているが、パーシー・フランスが加わったものは黒々したソウルが蠢くものや次第に盛り上がりをみせるものもあって、流石BNという纏め方だ。JIMMY SMITH-org PERCY FRANCE-ts* KENNY BURRELL-g DONALD BAILEY-ds1958.7.15,1959.5.24,6.16SIDE 11.SE SEE RIDER* 2.SUGAR HILL 3.I GOT A WOMAN 4.MESSIN' AROUND*SIDE 25.GRACIE* 6.COME ON BABY * 7.MOTORIN' ALONG

2019.12.18

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4051 JACKIE'S BAG /JACKIE McLEAN

これを余りよいと思って聴いたことがなかった。斜に構え過ぎている曲調には好感が持てなかったし意欲作と言えばそうなのかも知れないが、素直にイイと言えないものがあった。BLUE NOTEでのマクリーンは挑戦に継ぐ挑戦の日々であったのだろう。しかし「歌を忘れたカナリア」のようで残念な気がしていた。　それとソニー・クラークの「不調」にあれっ？と思った。２曲目などはしどろもどろで、ラリッてるみたいに聞こえるなどと思って聴いていた。　　とはいえやっぱりビシバシ決めてくる各人の覇気はある。　普通のブルースBLUES INNなどはプレスティッジ盤でも「あり」だと思われるが、他を聴きつつやはりこれはBLUE NOTEの音だと思った。FIDEL等は特にそうだ。ハードバップがモダンに響く。考えてみればこれは、一人を除きCOOL STRUTTIN'のメンバーである。　なあるほど・・・。B面はメンバーがすっかり入れ替わってはいてスタイルもモード的だ。つまりはスタイルの異なる記録をひとつのバックに詰めた・・・ということらしい。　4052は８０年代まで欠番となっていて、これがティナ・ブルックスのBACK TO THE TRACKSというわけである。別盤となったアルバムについては別項で触れるとするが、マクリーン盤のような捻ったところが薄く聴きやすいことだけは言える。　どちらが意欲的で「変わっている」かという判断基準で言うと話は別になるが。DONALD BYRD-tp JACKIE McLEAN-as SONNY CLARK-p PAUL CHAMBERS-b PHILLY JOE JONES-ds1959.1.18SIDE 11.QUADRANGLE 2.BLUES INN 3.FIDELBLUE MITCHELL-tp JACKIE McLEAN-as TINA BROOKS-ts KENNY DREW-p PAUL CHAMBERS-b ART TAYLOR-ds1960.9.1SIDE 21.APPOINTMENT IN GHANA 2.A BALLAD FOR DOLL 3.ISLE OF JAVA

2019.12.17

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4053 LIGHT FOOT / LOU DONALDSON

マイルス・デイヴィスのリラクシンとかジャッキー・マクリーンの「長酒（長崎）ブルース」(A LONG DRINK OF THE BLUES)等々、ミステイクしちゃった後、ああだこうだとその場にいたミュージシャンのジョークまじりの談笑をわざとトラックに残すという例をその盤の特徴のように言うのは、よっぽど他に話題がなかったからなのか、他と比べて変わり映えがしないせいなのか、評論家先生の字数稼ぎにしか思えないコメントを「ふーん、だから？」と意地悪く鼻で笑ってしまいたくなる。　そういう先生方が、ネットのジャズサイトを役立たずだとかああだこうだと論じているのは、はなはだ失笑を買うばかりだが「まあ、そうかも」と思わないでもない。　　それはともかく緊迫感を出したかったのか、逆にリラックスした雰囲気を伝えたかったのか・・・判然としないが、トータルに言えば肩の力を抜いたフットワークの軽さの中に実力が漲るドナルドソンの覇気が伝わってくる。向かう者敵なしの自信が自ずとリラックス・ムードを醸し出すのだろう。ブルースに接近することでパーカー派のカテゴリーから一歩抜け出したドナルドソンの音楽には、ジャズの王道をひたすら走るミュージシャンにはない「軽妙」がある、という指摘があるが、ジャズのルーツはブルースだとすれば軽妙さを湛えながらも根源に立ち返った、というのは聴かずに喋る評論家的な言い方であって聴いたうえでのニュアンスとしてはあれこれ探りついた先がよりソウルフルになることで自然と自分の血のルーツにたどり着いたという感じでは？（あまり変わりないか？）LOU DONALDSON-as HERMAN FOSTER-p PECK MORRISON-b JIMMY WORWORTH-ds RAY BARRETTO-cong1958.12.14SIDE 11.LIGHT-FOOT 2.HOG MAW 3.MARY ANNSIDE 21.GREEN EYES 2.WALKING BY THE RIVER 3.DAY DREAM 4.STELLA BY STARLIGHT

2019.12.16

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4059 UNDERCURRENT/KENNY DREW

5023 KENNY DREW TRIOから７年後に出されたドリューのBLUE NOTE２作目を聴くと、隔世の感を覚えるほど圧倒的な熱気の籠もったこのアルバムの演奏に彼の成長ぶりを感じる。　全曲ドリューのオリジナルで、ハードバップスタイルの中に彼のセンスが発散されている。随所に垢抜けたセンスを感じさせる新鮮な空気が流れている。ソニー・クラークの名盤を連発した頃の勢いさえ感じる。　彼のピアノが、前作のバド・パウエルの後追いから完璧に脱出し、独自の奏法を身につけていて流れるようなフレーズには後年のSTEEPLECHASEでの弾き方に通じるものをも感じる。　フロントを陣取るフレディ・ハバードとハンク・モブレイのエネルギッシュな演奏から発する「気」と様々に形容される「風」を感じ、「格」を重んじつつ「破格」に向かわんとする「いのちの溢れ出し」がある。　これが言わばハードバップから新主流やフリーなものに「かたち」を変えていくものへの過渡のモダンな姿であろうと思う。　因みに、F.ハバードはほぼ同時期のGOIN' UPを出し、翌年4073 HUB CUPで急成長をみせ、一方、H.モブレイは代表作のひとつであるROLL CALLを同年にだして熟成された風格をみせている時期だから、この三者ががっぷり三つ巴になって創ったアルバムだけに、これを選ぶことはナイス・チョイスと言えよう。 KENNY DREW-p FREDDIE HUBBARD-tp HANK MOBLEY-ts SAM JONES-b LOUIS HAYES-ds1060.12.11SIDE 1UNDERCURRENT 2.FUNK-COSITY 3.LION'S DENSIDE 24.THE POT's ON 5.GROOVIN' THE BLUES 6.BALLADE

2019.12.15

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4060 AT THE HALF NOTE CAFE VOL.1/ DONALD BYRD

ペッパー・アダムズとの双頭クインテットによるBN初録音で、フィリー・ジョ・ジョーンズをドラマーとしたスタジオ録音盤4075 THE CAT WALKとフィリーがハンフリーズと入れ替わった同メンバーによるハーフノートでのライブ。ライオン夫人ルースン・メイソンのMCから始まる。　ライブ効果とでもいうべき演奏のエンターテイメントな熱気が迫ってくる。特にペッパー・アダムズの出番が多いと感じるが、バリバリと吹くテンションの高さ、凄みが印象的。　CAT WALKではミュートを使用し抑えた効果を出しているが、本ライブでは全く使用せず５０年代のバードの姿を残している。朗々と吹くB面冒頭A PORTRAIT OF JENNIS などは、クリフォード・ブラウンを彷彿とさせたりもする。DONALD BYRD-tp PEPPER ADAMS-bs DUKE PERSON-p LAYMON JACKSON-b LEX HUMPHRIES-ds1960.11.11SIDE 11.MY GIRL SHIRL 2.SOULFUL KIDDYSIDE 21.A PORTRAIT OF JENNIS 2.CECIL 3.THE THEME

2019.12.14

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4062 HEADIN' SOUTH/HORACE PARLAN

BNにおけるパーランのリーダーアルバムのうちピアノ・トリオというのは、3枚。4028 MOVIN' AND GROOVINと代表作US THREEと本盤。ドラマー、アル・ヘアウッドはデビュー作MOVIN' AND GROOVIN'以来、ベースのジョージ・タッカーはデビュー作以外はアル・ヘアウッドと共に管入りのリーダーアルバムからサイドマンとして他のミュージシャンのものにも殆どパーランと共にあった。　BNにおけるパーラントリオは不動であって、独特のアーシーなフィーリングを誇示している。三者の絡みから醸し出されるアーシーさは徒者ではない。互いのリズムを微にいり細に穿って補い合い、増幅させるところから生まれる。　大雑把に言えば、パーランのピアノは語尾に韻を踏む短いセンテンスとブロックコードからなるリズミックでパーカッシブな持ち味を持ってい、それと骨太のタッカーのベース、絶妙なリズム感で空気を膨らますヘアウッドのブラッシュワーク等が絡むと蒸気機関車さながらの空気感が漂う。このことは代表作US THREEで充分に感じとれるが、本作は言わばUS THREE＋レイ・バレットのコンガという取り合わせで、リズミックさを増強したものと捉えられよう。HORACE PARLAN-p GEORGE TUCKER-b AL HAREWOOD-ds RAY BARRETTO-cong1960.12.61.HEADIN' SOUTH 2.THE SONG IS ENDED 4.LOW DOWN 5.CONGALEGRE 6.PRELUDE TO A KISS 7.JIM LOVES SUE 8.MY MOTHER'S EYES

2019.12.13

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4064 GRAND'S FIRST STAND / GRANT GREEN

このアルバムの生みの親？はルー・ドナルドソンのHERE 'TISでで、そこからグリーンとオルガンのウィレットの初リーダーアルバムが排出されることになった。　新人２人をメインにしたアルバムとなるわけだが、彼らは散々R&Bをやってきたというルー・ドナルドソンの言葉通り骨の髄まで染みこんだソウルフルな魂と技量を聴かせる。きびきびしたプレイで、既に熟達していながら、旬にしか出せない真摯な意欲を両者に感じる。読後感が良い本物志向の新人作家のものを読んだような満足を得る。　余談ながらウィレットのフットペダルがベイシストのベースランニングのように俊敏であることにこれを聴いて初めて気付いた。GRANT GREEN-g BABY FACE WILLETTE-org BEN DIXON-ds19611.28SIDE 11.MISS ANN'S TEMPO 2.LULLABY OF THE LEAVES 3.BLUES FOR WILLARENESIDE 24.BABY 'S MINOR LOPE 5.AIN'T NOBODY'S BUSINESS IF I DO 6.A WEE BIT O' GREEN

2019.12.12

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4066 HERE 'TIS /LOU DONALDSON

ウィレットとグリーンのBN初レコーディングとなるドナルドソン新境地の出発点となったアルバムで、このアルバムの雰囲気を形作っているのもこの二人だと言っても良いかも知れない。バッパーであるルーが、骨の髄までソウルフルな二人と出会って心機一転したわけだ。しかしながら、PRESTIGEで聴くようなソウル・ジャズとは一線画す泥臭ささが薄められた伸びやかな明るさを持っている。スローブルースのHERE 'TISにしてウィレットのオルガンは決して重くない。それはルーの持ち味が浸透しているからだろうが、フットワークの軽さがある。　ハードバップ期に鍛え上げたテクニックをオルガンの起用によって醸し出す雰囲気をスムージングしたルーの姿がある。------------------------LOU DONALDSON-asGRANT GREEN-g BABY FACE WILLETTE-org DAVE BAILEY-ds1961.1.23SIDE 11.A FOGGY DAY 2.HERE 'TIS 3.COOL BLUESSIDE 21.WATUSI JUMP 2.WALK WIDME

2019.12.10

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4067 BLUESNIK /JACKIE McLEAN

ジャズの背骨であるブルースをテーマにしたアルバムだが、聴いてわかるように背骨としてのブルースは表だって感じることはなく、マクリーンの感性の迸る背後に「ブルースとは？」というテーゼが投げかけられているという作品に思われる。　如何にもアンダーグラウンドな雰囲気を醸すブルースで御座いという感じのものは何曲か挟まれていることは事実だが、マクリーンの切れの良い噛みつくようなアルトで前のめりの姿勢が既成のブルース感を解放して泥臭さよりソフィストケイトした洒落た味を出している。このテイストはマクリーンも参加している1588 Sonny Clark - Cool Struttin' の味わいを感じさせる。特にBlues Functionがリフとその展開において暗示的だ。洗練されたブルース感覚だ。　この時期のマクリーンのレコードに感じられる緊張感は、彼自身のとりわけ管楽器仲間との対決すような姿勢から来ているとリチャード・クックは指摘する。マクリーン自身は『私の演奏が熱っぽいのは、何かをやってやろうと思っていないからだ』と。FREDDIE HUBBARD-tp JACKIE McLEAN-as KENNY DREW-p DOUG WATKINS-b PETE LA ROCA-ds1961.1.8SIDE 11.BLUESNIK 2.GOIN 'WAY BLUES 3.DREW'S BLUESSIDE 21.COOL GREEN 2.BLUES FUNCTION 3.TORCHIN'

2019.12.08

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4078 MIDNIGHT SPECIAL / JIMMY SMITH

　オルガン・トリオ・フィーチャリング・スタンレイ・タレンタイン・・・だ。　タレンタインのワンホーン・テナー盤と聴いても良いのかも知れない。CRAZY ! BABAYで聴いたようなスミス独壇場のエネルギッシュさが前面に出てはこないが、あくまで彼のサウンドの別側面を聴くことには違いがない。　フォーマットに見合った最適なサウンドを聴かせるスミスの好盤だ。　圧巻はやはりタイトル曲MIDNIGHT SPECIALだろう。　ブルージーに揺らめくスミスのトリオに乗ってタレンタインがアーシーに吹きすさぶ。　黒い！　4117 Back at the Chicken ShackとともにBN最大のベストセラーになった一枚。　スミスはこの後 4100 Plays Fats Waller,4117 Back at the Chicken Shack, 4141 ROCKIN' THE BOAT, 4164 Prayer Meetin', 4235 Bucket! と続くのだが、徐々にBNとの距離を置くようななる。それはスミスがヴァーヴで録音を開始した時期と重なるからだ。そういう意味ではBNとスミスとの蜜月の全盛期を記したアルバムとも言えよう。JIMMY SMITH-org STANLEY TURRENTINE-ts KENNY BURRELL-g DONALD BAILY-ds1960.4.25SIDE 11.MIDNIGHT SPECIAL 2.A SUBTLE ONE SIDE 23.JUMPIN' THE BLUES 4.WHY WAS I BORN 5.ONE O'CLOCK JUMP

2019.12.07

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4072 FELLIN' GOOD /THE THREE SOUNDS

朝のくつろぎ、昼のくつろぎ、そして夜のくつろぎ・・・と色んなシチュエーションでのリラックスした時間に耳傾け疲れた体をほぐし、リセットするには格好のアルバムかも知れない。FEELIN' GOODとなろう。　適度なスウィング感、グルーブ、ブルージーさを提供するこのアルバムは4044 MOODSと同日のもので、BNの経営が軌道にのり安定した時期のものらしい。　４０００番台の１００枚のカタログの充実をみれば自ずとその時期の景気が偲ばれる。どれも手にとって聴いてみたくなるものが目白押し。　ジミー・スミスと共にBNのドル箱であったこのユニット。「彼らのレコードはどれも同じである。一枚が気に入ったら、どのレコードも好きになるだろう。そして、このトリオの場合に限っては、『量が増えれば消費は頭打ちみなる』という経済原則は通用しないようだった。スリー・サウンズは、BNの在籍期間を通じてコンスタントに売れ続けた。ライオンがさまざまなアルバムから２０枚以上のシングルを出しても、売れ行きは落ちなかった。スリー・サウンズの音楽は、洒落たBGMとして最適だった」とリチャード・クックはいう。　そんな雰囲気のスリー・サウンズをコーヒーブレイクにいかがか。ラストのTWO BASS HITで気合いを入れ直し、さあて・・・。GENE HARRIS -p ANDREW SIMPKINS-b BILL DOWDY-ds1960.6.28SIDE 11.WHEN I FALL IN LOVE 2.PARKER'S PAD 3.BLUES AFTER DARK 4. I GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOODSIDE 25. STRAIGHT NO CHASER 6. ILET A SOUNG GO OUT OF MY HEART 7. IT COULD HAPPEN TO YOU 8. TWO BASS HIT

2019.12.06

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4069 UP AT MINTON'S VOL.1/ STANLEY TURRENTINE

スタンレイ・タレンタィンと盟友ホレス・パーランのトリオがミントンズ・プレイハウスでライブレコーディングを行ったもので、グラント・グリーンがこの時ギタリストとして加わった。　リハーサルなしの為、オリジナル曲はvo.1vol2を通して２曲のみ。他はスタンダード曲が選ばれた。　「最高に楽しいセッションだった」とタレンタインが語る通り、スタジオ録音とは違った雰囲気のなかで彼らは融通無碍に演奏したようだが、全てのセットから厳選されたものだけをアルバム化している。　ライブハウス特有の雑踏感、のってくるとダンシングするように揺れるフレーズが飛び出すタレンタインのテナー、アンプリファイアーが強めに感じられるところもあるがグリーンならではのソウルフルなフレージング、このアルバム中唯一のオリジナルであるSTANLEY'S TIMEでのＲ＆Ｂ調に吹き叫ぶタレンタインのテナー等々、それらが渾然となって生々しく蠢く空気が伝わってくる。　演奏はBRODWAYで各人連打連打の応酬でかなり白熱して乱闘さながらだが、これらも含めて「楽しかった」に違いない。　演奏の荒さも勢い余ってのご愛嬌というライブである。STANLEY TURRNTINE-ts GRANT GREEN-g HORACE PARLAN-p GEROGE TUCKER-b AL HAREWOOD-ds1961.2.23SIDE11.BUT NOT FOR ME 2.STANLEY'S TIMESIDE 23 BRODWAY 4.YESTERDAYS

2019.12.05

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4079 GRAVY TRAIN/ LOU DONALDSON

ルー・ドナルドソンのアルバムジャケットにはいつも目を楽しませて貰うが、こんどのはコーラのスタンドの前でホット・ドッグを頬張るショット。中味がどうあれ？持っているだけで嬉しい。　渋いブルースであれ、伸びやかな明るいものであれ、哀感あるバラードであれ愉しませるツボを心得たドナルドソンのアルトと躍動するリズムセクションであって、難しいことなどサラサラ考えていない朗らかさがある。「人生どうにかなるもんさ」みたいな口調でホット・ドッグを頬張るルー・オジサンの語り口に心和ます・・・そんな盤のようだ。　リー・モーガンのCANDYがB面の頭で鳴るが、ドナルドソンらしい洒脱で伸びやかなアルを聴かせてくれている。LOU DONALDSON-as HERMAN FOSTER-p BEN TUCKER-b DAVE BAILEY-ds ALEC DORSEY-cong1961.4.27SIDE 11.GRAVY TRAIN 2.SOUTH OF THE BORDER 3.POLKA DOTS AND MOONBEAMS 4.AVALONSIDE 25.CANDY 6.TWIST TIME 7.GLORY OF LOVE

2019.12.04

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4084 STOP AND LISTEN /BABY FACE WILLETTE

　R&B調を基調にしたウィレットの２作目。FACE TO FAEのメンバーからテナーを外してシンプルなオルガン・トリオになった。　ジミー・スミスほどゴージャスじゃない反面、少年のように素朴な童顔のオルガン奏者の姿が見えてきそうな弾きぶりのウィレット。グリーンのギターも一際冴えモータウン風に流れる黒人好みのアルバムを狙ったようだ。　ウィレットのBNにおける初レコーディングはL.ドナルドソンの4066 HERE 'TISNのセッションだった。その後グラント・グリーンの初リーダー作4064 GRAND'S FIRST STAND を吹き込む。またその２日後フレッド・ジャクソンを加えたウィレットの初リーダー作4068 FACE TO FACEが録音される。アルフレッド・ライオンはウィレットのことを、「わたしはジミー（スミス）がいれば十分だったが、彼は年々スターになっていく。そのうちBNから離れる予感もあった。ウィレットのプレイはジミーに比べれば、断然ソウル・ミュージック寄りで、そこに好感が持てた。同じタイプだったらレコードが作らない。BNに二人のジミー・スミスは必要ないからね」　当時鳴かず飛ばずの結果に終わり、彼はBLUE NOTEを去る。　しかし、愛好家のコレクターズ・アイテムとなりうる捨てがたい魅了を放っており、ソウルフルで洒脱な香りを密かに嗅いで愉しむ”ブツ”だ。BABY FACE WILLETTE-org GRANT GREEN-g BEN DIXON-ds1961.5.22SIDE 11.WILLOW WEEP FOR ME 2.CHANCES ARE FEW 3.JUMPIN' JUPITERSIDE 24.STOP AND LISTEN 5.AT LAST 6.SOUL WALK 7.WORK SONG

2019.12.03

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4092 THE GOLDEN EIGHT / KENNY CLARKE-FRANCY BOLAND & CO.

ベルギー出身のピアニスト、フランシス・ボーランドとケニー・クラークの双頭コンボの初録音。ケルンでの外部制作はBNとしては珍しい。バンドの歯切れの良さと各ソロの溌剌さが好印象。ゴイコヴィッチぐらいしか知らないメンバーだが、切れ込みの鋭いアルト（デレク・ハンブル？）等のソロにクラークが目一杯ドラムのシャワーをぶっかける。因みにA面２曲目でのデレクのソロプレイはベトーッと粘り着くようで、かなり卑猥？。６１年制作だからゴイコヴィッチなどもかなり若いと思われるが、思い切りの良いプレイが随所で聴かれる。　こういう中編成のコンボというかビッグバンドに近いものは、どちらかと言えば敬遠してしまうのだが、一度聴けば「うん、まあいけるじゃないかな」という感じ。いや、かなりイイ。　ボーランドとクラークのバンドはBNではないが、このほかかなり音源があるようだ。DUSKO GOJKOVIC-tp RAYMOND DROZ-ah CHRIS KELLENS-bh DEREK HUMBLE-as KARL DREVO-ts FRANCY BOLAND-p JIMMY WOODE-b KENNY CARK-ds1961.5.18.19SIDE 11.LA CAMPIMANIA 2.GLORIA 3.HIGHT NOTES 4.SOFTY AS IN A MORNING SUNRISE 5.THE GOLDEN EIGHTSIDE 21.STRANGE MEETING 2YOU'D BE SO NICE 3.PORIAN 0437 4.POOR BUTTRFY 5BASSE CUITE

2019.11.30

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4093 HEAVY SOUL / IKE QUEBEC

ケベックのテナーは「情」に訴えてくる。スウィンギーにのっているときは、火炎の「情」、しっとり歌うときは落涙寸前の「情」となる。　そんなハーレム魂をバックで支えるフレディ・ローチのオルガンは、チトリン・サーキットにたむろする黒人街のソウルを更に煽る。　アルフレッド・ライオンが求めて止まない「黒さ」が、全開したアルバムと言えよう。　ここで言うHEAVYとは脈打つ血の濃さの尺度だなと思える。　ミルト・ヒントンとのデュオで吹くNATURE BOYでは感極まって心底泣ける。IKE QUEBEC-ts FREDDIE ROACH -org MILT HINTON-b AL HAREWOOD-ds1961.11.26SIDE 11.ACQUINTED 2.JUST ONE MORE CHANCE 3.QUE'S DILEMMA 4.BROTHER CAN YOU SPARE A DIMESIDE 25.THE MAN I LOVE 6.HEAVY SOUL 7.I WANT A LITTLE GIRL 8.NATURE BOY------------------------　

2019.11.29

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4094 HOOTI' 'N TOOTIN'/FRED JACKSON

始終一貫してソウルなサウンドである。モータウン出身のメンバーがBNにデビューしたアルバムだ。フレッド・ジャクソンが４０００番台で登場するのは、BABY FACE WILLETTEのFACE TO FACEと本盤以外にない。　ソウルというジャンルがあり、ジャズというジャンルがあってそれが融合した・・・なんてのは評論家のご託であって、ずっと4000番台を聴いていれば、ジャンルに関わりなく何の違和感もなく「有り」のアルバムである。　このアルバムにはEARL VANDYKEというオルガにストが加わっている。テナーとオルガン、いやアルトでも構わない。オルガンがJIMMY SMITHによって確たる存在感を示したあとには、次々とオルガニストを排出しそれを取り上げたBNは他のレーベルとの感覚的差異を物語っている。FRED JACKSON-ts EARL VANDYKE-org WILLIE JONES-g WILBERT HOGEN-ds1962.2.2251.DIPPIN' IN THE BAG 2.SOUTHERN EXPPOUSURE 3.PREACH BROTHER 4.HOOTIN' 'N TOOTIN' 5.EASIN' ON DOWN 6.THAT'S WHERE IY'S AT 7. WAY DOWN HOME　

2019.11.28

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4095 ROLLIN' WITH LEO / LEO PARKER

4095番は８０年代にはいるまで欠番であった。ビバップ時代を経験して来たレオ・パーカーはこの録音後間もなく亡くなってしまったこともひとつの理由であった。　見た目も迫力のあるこのジャケットから如何なる音が発するか・・・。　これがコテコテのスウィング・ジャズだから可笑しい。これがBNでなければ別に不思議ではないのに、４０００番台にしてこれだから笑いが止まらない。　D.エリントンや、ディックス・バインダーベックそれにキャブ・キャロウェイ等がクレジットされていても頷いてしまう盤である。　4000番台というメインストリートに色んな店が軒を並べ様々なスタイル、個性を詰め込んだ、少々一貫性はないがそれでいいじゃんという感じだ。　SWING,SWING・・・それでいい。　レオのバリトンはバリトンらしいバリトンで聴きごたえ充分。今で言ったらジェームズ・カーターというところか。DAVE BURNS-tp BILL SWINDELL-ts LEO PARKER-bs JOHNNY ACEA-p STAN CONOVER,AL LUCAS-b PURNELL RICE,WILBERT HOGAN-ds1961.10.20SIDE 11.THE LION'S ROAR 2.BAD GIRL 3.ROLLIN' WITH LEO 4.MUSIC HALL BEATSIDE 25.JUMPIN' LEO 6.TALKIN' THE BLUES 7.STUFFY 8.MAD LAD RETURNS　

2019.11.27

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4097 THE AFRICAN BEAT /ART BLAKEY AND THE AFRO-DRUM ENSEMBLE

個人的にはユセフ・ラティーフに注目してきたことと、BN蒐集のなかでアート・ブレイキーのアフロ・ラテンビートの諸作に少なからず敬意を感じて来た接点にこのアルバムがあるというところである。つまり単にリズム合戦をしているわけではない。　マルチ・リード奏者のラティーフは本作のなかでは重要なメロディ楽器奏者として、組曲的織りなされている構成のこのアルバムのキー・パーソンであることは間違いない。　アフリカの草原に立って聞こえてくる音、吹いてくる風、照りつける太陽、乾いた土の匂い、蠢く動物たち、生活する人々、信仰する神、・・・それらが目に浮かぶようなリード、パーカッション、ボイスの饗宴だ。　ブレイキーのピュアなクレオールとしてのアフリカへの敬虔な思いを感じさせる。ART BLAKEY-dstymp,gong,etc SOLOMON G.ILORI-vo,penny whistle,etc CHIEF BEY-cong,etc MONTECO JOE-bambara dretc CRVIN MASSEAUX-chekere,etc JAMES OLA.FOLAMI,ROBERT CROWDER,CURTIS FULLER,-tympani ,etc YUSEF LATEEF-oboe,fl,etc AHMED ABDUL-MALIK-b1962.1.24SIDE 11.IFE L'AYO 2.OBIRIN AFRICAN 3.LOVE,THE MYSTERY OFSIDE 21.ERO TI NR'OJEJE 2.AYIKO AYIKO 3.TOBI ILU

2019.11.26

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4096 THAT'S WHERE IT'S AT / STANLEY TURRENTINE

BNには突如意外な人物がサイドマンで入り込んでくることがある。意外と言ってもビル・エヴァンスやレッド・ガーランドが参加したりはしないのは、意外と言えば意外でそこがアルフレッド・ライオンの成せる業で必然性を含んでいるのかもしれない。　西海岸パシフィック・ジャズ専属のレス・マッキャンのことである。　オルガンのようなピアノを弾く男・・・という微かな記憶だけがあったが、もう一曲目を聴いただけで納得させられる癖のある奏法。互いが惹かれあって実現したアルバムだけに熱の入れ方が自ずと違う。　ワルツの拍子で始まるSMILE,STACY。この調子がご機嫌にスウィングし出すと燦々と輝く西海岸の空と相成る。　かと思えば、まさにSOFTに肌を撫でさするかのように奏でるタレンタインのねっとりとしたスロー・バラードがある。　相和し、相まみえ同じフィーリングを奏で合うタレンタインとマッキャンだ。こんなに相性が良いのにずっと一緒にやってればよいのにと思うほどだが、それが実現するのは２２年後となる。　そんなドラマのような出逢い方をした記録だと思うと、折に触れ聴いてみたくなる。STANLEY TURRNTINE-ts LES McCANN-p HERBIE LEWIS-b OTIS FINCH-ds1962.1.2SIDE11.SMILE,STACEY 2.SOFT PEADAL BLUES 3.PIASIDE 24 WE'LL SEE YAW'LL AFETER WHILE,YA HEAH 5.DORENE DON'T CRY ,I 6.LIGHT BLUE　

2019.11.25

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4073 HUB CAP /FREDDIE HUBBARD

このアルバムと次年にリニューアルしたジャズ・メッセンジャーズのMOSAICを聴き比べると、フレディの複雑な思いが伺える。　メッセンジャーズをL.　モーガンとB.ティモンズが辞めたがっていたという交代のチャンスをモノにしたかった。その為ジャズメッセンジャーズ・ライクな曲を書き演奏することで、存在をアピールしようとした。それが功を奏したのではなかったが、次世代メッセンジャーズの席に、フレディとC.ウォルトンが迎え入れられた。　メッセンジャーズが新しくなった時、それまでの２管から３巻にホーン陣の厚みを増したが、A.ライオンは、その３管編成の試作盤を作りたかったようだ。どうやらこっちの方の理由でフレディに注目したようである。人選はフレディに任された。これで成功すれば、フレディをメッセンジャーズに抜擢するという思いがあったのだろう。　しかし、次世代メッセンジャーズの音楽監督は、これまたあたらしくメッセンジャーズ入りしたウェイン・ショーターだった。　となるとライオンにとってフレディとはどんな位置づけをされていたのか？・・・そんなことを思いつつ、メッセンジャーズ・ライクなHUB CAPを始めとするアルバムに聴き入る。　トランペットにテナー＋トロンボーンというJ.Mの看板とも言うべきホーン編成の厚みを活かしたアレンジが随所で発揮されている。曲的にはA面２曲目のランディ・ウエストンの曲CRY ME NOTと、B面２曲目のC.ウォルトンの曲PLEXUSで、このアルバムの聴き所に思える。FREDDIE HUBBARD tp, JULIAN PRIESTER tb, JIMMY HEATH ts, CEDAR WALTON p, PHILLY JOE JONES ds1961.4.9SIDE 1HUB CAP 2.CRY ME NOT 3.LUANASIDE 24.OSIE MAE 5.PLEXUS 6.EARMON JR.　

2019.11.24

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4099 SUNDAY MORNIN'/GRANT GREEN

ジャケットが悪い。何もアルバムとの関連性を感じさせない。そうだな、僕だったらもっとライトダウンしたイメージで・・・と思う。これじゃあ、まるで「サラリーマンの出勤」の出で立ちの悲哀しか浮かばん。　ジャケ買い出来ない。絶対避ける。　グリーンが珍しくピアノ・トリオをバックに演ってる。で、「日曜の朝」の気分で・・・という注文。　チグハク極まった表と内実。　A.ライオンはこれ以後ピアニストとの共演を指示する。それまでのグリーン色を塗り替えようとした。、で、「何色になるの？」・・・というのは、聴いてのお愉しみ。　ジャケ買いじゃなくてBLUE NOTE故に持っているが、ピアノ・トリオプラス所以に垢抜けている。ドローっとしたグリーンが小洒落たた雰囲気に変わって、ライトダウンした照明の下でグラスの氷が琥珀色のウイスキーに浮かぶ・・・洒落たシチュエーションを思い浮かべてその日一日を振り返るなんてのが合っているように思うのだが。　最後のSO WHAT。グリーンがどう演るか・・・聴きたい？うーん、困った。このジャケがども引っ掛かる・・・でしょ？GRANT GREEN-g KENNY DREW-p BEN TUCKER-b BEN DIXON-DS1961.6.4SIDE 11.FREEDOM MARHC 2.SUNDAY MORNIN' 3.EXDUSSIDE 24.GOD BLESS THE CHILD 5.COME SUNRISE 6.SO WHAT　

2019.11.22

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4017 BLOWIN' THE BLUES AWAY/HORACE SILVER

1500、4000番台を通して彼ほどBNに貢献したミュージシャンもそういないのではないか。いわばBNのドル箱？アルバムの殆どは彼のオリジナル曲で充たされている点では作曲面でも優れているし、彼自身の奏法もさることながら彼の統率のもとでかっちり締まったアレンジの密度の濃いアルバムの数々は文句なくBNの宝だ。SISTER SADIEに代表されるブルース系のファンキーな演奏は躍動感があり、またPEACEやMELANCHOLY MOODのようなしっとりした演奏を組み入れアルバム構成を巧みに組み立てているのは、プロデューサーであるアルフレッド・ライオンの構成力の高さを示すものでもあるが素材としての演奏力の充実の賜であることは否めない。彼の奏法について彼自身は、「わたしは、一般にファンキーなピアニストと思われているが、それはすべてアルフレッドのせいなんだ。本当はバド・パウエルのような流麗なタッチが好きだった。メカニカルなフレージングが得意だからね。でも、アルフレッドはもっとブルージーに弾けって、それは口を酸っぱくして言っていた。曲もブルースやブルージーなものを書くようにってね。レコーディングのときは必ず一曲ブルースを書いていかなくちゃならなかった」（小川隆夫『ブルーノートの真実』より）と。確かに最後のMELANCHOLY MOODにはパウエル寄りの指向を感じさせるものがある。BLUE MITCHELL-tp JUNIOR COOK-ts HORACE SILVER-p EUGENE TAYLOR-b LOUIS HAYES-ds1959.8.29 ,30 ,9.131.BLOWIN' THE BLUES AWAY 2.THE ST.VITUS DANCE 3.BREAK CITY 4.PEACE 5.SISTER SADIE 6.THE BAGDAD BLUES 7.MELANCHOLY MOOD

2019.11.03

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4060 AT THE HALF NOTE CAFE VOL.1/ DONALD BYRD

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4069 UP AT MINTON'S VOL.1/ STANLEY TURRENTINE

4079 GRAVY TRAIN/ LOU DONALDSON

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4092 THE GOLDEN EIGHT / KENNY CLARKE-FRANCY BOLAND & CO.

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4095 ROLLIN' WITH LEO / LEO PARKER

4097 THE AFRICAN BEAT /ART BLAKEY AND THE AFRO-DRUM ENSEMBLE

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