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BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

小話  屋台その2  VOL.169


小話  屋台その2  VOL.169


アリスはみんなに朝食をふるまいました。

そして朝食が終わった後、ミルキーはいつものようにモグモグとゲームをしようと思っていました。

ミルキー「ランランラン~♪」

そんなミルキーにアリスは声をかけました。

アリス「ミルキーさん、小人さんが”インドアネットを欲しい”と言ってきています。
それでこのパソコン一式を用意しました。ミニハウスまで運ぶのを手伝ってください。」

するとたちまちミルキーのテンションは下がりました。

ミルキー「え~~~~~~~~~~~~~~~!!」

すると、床にごろ寝してマンガを読んでいたニセアリスが反応しました。
首だけアリスたちの方に向けました。

ニセアリス「……………………。」

ミルキー「どうしてインドアネットを接続するの?」

アリス「それが小人さんの希望です。」

するとニセアリスが「アイツにはいらないよ!」と言いました。
アリスがニセアリスの方を見てみますと、すでにニセアリスはマンガの方に向き直っていました。

アリス「……………………。」

ミルキーはなんだか”小人”のところに行くのがいやなようです。

アリス「ミルキーさん、さあ、持って行くのを手伝ってくださいな!!」

ミルキー「……………………。」

しかたなくミルキーは運ぶのだけは手伝いました。
こうしてアリスはパソコンをミニハウスの横に運び終わりました。
そして……、ミニハウスの中にいる”小人”に話しかけました。

アリス「小人さん、インドアネットが使えるパソコンを持って来ましたよ。」

ですが……、ミニハウスからは返事がありません。

アリス「小人さん!パソコンを置いてますよ!」

しかし、やはり……、ミニハウスからは何の返事もありませんでした。
心配になったアリスはミニハウスの扉をたたきました。


コンコンコン!






小話  屋台その2  VOL.170


しかし……、たたいても反応はありません。
ミニハウスからは物音はしませんでした。

アリス「……………………。
小人さん、どうしました?大丈夫ですか?」



コンコンコン!



しかし、やはり返事がありません。

アリス「どうしたのかしら?」

アリスは心配になり、さらに扉をたたきました。




コンコンコン!



コンコンコン!コンコンコン!コンコンコン!コンコンコン!コンコンコン!コンコンコン!



すると……、ミニハウスの中から、





小人「うるせえぞ!!」





と、乱暴な言い方で”小人”から返事がありました。

アリス「まあーーーーーーーー!」

アリスはその言い方に大変驚きました。
「せっかくパソコンを用意したのに、なんていう言い方でしょう?」とアリスは思いました。
ミルキーがいる手前、アリスは”小人”にきちんとお礼を言ってもらおうと思いました。

アリス「あのう、小人さん、せっかくパソコンを用意したのですから、外に出てきてお礼を言ってください。」

と言いました。するとまた、ミニハウスの中から




小人「いちいちうるせえぞ!」




という声がしました。



アリス「まーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



こんなことはミルキーの教育上よくありません。アリスはこんなやりとりをミルキーに見せたくありませんでした。
それでアリスはミルキーの方を見てみました。
すると……、
なんとミルキーはその場からこっそり立ち去ろうとしていました。



ソロリ!ソロリ!



アリス「ミルキーさん!」

ミルキー「ギクッ!」

アリス「ミルキーさん!どこへ行くのですか?」

ミルキーの表情は明らかに「気まずい」という感じでした。そして、

ミルキー「お家!」

と言いました。アリスはなぜだがよくわかりませんがため息が出ました。




アリスはミルキーと共にお家の中に入りました。
その後、しばらくしてからアリスが玄関を出て、ミニハウスの方を見てみますと……、モニターとキーボード・マウスだけがミニハウスの中に引き込まれていました。
そしてパソコンからミニハウスの中にケーブルが引かれていました。

アリス「……………………。」

これで”小人”の希望通り、インドアネットは接続できたようです。
でもその後、やはり”小人”の姿を見ることはありませんでした。
”小人”はずっとミニハウスの中にいました。




ある日のことです。
ウサギさんがまた夜遅くに仕事から帰って来ました。
いつものように食卓に着くウサギさん。
アリスはウサギさんのために食事を用意します。

今日のウサギさんは困り顔をしていました。
アリスは食事を用意してから、自分もテーブル席に座りました。
するとウサギさんが、

ウサギ「今月のインドアネットの料金がかなり増えています。」

と言いました。

アリス「は?」

ウサギ「インドアネットの料金がかさんでいます。」

ウサギさんはアリスに領収書を見せました。
それは今月のインドアネットの支払いの領収書です。
そこには……、
「請求額は15000ゴールド」と書かれていました。



アリス「15000ゴールド???」



アリスは驚きました。
確か、インドアネットの料金はアリスたちのお家では月々4000ゴールドぐらいのハズです。それがその月の請求がそんなに高くなっていました。

アリス「いったいどうしてこんなに高くなったんですか?
まさか、ミルキーさんがインドアネットで高いゲームを購入したのでしょうか?」

ウサギ「さあ~~?ミルキーさんに一度聞いてみてください。」

とウサギさんは言いました。






小話  屋台その2  VOL.171


それで明日、アリスはミルキーに聞いてみることにしました。







翌日の朝、アリスはミルキーに聞きました。

アリス「ミルキーさん!最近インドアネットで何か買い物をしましたか?」

ミルキー「え?ミルキータンなにも買ってないよ。」

アリス「……………………。」

ミルキーはどうも嘘をついている感じではありませんでした。





アリスはいつも通り、みんなの朝食を用意しました。そしてみんなに食べさせました。
朝食が終わると、ニセアリスはゴロリと床に寝転びました。そしてまたマンガを読み始めました。

ニセアリス「……………………。」

アリスはニセアリスにも聞いてみることにしました。

アリス「あのう、ニセアリスさん、最近インドアネットで何か買い物をしましたか?」

ニセアリス「……………………。さあ?」

アリス「”さあ”? 
何か買われたんですか?ニセアリスさん!」

ニセアリス「……………………。買った!」

アリス「何を買われたんですか?」

ニセアリス「エアガン!」

アリス「それはおいくらの物ですか?」

ニセアリス「特価で1000ゴールドポッキリ!」

アリス「それ以外では何か買われましたか?」

ニセアリス「いんや!」

ニセアリスは嘘をつくとその口調の変化でアリスにはすぐわかりますが……、
今回はどうも嘘をついている感じではありませんでした。
1000ゴールドだけでは計算が合いません。まだ誰かインドアネットでお金を使った人がいるのです。

アリス「………………ふう。」

そういえば……、7日前から”小人”にもインドアネットをつないでいました。アリスはそのこと思い出しました。
もちろんそのインドアネットの料金は、このお家の持ち主であるウサギさんが支払っていました。
それでアリスは”小人”にも聞いてみることにしました。

アリスはお家を出て、砂場の隣に建つ”小人”のミニハウスに行きました。
そしてミニハウスに向かって話しかけました。

アリス「小人さん、ちょっとお聞きしたいことがあるのですが、今月インドアネットで何か買われましたか?」



シーーーーーーーーーーーーーーン



ミニハウスからは物音はありません。

アリスはミニハウスの扉をたたいてみました。


コンコンコン!


アリス「小人さん、ちょっと出て来てください。お話があります。」




シーーーーーーーーーーーーーーン




ミニハウスからは返事がありませんでした。

アリス「小人さん!お返事をお願いします!」


するとまた……、





小人「うるせえぞ!!」





と、ミニハウスの中から声がしました。






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