2940523 ランダム
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BLUE ROSE

ウェルカム!ヘヴン


“カンフー・ファイティング”の歌に乗ってダンスをするペネロペ・クルスが
予告編を観てから、妙に(?)目に妬きき、音楽が頭から離れない「ウェルカム!ヘブン」です。
(原題:SIN NOTICIAS DE DIOS)
監督・脚本はアグスティン・ディアス・ヤネス、スペイン・フランス・イタリア合作作品となっています。
そして、映画の中では、スペイン語、フランス語、英語が“使い分け”されています。

≪ストーリー≫
***Story from HELL***
地獄は堕ちてくる魂が多すぎて、ここのところ過密状態が続いている。
とは言え、それは天国との戦いの勝利を意味している。
それをいいことに浮かれている“地獄の作戦本部長”に対して、
側近達が何やら地獄の美的伝統を守るべく企みも見え隠れする。
そんな状況下にある地獄に、天国側の動きが伝わってくる。
天国側はターゲットのボクサーであるマニの魂を天国へ導こうとしていた。
それを阻止しようと地獄から地上に送られる工作員が選ばれた。
短気で喧嘩っ早く、口の悪い、地獄レベル22で働かされているカルメン。
必ずマニを地獄へ導けという指令を受け、カルメンは地上へ・・・。
***Story from HEAVEN***
天国はこの10年の間で危機的な状況となりつつあった。
美しい魂に満ちあふれていたのは、はるか昔のこと・・・。
天国に入るための選別試験にパスできない魂ばかりで、
このままでは、あと1年も持たないかも知れない。
“天国の作戦本部長”を中心に首脳陣営は会議で頭を悩ませているところへ
久しくなかった救いとなりうる知らせが地上から届いた。
それは、1人の母親からボクサーの息子マニの魂を救ってほしいという願い・・・。
この機会を何としてでも逃がすまいと、天国の人気歌手ロラが地上へ送り込まれる。
***Story from Both***
そして、それぞれ“天と地”から地上へ送り込まれた使者は、
ボクサーの妻と従姉妹として奇妙な同居生活を始めるのであったが・・・。

ペネロペ・クルス演じる地獄からの使者カルメンは、がさつで言葉も態度もワル。
あの白いドレスで舞い、優しく微笑むLuxのCMのペネロペとはまるで別人!?(笑)
これまでにも天国や地獄(特に天国)を題材にした作品はいろいろありましたが
この作品は、今までにないに描かれ方が面白く、“飛んで”いました。(笑)
地獄は監獄のようになっていて、レベル分けがされています。
“地獄の作戦本部長”は高級車に乗って、大統領のようにボディガードが車の両側で走っています。
天国でのシーンになると白黒になって、1950年代風に描かれていて、
ロラがクラブで唄うシーンは往年のミュージカルのワンシーンのようでした。
その天国の使者ロラに扮したのはビクトリア・アブリル。
(ビクトリア・アブリル自身が唄っているかどうかはわかりません。)
“地獄の作戦本部長”に「アモーレス・ペロス」「天国の口、終りの楽園。」のガエル・ガルシア・ベルナル。
“天国の作戦本部長”には「8人の女」のファニー・アルダンと、個性的な共演者が良かったです!
そして、“オイオイ!”と思わずツッコミしたくなる展開と最後に明かされる“事実”、
さらにエンディングにはシャレた“その後”が出てきて、これも笑えました!

善人が送られない天国が破産寸前という展開は、笑えるようで実はとてもシリアスなことかも知れません。
誰の中にも善と悪が存在すると思いますが、地上にいる時の様々な行いが審議によって
天国か地獄かへ送られる判断材料とされるわけです。
少しでも善き行いを心掛けて“天国の作戦本部長”にお目にかかれるよう、
今からでも遅くないと、密かに思う私でした。 (=^^=) ♪
地獄のレベル22では、暴力的な人ばかりでかなり怖そうだったもの・・・。(笑)

(2003.2.24 ★★★☆☆)


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