2005/11/09(水)20:28
「スカートの翼ひろげて」を観て
スタジオジブリ作品風のタイトルに何となく惹かれて観てみました。
アンジェラ・ヒューズの小説“The LandGirls”を基に、
戦時下のイギリスの田舎を舞台に、前向きに生きようとする女性たちの
友情と恋物語をナチュラルに描いたストーリーになっています。
原題は、“THE LAND GIRLS”、1988年の作品です。
≪ストーリー≫
194年、戦時下のイギリス。
兵士として戦場に駆り出された働き手の男性たちの代わりに、
農地では、若い女性たちのボランティア労働が奨励されていた。
農業促進婦人会“ランドガールズ”に参加したステラ、アグ、ブルーの3人は、
農場を営む老ローレンス夫婦が住む田舎の農場に派遣され、
兵士に志願している1人息子のジョーがいた。
出兵した婚約者と離れ離れになってしまった名家の娘ステラ、
ケンブリッジ大学卒の才女ではあったが、恋愛経験のないアグ、
労働者階級出身で、言葉遣いも男勝りで行動派のプルーと
それぞれ個性の違う3人だったが、仕事も徐々にこなしていった。
そんなある日、アグはパーティーでカナダ人将校と恋に落ち、
帰還するまで待つことを誓い、プルーは知り合った兵士とすぐに結婚するが、
出兵した直後に戦死の知らせを受け、悲しみに打ちひしがれる。
お互いに婚約者のいるジョーとステラは、事ある毎に言い合いをしてきたが、
いつしか惹かれ合っていることに気づき始めるのだったが・・・。
監督は、イギリス出身の俳優経験もあるデイヴィッド・リーランド。
脚本家としていくつかの作品を手掛け、最近の作品としては、
TV映画の「バンド・オブ・ブラザース」の第6話を監督しています。
「あなたがいたら/少女リンダ」(1987年)のカンヌ国際映画祭で
国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞し、
イギリスアカデミー賞では同作品でオリジナル脚本賞を受賞しています。
「モナリザ」(1986年)では、ゴールデン・グローブ賞の脚本賞と
イギリスアカデミー賞のオリジナル脚本賞にノミネートされています。
脚本は、リーランド監督とキース・デューハーストの共同執筆でし。
製作は「グッバイ・モロッコ」のサイモン・レイフ、製作総指揮はルース・ジャクソン。
撮影は「シューティング・フィッシュ」のヘンリー・ブラーム、音楽は「ギャンブラー」のブライアン・ロック。
美術は「シークレット・エージェント」のキャロライン・エイミーズ、
編集は「フル・モンティ」のニック・ムーア、衣裳は「リチャード三世」のシャーナ・ハーウッド。
キャストは、ステラにキャサリン・マコーマック、アグにレイチェル・ワイズ、
プルーにアンナ・フリエル、ジョーにスティーヴン・マッキントッシュ、
ローレンス夫妻にトム・ジョージソン、モーリーン・オブライエン、
他に、ルーシー・アクハースト、エスター・ホールなど。
3人の女性が働く田舎の農場、そして自然に溢れた周りの風景がとてもきれいです。
その田舎の駅に、おそらく1日に1本くらいしか来ないであろう蒸気機関車が、
ホームと呼べるほど立派ではない小さなスペースに入ってくるシーンも印象的です。
きっと映画館で観たら、もっと素敵な映像だったのではと思います。
物語は、それぞれにいろいろな出来事や変化が起こるのですが、
大袈裟な表現がまったくなく、風景同様にのどかな感じで進んでいきます。
戦争下が舞台でありながら、遠くで戦火があがっている様子や、
故障したドイツの戦闘機が墜落してくるところがある程度で、
いわゆる過激な戦闘シーンは登場しません。
主人公3人の女性のうち、特にステラの心の変化を中心に描いています。
後半から終盤にかけて、ステラとジョーの愛が育っていくところ、
その後の展開が、前半とは変わって大人の魅力が溢れていて素敵でした。
深夜にTVオンエアされていた作品だったのですが、
ほぼノーカットで字幕スーパーで観れて良かったです!