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テーマ:最近観た映画。(40093)
カテゴリ:劇場で観た映画
崩壊寸前の“負け組”家族が再生していくプロセスを、とんでもない(?)設定で
たっぷりのシニカル&胸がキュンとなる感動で綴ったハートフル・ロード・ムービーです。 2006年のサンダンス国際映画祭で評判を呼び、インディペンデント作品としては 異例とも言えるアメリカで大ヒットを記録しました。 さらに、米英アカデミー賞で助演男優賞(アラン・アーキン)、脚本賞を受賞し、 インディペンデント・スピリット賞では作品賞、監督賞など4部門を受賞、 放送映画批評家協会賞ではアンサンブル演技賞、若手男優&女優賞等を受賞、 他にも、数々のメジャーな映画賞でノミネート&受賞され、大きな話題を集めました。 “夢と希望を乗せて、黄色いバスは行く” 原題はそのまま、“LITTLE MISS SUNSHINE”。 ≪ストーリー≫ アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、家族それぞれに問題を抱え、崩壊寸前。 パパのリチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、 長男ドウェーンは、そんなパパに反抗して筆談でしか返事をせず、沈黙を続ける。 9歳の妹オリーヴは、とうてい無謀な子供のミスコン優勝を夢見ていて、 グランパ(おじいちゃん)はヘロインを常習し、ワガママ言いたい放題。 そんな家族をまとめようと、孤軍奮闘しているママのシェリルの努力も空しく、 家族は、それぞれが勝手なことをし、バラバラになる一方だった。 さらに、ゲイで自殺未遂をしたシェリルの兄フランクまで引き取ることになる。 そんな時、オリーヴがミスコンの地区予選の代表として繰り上げて選ばれた知らせが届き、 念願の美少女コンテスト決勝への出場チャンスが訪れる。 心配で、誰も置いて行く訳にもいかず、また全員分の飛行機代も出せないため、 オンボロのミニバスに家族全員で乗り込んで、カリフォルニア目指して出発した。 その途中、それぞれが抱えている問題と直面する出来事が次々と起きたり、 車が故障し、全員で押してエンジンをかけ、飛び乗らなければならなかったり、 散々な道中の上に、さらに衝撃的な出来事が起きるのだったが・・・。 監督はジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス夫妻、製作はアルバート・バーガー、 デイヴィッド・T・フレンドリー、ピーター・サラフ、マーク・タートルトープ、ロン・イェルザ、 脚本はマイケル・アーント、撮影はティム・サーステッド、衣装デザインはナンシー・スタイナー、 編集はパメラ・マーティン、音楽はマイケル・ダナ。 キャストは、パパのリチャードにグレッグ・キニア、ママのシェリルにトニ・コレット、 シェリルの兄フランクにスティーヴ・カレル、グランパにアラン・アーキン、 ドウェーンにポール・ダノ、オリーヴにアビゲイル・ブレスリン、 ミスコン決勝会場のスタッフにメアリー・リン・ライスカブ、 他に、ブライアン・クランストン、ベス・グラント、ゴードン・トムソン、 マット・ウィンストン、ジェフ・ミード、ジュリオ・オスカー・メチョソ、 ウォレス・ランガム、マーク・タートルトーブ(製作)など。 早く観たかった作品でしたが、上映館の場所が少ないのと時間が会わず、 なかなか観に行けませんでした。 新宿武蔵野館でレイトショー上映されるようになり、早速観てきました! 「幸せの黄色いハンカチ」という高倉健さん主演の感動の名作がありますが、 今作は同じく、“幸せの黄色いミニバス”・・・という感じでした。 (ストーリーは全然違いますので、誤解のなきよう! 笑) 久しぶりに、声を出して笑ってしまったり、噴き出してしまったりして とにかく、奇想天外な(?)くせのある登場人物とその展開に引き込まれました。(笑) 正直、“おバカムービー系”的な笑いを呼ぶ作品はあまり好みではありませんが、 今作は、それとは違って、底辺にはしっかりとした愛と感動が流れています。 そして、そのキャラクターたちに扮したキャストたちがまさにピッタリなんです! インディペンデント(低予算)映画とはいえ、アラン・アーキンをはじめ、 実力と経験を持つキャスト陣に、若いながらも見事な演技力のある2人が加わっています。 撮影に入る前の1週間、演技がどうのではなく、家族役のキャストたちで 寝食を共にして、このドラマでの家族のあり方や人物設定などについて いろいろな話をしてコミュニケーションを図ったのだそうです。 これまで、ミュージックビデオやCMを手掛け、数多くの映像賞を受賞している デイトン&ファリスご夫妻による、初の長編劇場映画の監督作品だそうですが 今後、どんな作品を撮っていくのか楽しみです。 また、脚本のマイケル・アーントもアシスタント経験などを経て、 きちんとした作品として書き上げたのは、今作が初めてだそうです。 「この世で嫌いなものがあるとしたら、それは“負け犬”だ」 というアーノルド・シュワルツネッガーの言葉にインスパイアされて 今作のストーリーを思いつき、書き上げたのは2001年。 準備段階で、プロデューサーや監督、俳優などで紆余曲折がいろいろあって、 5年越しで、やっと映画化されたという裏話もあるようです。 プチ情報ですが、プロデューサーの1人、デイヴィッド・T・フレンドリーは 「グッドナイト&グッドラック」でジョージ・クルーニーが扮した、 名プロデューサーのフレッド・フレンドリーの息子さんです。 楽しい場面では大いに笑わせ、心温まる場面ではジーンと胸に伝わるものがあり、 一歩間違えば、下品なものにもなりかねない展開がいろいろ飛び出すのですが、 そこは、脚本と演出によって、上手く作品として仕上がっていると思いました。 家族の再生・・・などとあまり堅苦しく考えないで楽しめました! ゲイやヘロイン、セックス、また放送禁止用語も飛び出すからなのか、 PG-12指定になっていますが、それほど問題はないかと・・・。 (*^ ^*) ゞ 前述の通り、オスカーの助演男優賞には、「ドリームガールズ」のエディ・マーフィーが 大本命と言われていたのですが、対抗馬(?)のアラン・アーキンが受賞しました。 もちろん、エディも歌、ダンス、演技と素晴らしいパフォーマンスをしていて、 今作の“ぶっ飛び系おじいちゃん”ぶりとはなかなかの好勝負でした。(笑) アビゲイルちゃんも、アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされ、 昨年開催された東京国際映画祭では、最優秀女優賞を受賞しています。 (同映画祭では、最優秀監督賞、観客賞も受賞しています。) アビゲイルちゃんの、あのグラスの大きなメガネとポッコリとしたお腹が可愛くて 「サイン」とは作品の質もまったく違ったので、同じ子とは思えないほどでした。(笑) アビゲイルちゃんは、今作以降、すでに6作品に出演することが決まっています。 今年は、全米で3月9日に公開された「The Ultimate Gift」、 さらに7月27日公開の「マーサのしあわせレシピ」のリメイク版「No Reservations」で、キャサリン・ゼタ=ジョーンズやアーロン・エッカートと共演しています。 “ポスト ダコタ・ファニング”・・・などと言われているそうですが、 2人とも、違った個性と魅力があるので、それぞれの道で活躍して欲しいです! (でもアビゲイルちゃんは、将来、獣医さんになりたいそうです! 笑) ※「The Ultimate Gift」 オフィシャルサイト (英語) そうそう、最後の方のシーンで登場するまですっかり忘れていたのですが、 「24」のクロエこと、メアリー・リン・ライスカブがキャスティングされていて 出てきた時には、コロッと忘れていた自分に呆れて思わず笑ってしまいました。(笑) 12月23日から、全国にて随時ロードショー公開されていますが、 すでに、6月2日にDVDが発売される予定になっています。 特典として、両監督による本編の音声解説と別エンディングが4種類も入っていて、 製作秘話や裏話もたくさん聴けそうで、本編を観た方には楽しみなDVDとなっています。 「リトル・ミス・サンシャイン」 オフィシャルサイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 8, 2007 11:42:19 PM
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