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下の子の泣き声で目が覚めた。寝ぼけた目で時計を確認すると4時過ぎだった。
下の子のところに行き、お座りをさせてあげると下の子はぴたりと泣くのをや めた。そして僕の手を握り、しきりに左手をぶんぶんふってご機嫌な様子だっ た。隣りで寝ていた妻は迷惑そうな顔をしていたが、諦めたのか居直ったのか 判然としないが、下の子に髪の毛をひっぱられても微動だにしなかった。その うち下の子が本格的に泣き出した。お腹が空いたのだろう。オムツを交換して いると妻が起きだしてミルクの準備を始めた。下の子はばたばたと手足を動か してミルクをせがんでいる様子だった。 ミルクを飲んで落ち着いたのか、下の子はまたすやすやと寝息をたてはじめた。 僕は疲労感を感じソファーに身を投げ出し、そのまままた眠りの世界へと入っ ていった。気が付くと上の子が僕の傍らに来ていて微笑している。パパ行って くるね。漸く事態を把握した。すっかり寝入ってしまって子供達が保育園に行 く時間になっていたのだ。妻は良く起きれるなと関心してしまった。 子供達を見送り、まだ朦朧とする頭でキッチンへと向かった。 アモキサン25m×2、レキソタン2m、スルピリド100m、テノーミン25mを服用 して煙草を一本完全に灰にした。 流れるニュースでは今日は35度まで気温が上がるらしい。嫌悪感を抱き、出 社拒否状態に陥りそうになったが、なんとかふんばり身支度をした。 それにしてもこの暑さ、なんとかして欲しい。一歩リビングから出ると、とた んに熱気に包まれる。着替えるだけでしっとりと汗ばむほどの暑さだった。 下っ腹に力を入れ、外へと出た。予想通り、外は夏の熱気で満たされていて、 熱い空気が僕の体に纏わりついた。鬱陶しくもあるが、この暑さを好ましく感 じる自分もいた。 僕は基本的に夏は好きだ。ただ天気がいい日に会社に行くのは嫌いだ。こんな 日は木陰で読書でも出来たら最高なのだが、いかんせん雇われの身分なので、 好き勝手できないことが鬱陶しい。 駅に着いた頃にはびっしょり汗をかいていた。汗がしずむようにじっと佇んで いると電車が滑り込んできた。今日は満員電車に体を押し込む事にそれほど抵 抗を感じる事がなかった。でも、鬱陶しいのは鬱陶しい。この込み様は精神を 鬱屈させるに十分な威力がある。しかし、今日の僕は意外と平然としたものだ った。 自販機でHOPEメンソールを買い、オフィスいに入る前に一本完全に灰にす る。 自席につき、メール等をチェックし、今日のスケジュールを頭の中で簡単に立 てた。今日はのびのびにさせていた仕事に取り掛かろうと思った。まあ、午後 の気分によるだろうが。。。 午前中は、スケジュールの調整、金曜日の有給休暇の申請などを行っているう ちに過ぎ去っていった。 アモキサン25m×2、レキソタン2m、スルピリド100mを服用する。 お昼、妻と一緒にうどんを食べに行った。本当ならゼリーで済まそうと思って いたのだが、何か固形物を食べないと夏ばてするといった強迫観念が頭を過ぎ り、結局妻の提案にしたがった。 午後、仕事をしていると問題に直面した。同僚と相談し、別部隊に代替作業が 出来ないかを打診してみる事にした。仕事を一時引き渡してしまった僕はやる 事がまったくなくなってしまった。 仕事で忙しすぎるのも苦痛だが、仕事がないのも苦痛だ。このまま定時までど うやって過ごすか思案したが良い案は浮かんでこなかった。それで、コアタイ ムが終了したのを見計らって会社を出た。後ろめたい気持ちでいっぱいだった が何もしないでただ4時間も座っているよりはましだと居直った。 帰宅し、家の中で冷風に吹かれぼーっとしていると妻から電話が入った。僕の 上司が連絡をくれと言っているとのことだった。まずーい。そう感じた僕は言 い訳も考えずにすぐさま上司に連絡した。連絡してみると前期の評価のフィー ドバックと今期の仕事について話したいとの事だった。早期帰宅についてはほ とんど咎められなかった。今たてこんでいるので8時にかけ直すから待ってく れとの事だった。ほっと安堵の溜息をつくが、話が評価のこととあって些か神 妙な面持ちになった。 そんな時、妻達が帰ってきた。妻は電話の内容が心配だったようで聞いてきた が、評価の事らしいと告げると妻も安心したようだった。 子供達をお風呂にいれ、上がった時には8時になっていた。電話がなった。上 司からだった。いろいろと前置きがあり、その後、評価についての話となった。 あなたの前期の評価は●●です。びっくりした。予想以上に評価が良かったか らだ。復職してから半年、リハビリ程度の仕事から始め、自分ではまだ軽い仕 事ばかりやっているつもりだったので、この評価は意外だった。 それから今期はチームを助ける仕事を中心にやって欲しいとお願いされた。こ れが出来たらもっと良い評価も与えられると言ってくれた。 不安で一杯で電話をまっていたので、拍子抜けしたが素直に嬉しかった。上司 にお礼を言い、電話を切った。妻に電話の内容を伝えると自分の事のように喜 んでくれた。インセンティブボーナースがこれで少しはもらえる。家族のため に使おうと提案したが、妻があなたが頑張ったんだからあなたの好きなように 使ってと言ってくれた。1/3は貯金、1/3は家族の為、1/3は自分の物 に使う事にした。といってもいくらもらえるのかわからないのだが。 この話で安心したのか、徒労感に包まれた。布団に横になると眠気が襲ってき た。子供達はまだ起きていたが寝る事にした。 素直に嬉しい思いと、これまでほとんど休まず会社にいき仕事をした自分をち ょっとだけ誉め眠りについた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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