あるが侭に・・・

酷く疲れていたのか、昨日早く寝たのに一回も起きる事無く眠っていた。朝、
気分の良い夢を見ていたようで起きるのが嫌だった。布団の中で小さく丸まっ
て何かに怯えるような格好で寝ていた。

上の子が僕の傍らにきて何やら話し掛けてきた。起きる時間か。。。

重い頭を左右に振り、リビングへと向かう。

アモキサン25m×3、レキソタン5m、スルピリド100m、テノーミン25mを服用して
煙草を一本完全に灰にする。

煙草を灰にしながら自分の身体のチェックをした。自律神経の悲鳴は聞こえな
い。変なノイズも聞こえない。落ちてはいない。
うん。大丈夫だ。自分自身に言い聞かせる。

子供達が保育園に行く時間になったので見送る事にした。
今日は妻が持っているごみ袋を持ってあげる余裕があった。妻は嬉しそうにあ
りがとうと僕に言った。

それにしてもダルイ。昨日は午前中に公園に遊びに行った以外、ほとんど寝て
いた。それにも関わらずこのだるさは一体なんなのだろうと考えるが、答えは
見つからなかった。

コーヒーを入れ、煙草を灰にしていく。天気予報では今週前半はあまり良い天
気ではないらしい。暑いのも困りものだが、雨はもっとこまる。気持ちが落ち
てしまう。

今日はいつもよりもかなり涼しいと予報では言っていたので久しぶりにスーツ
を着て出社することにした。

気合を入れて外に出る。そとはひんやりした空気が漂っていた。子供達を見送
った時よりかは少し暖かくなっていたが、それでも上着一枚は必要なくらいの
冷たい空気だった。スーツで大正解だ。

駅までの道を何も考えずにただ只管歩く。今日は先週まで感じていた恐怖感が
薄れている事に気付き安堵した。

駅に着き、いつもの車両のいつものドアから電車に乗り込み会社へと向かった。

オフィスに入る前に気付けの一服を決め込み、仕事をする気力をうちから出そ
うと足掻いた。しかし、それは徒労に終わった。

自席につきメール等を一通りチェックし、今日一日のスケジュールを頭の中で
簡単に立てた。今日は歯医者などがあるためまともに仕事が出来ないなと感じ
た。
メールをチェックしていると上司が休むといった内容のメールがあることに気
付いた。最近、上司は休みがちだ。何かあったのだろうかと心配になった。
そして今日、予定していたミーティングはどうなるのだろう・・・

ミーティングの時間になった。同僚達が動き出したのでどうやらやるらしい。
上司はどうするのか聞いてみたところ、テレカンで参加するとの事だった。具
合が悪いなら寝ていても良いのにとも思ったがきっと重要な知らせとかもある
のであろう。

ミーティングが始まった。相変わらず僕にはなかなか内容が理解出来ないミー
ティングで歯がゆい思いをした。途中、居たたまれなくなり中座したが、気合
を入れ直して、再度ミーティングに参加した。
今はわからなくてもいいんだ。そのうち理解できる日がきっとくる。
そう言い聞かせながら参加する。

お昼もだいぶ回った頃、漸くミーティングが終了となった。さすがに妻は食事
に出てしまっているだろうと思ったが待っていてくれた。素直に嬉しかった。
時間も時間なので早く食べれるラーメン屋へと入り、急いで食べて会社に戻っ
た。

午後、歯医者の時間までルーチンワークを淡々とこなしていく。
先週まで感じていた息苦しさも今日は感じる事がなくほっとした。

歯医者に行く時間が近付いたので、歯磨きをし歯医者へと向かった。
歯医者にて、次回もう一度レントゲンを取ってみて膿胞が小さくなっているよ
うだったら根を埋めると言われた。漸く一本の歯の治療の完了が見えてきてほ
っとした。しかし、ブリッジも含めるとまだまだ歯医者には通わなければなら
ないのだが。

歯医者から会社に戻り、またルーチンワークを淡々とこなした。

今日は友と会う予定なので早めに薬を飲む事にした。

アモキサン25m×3、レキソタン5m、スルピリド100m、テノーミン25mを服用する。

渋谷で会うか溝の口で会うか迷ったが結局溝の口で会う事にした。

仕事を終え、溝の口に向かう。なんだか気持ちが落ちていく自分がいた。
溝の口にて友と無事に再会した。二人で会うのは久しぶりなのでなんとなく照
れくさかった。
友の時計の電池を交換した後に個室の在る飲み屋に入った。
ビールで乾杯といきたいところだったが、店に入ると僕は落ちてしまっていた
。
顔を上げることが出来ない。
友が気遣ってくれるのがまた痛かった。
漸く顔を上げ、微笑するくらいに回復するのに１時間ほど時間を費やしてしま
った。
そこで友は泣いてしまった。理由は詳細には書かないが、友も厳しい状況で僕
に会ってくれている事がわかり酷く自分を責めた。

お互い落ちるところまで落ちて、後は笑って食事をすることが出来た。

その後、カラオケに行った。友の歌声は初めて聞く。うーん、ELTの持田の声に
似ているなという印象をもった。僕は尾崎を唄う気にはなれず、福山ばかりを
選んで唄った。飲み放題ということもあり、僕はウィスキーをロックでガンガ
ンに空けてしまっていた。それが悪かった。
カラオケを終了する頃にはすっかり酔ってしまい気持ち悪いぐらいだった。
その様子に気付いた友はタクシーで帰ることを薦めた。
僕は友に連れられタクシー乗り場へ。別れの挨拶をしタクシーは発進した。

その後の記憶はない。たぶん、どっと布団になだれ込んだ事であろう。