メタボ&ダイエット研究所リーンバルク実験室

2020/05/25(月)13:08

16時間断食中に筋トレのリーンゲイズでの減量で予想外に筋肉が削れない理由の考察

凸減-ケンコウ-(131)

現在、16時間断食中に、筋トレをするリーンゲイズで減量を行なっている。 通常の考え方では、空腹で栄養が枯渇した状態で運動すれば、筋肉を分解するカタボリックが起こり、エネルギー源にしてしまう。 つまり、筋肉が削れてしまう。 それを防ぐために、ワークアウト(運動)前や最中には、BCAAや粉飴を摂ることが多い。 しかし、1ケ月以上に渡ってリーンゲイズを行ったが、体重、体脂肪率の減少に比べ、(筋トレが自重でしかできないのに)筋肉量、筋力の減少を感じないでいる。 (筋トレをやる気がでず、メンタル面へのダメージは大きいが) リーンゲイズは、脂肪を使用する時間を増やすために毎日、16時間の断食を行なう。 これは、理解できる。 更に、この断食時間中に筋トレを行なう。 これも、筋肉の維持、無酸素運動での脂肪使用率を増やすため、と理解できる。 しかし、どうしてカタボリックで筋肉が削れないのかが、疑問だ。 (提唱者は、「摂取カロリー<消費カロリー」でもタンパク質を摂って、筋トレしていれば維持できる、と主張) まず、注目したのは、GLUT4(GLUcose Transporter type4/グルコース輸送体4)。 ものすごく雑に説明すれば、脂肪細胞と心筋(心臓)、骨格筋(筋肉)に多い、グルコース(糖質)を細胞内に取り込むための門だ。 ご存知のように、糖質を摂れば、血糖値が上昇し、インスリンが分泌される。 GLUT4は、インスリンに反応して門を開き(正確に言えば、細胞の中から細胞膜に出てくる)、グルコースが細胞内に取り込まれる。 先に述べたように、GLUT4は、脂肪細胞と心筋、骨格筋に多い。 話が少し飛ぶが、心筋は、脂肪を主なエネルギー源にしている。 しかし、運動し、心拍数が上昇(心筋が激しく収縮)した場合、インスリンとは関係なく、GLUT4が出てきて、グルコースを取り込み、エネルギー源にする。 では、骨格筋も同様に、動かせ(収縮させれ)ば、GLUT4が出てくるのだろうか? 残念ながら、通常では、出てこない。 通常では? そう、ここに登場するのが、AMPK(5' Adenosine Monophosphate-activated Protein Kinase/AMP活性化プロテインキナーゼ)だ。 その働きは、多岐に渡るので、骨格筋に対するものに限らせて記述させていただく。 ものすごく雑に説明すれば、細胞内のエネルギー源を一定にする調整役だ。 骨格筋がエネルギー不足になったとき、その取り込みを促進するのだ。 つまり、GLUT4を活発にさせる。 この働きは、骨格筋が収縮(筋トレ)したときに、より活発になる。 しかしこれは、通常の運動でも発生していることである。 体内のグルコースが足りなくなれば、脂肪をエネルギー源にしつつも、筋肉を分解してエネルギー源にするカタボリックが起きる。 ここまでは、リーンゲイズだろうとなかろうと、同じだろう。 違う、と推測するのはこの後だ。 16時間の断食と筋トレで栄養が枯渇している骨格筋では、AMPKが深刻なエネルギー不足に対応するため「非常」に活発になり、GLUT4が「通常より」細胞膜に出る。 カタボリックや肝臓で糖新生(タンパク質を分解して糖質にする)したりするが足りず、GLUT4は出っ放しだ。 ここでグルコースを摂った場合、通常に比べて優先順位が変わって「肝臓に溜まらず」、骨格筋への取り込みが多くなるのではないだろうか。 (これは、肝臓の件に触れたものは見たことがないので別にして、カーボローディングの理論とも矛盾しない) そして、一時的に大量の筋グルコースを蓄えた骨格筋が、「摂取カロリー>消費カロリー」と誤解し筋肉増量抑制(ミオスタチン?)を誤動作させ、筋肥大するのではないだろうか。 (これは、「増量期の仮説:インスリンヒエラルキーで脂肪が蓄積までいかない、と筋肥大しない?」での予想とも矛盾しない。正確には、脂肪蓄積の手前、筋グルコースが一定量増えた場合に筋肥大する、と考えられる。ミオスタチンのブロックを考えれば、糖質だけではなく、トリプトファンの摂取も影響あるかもしれない?) つまり、16時間の断食と筋トレで、カタボリックを起こすが、それでもエネルギー不足が深刻なためAMPKが「非常」に活発になり、GLUT4が「通常より」細胞膜に出ることで、その後に摂った糖質で、筋肥大のスイッチが入り、カタボリックで筋肉が削れた分程度が、回復(筋肥大)しているのでは、と考察した。 これらを考える、とリーンゲイズでは、筋グルコースを一定量(どの程度が不明だが)にする必要があるため、糖質摂取を下げすぎては、筋肥大が起きずカタボリックのみになり、急激に筋肉が削れるのかもしれない。 (当然、PFCバランスでタンパク質を十分に摂る必要はある) また、16時間の断食以外の時間帯(栄養摂取中)の運動は、筋グルコースを消費し、蓄積量が一定量を下回ってしまい、筋肥大を止めてしまう可能性もある。 と考えれば、休養を十分にとるので、良いかもしれない。 (もしかしたら、筋グルコースの消費に対抗するために、栄養摂取の時間帯では、糖質を小まめに摂るスモールミールが良いのかもしれないが、GLUT4とAMPKのボーナスタイムは、短時間で終了しそうだ。では、糖質は8時間で分割せず、筋トレ後にまとめて摂った方が良い?) なお、AMPKは、下記のような働きもあるとの説がある。 ・ヘキソキナーゼの増加   細胞内でグルコースをリン酸化。リン酸化グルコースは細胞内に留まり、グルコースそのものは細胞内から(見た目上)減っているので、グルコース取り込みの効率を下げない ・肝臓での糖新生を阻害 ・mTORC1を阻害し、タンパク質合成を止める    mTORC1阻害が、非常に気になるところで、この考察と矛盾する。 ので、更に調査、考察を行なっていきたい。 なお、体質、遺伝的資質、過去の運動実績、筋肉量、体脂肪率などの違いで、同様の結果になるとは限らないので、鵜呑みにしないでいただきたい。 ※リーンゲイズは、16時間断食だけでなく、体重を落とすために摂取カロリーを制限するし、尚且つ栄養枯渇状態での筋トレも非常にキツい。16時間断食してあとは好きなだけ食べて、軽く筋トレで、筋肉維持して脂肪が減る「ではない」ので、ご注意

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