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2008年01月18日
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カテゴリ:政治問題
 昨年秋に教科書会社が沖縄戦「集団自決」に関する記述について、訂正申請を行ったにもかかわらず、結局「日本軍の強制」という記述は通らなかった問題について、その後追跡取材を行った共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、その結果を13日の日曜版で次のように報告している;


 高校日本史教科書の沖縄戦「集団自決」の記述をめぐり、日本軍の「強制」という記述が、出版各社が求めた「訂正申請」でも認められませんでした。追跡取材で浮かんだのは、またも文部科学省教科書調査官の独断でした。           前田泰孝記者

 訂正申請は誤字脱字や記述の改善のために、出版社が書き直しを文科省に申請できる制度です。

 軍の「強制」を削除した2006年度検定意見に抗議し、その撤回を求める11万6千人の沖縄県民大会におされ、文科省が対応を迫られたのです。

 ところが年末に同省が公表した結論は検定意見は撤回せず、訂正申請でも日本軍による「強制」「強要」などの表現は認めませんでした。

 なぜなのか-。

 06年度検定では、教科書調査官が「誤解を生むおそれがある」という「検定意見」を振りかざし、口頭で「隊長命令が確認できないから軍命令は確認できない」と出版社側に指示し、「命令」「強制」などの表現が削られました。

 今回の訂正申請では、教科用図書検定調査審議会(検定審、学者などで構成)が、「基本的とらえ方」なる指針を決め、各出版社に口頭で伝えた(12月4日)後、文書化したものを公表しました。

 そこでも軍の命令・強制の問題に関して示したのは、隊長命令のような住民への直接的な軍の命令を示す根拠は「現時点では確認できていない」ということだけ。

 日本軍全体としての住民への「強制」は、否定も肯定も示しませんでした。検定審が決めたのはここまでです。

 「隊長命令」の有無と強制・強要の有無とは別問題で、日本軍による強制・強要を否定する根拠にはなりません。

 この「基本的とらえ方」を踏まえて、出版社とのやりとりは教科書調査官に任されました。その舞台は『密室』です。

 実教出版の場合、「日本軍は、住民に手機弾(しゅりゅうだん)をくばって集団自害と殺しあいを強制した」という当初の訂正申請文が認められず、複数回、文案を教科書調査官とやりとりしています。

 執筆者の石山久男さんによると、教科書調査官は「日本軍が…強制した」のように二つの言葉が同一文でつながることはだめだ、とする趣旨の説明をしました。

 最終的に、「強制」が「日本軍」という主語から切り離される形で決着しました。

 他社も「強要」⇒「関与」、「強制」⇒「関与」と書き直したり、「日本軍によって集団自決に追い込まれたり」という一文が「日本軍」と「追い込まれたり」とに分割されたりしました。

 検定審日本史小委員会メンバーで筑波大副学長、波多野澄雄さんは「軍命令については『確認できていない』で合意が得られたが、強制について、一定の方向性で合意をした覚えはない」と証言します。

 別の日本史小委メンバーも「『日本軍』が『強制した』と結びつけてはいけないとか、そんな細かいことまで確認していない」といいます。

 文科省事務当局も「各社の訂正申請文の文脈ごとに『とらえ方』に沿って判断する」との見解でした。

 ではだれが、文脈ごとに判断するのか。出版社との折衝を任された教科書調査官であることは明らかです。

 「検定意見」が撒回されないなかで、「基本的とらえ方」を超えて、教科書調査官が判断したという経過です。

 担当した調査官は照沼康孝氏と村瀬信一氏。ともに日本の戦争は正しかったと主張する「新しい歴史教科書をつくる会」人脈の伊藤隆・東大名誉教授の教え子です。

 照沼氏は、伊藤氏の紹介で調査官になったことを、伊藤氏自ら本紙に認めています。

 調査官の偏った人選と縁故採用への疑惑は深まるばかり。教科書検定制度の見直しが求められています。


私は手摺弾を渡された-沖縄県子ども会育成連絡協議会の玉寄哲永会長

 私自身、日本軍に「貴様ら、これを使え」と手榴弾を二つ渡されています。これを使って死ねという意味です。

 文科省は、住民の証言は軍命令の根拠にはならないといっています。ここに生き証人がいるのに証拠がないというなら、何をもって証拠といえるのか。納得できません。


撤回しかない検定意見-東京書籍版教科書を執筆した坂本昇さん

 「軍から命令が出たとの知らせがあり…」と、「集団自決」体験者の証言を書いたところ、調査官は「伝聞であっても(軍命が)確定した事実と受け取られる恐れがある」と認めませんでした。

 軍の強制性も「追い込まれた」はいいが、「強制」はダメだという立場です。

 訂正申請でも、軍の命令・強制は認めないという文科省の立場は変わっていません。やはり間違った検定意見は撤回以外にありません。


2008年1月13日 「しんぶん赤旗」日曜版 35ページ「軍の強制 またも認めず 調査官 密室の独断」から引用

 この記事から明らかなように、今回の訂正申請を受けるにあたって教科用図書検定調査審議会は「基本的とらえ方」という指針を出していたが、その網の目をくぐるようにして、指針に書き込まれていない小さな盲点を突いて、偏った思想を持った教科書調査官が独断で「日本軍の強制」は認めないという結果になっている。違法ではないものの、常識では考えられない姑息な手段である。
 このようなことになったのも、日本の戦争は正しかったと主張する「新しい歴史教科書をつくる会」人脈の伊藤隆・東大名誉教授の教え子のような人物を縁故で教科書調査官などにしているからだ。教科書検定制度にかかわる人事については、ガラス張りにする必要がある。








最終更新日  2008年01月18日 19時03分20秒
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