より良い明日をめざして

2015/10/25(日)10:57

野卑下劣の時代(25日の日記)

政治問題(2275)

 「基本的人権」や「人間の尊厳」を顧みない昨今の社会のありようについて、法政大学教授の山口二郎氏は11日の東京新聞コラムで、次のように批判している;  シリアから逃れた難民の少女の写真を元ネタにして、その少女が他人の金を当てにして自由気ままに生活するために難民になろうとうそぶくというイラストを、女性漫画家がフェイスブックに投稿した。この件はBBCでも報じられ、国際的注目を集めている。抗議の声にもかかわらず、フェイスブックはこの記事の削除に応じなかった。  ある引っ越し会社では、解雇された従業員の「罪状」を示すポスターを張ってさらし者にし、「北朝鮮人は帰れ」というヘイトスピーチの貼り紙も掲示されている。二つの事件は、人間の尊厳を理解しない倣慢(ごうまん)な人物が好き勝手をしており、社会もそれをある程度許容しているということを意味している。  安保法制反対運動のSEALDsの中心的な学生に対しては殺害予告が送られた。同様の事件は、慰安婦に関する記事を書いた元朝日新聞記者に対しても昨年起こされた。言論の自由を否定したい輩(やから)もはばかることなく活動している。  今の自民党の体質とこの種の野卑下劣の輩の跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)との間に直接的な因果関係を証明することはできないだろう。それにしても、自民党では「メディアを懲らしめろ」と発言した議員に対する処分が解除され、この党は言論の自由を尊重しないという態度を公言した。政治家がこうだから、野蛮人は勢いづく。 (法政大教授) 2015年10月11日 東京新聞朝刊 11版 25ページ「本音のコラム-野卑下劣の時代」から引用  沖縄の新聞には広告掲載をストップして懲らしめるべきだと暴言を吐いた議員に対する自民党の処分は、民主主義の根幹を揺るがす暴言に比べて、あまりにも軽い。世論を意識した形だけの「処分」であり、自民党が考える「言論の自由」はその程度なのである。私たちはこういう自民党の本質を、重く受け止める必要がある。

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