より良い明日をめざして

2017/10/18(水)11:09

政治の流れ 見逃すな(18日の日記)

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東京新聞の「新聞報道のあり方委員会」は、最近の政局を次のように批判している; 東京新聞(中日新聞東京本社)は「新聞報道のあり方委員会」第32回全体会議を4日、棄京都千代田区の本社で開いた。政権選択選挙となった衆院選の報道に求められる視点は何か。新聞は権力監視の役割を十分に果たしているのか。ノンフィクションライター魚住昭さん、弁護士田中早苗さん、ジャーナリスト木村太郎さん、東京工科大学教授吉田俊実さんの4委員が話し合った。本紙からは臼田信行編集局長と深田実論説主幹が出席した。 ◆解散、総選挙 ――急な解散、総選挙になった。選挙報道への意見は。  魚住 10月4日の特報面に、戦時中の大政翼賛会の流れと現状を比較する記事があったが、こういう視点は大事だ。当時と今は似ている。新党ができるとき、あれよあれよという間に政党が解党する共通性は、時代が繰り返しているのかと思った。  小池百合子都知事の政治思想も見極めなければいけない。関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文を送るのを今年からやめたというのは、大変なニュースだ。小池氏の歴史修正主義的な傾向が出た。自民党のタカ派と小池氏の違いは少ないから、自民党と希望の党の大連立で翼賛会みたいになっていくこともあり得る。政治の分岐点に差しかかっている。  田中 小池氏は思想的に安倍晋三首相と親和性があるけれど、それを隠しながら広く対応する人だと思っていた。今回、民進党議員が希望の党に入るのを一部排除したことで、戦略家としての評価が落ちた。  立憲民主党がツイッターを開設したら2日でフォロワーが8万人。小池氏はこれだけの人たちの受け皿を排除してしまった。清濁併せのめると期待したが・・・。選挙報道では、各党の政策がどう色分けされるか紙面で明確にしてほしい。  木村 外国メディアは北朝鮮がミサイル発射や核実験を繰り返している時になぜ選挙かと、疑問を呈している。日本では永田町の話ばかりで、安全に関する議論が置き去り。安倍首相はここにきて北朝鮮問題を言い出したが答えになっていない。日米同盟で対処すべきか、対話で解決すべきか、という点を突き詰めて考えているのだろうか。  魚住 森友学園、加計(かけ)学園の問題がある中、北朝鮮のおかげで危機感があおられ、上昇気流にあるから勝てるという計算があったのではないか。  吉田 私も政権が北朝鮮を解散に使ったと考えている。官邸が本当に危機感を持っていたら解散できないはずだ。  最近、朝鮮人虐殺は捏造(ねつぞう)だと言っている都議や区議がいる。小池さんは彼らにある種のお墨付きを与えた。一般の人が慣らされ、空気がつくられていくと怖い。  臼田 追悼文の送付中止は、社会部の中堅記者が問題だと考えた。南京事件など加害の歴史に目をつぶる、被害者の数の不確かさをとらえて虐殺が全くなかったことにしたりすれば、危うい歴史観をつくることになる。われわれは、事実をもって書いていく。  深田 社説でも「歴史の事実は消せない」と書いている。関東大震災での朝鮮人虐殺は捏造などと言えるようになってきたのはなぜなのか。いろいろな意見を言うのではなく、間違ったことを言いはじめるようになったのはなぜなんだろうと考えてしまう。  よしだ・としみ 1954年東京都生まれ。昭和女子大大学院修了。東京工科大学教授(文化研究、英文学)。メディアやジェンダー問題に取り組む。共著に「番組はなぜ改ざんされたか」「イギリス文学ガイド」などがある。  うおずみ・あきら 1951年熊本県生まれ。一橋大法学部卒。共同通信で司法記者などを経て96年からノンフィクションライター。著書に「特捜検察」「野中広務 差別と権力」など。ウェブマガジン「魚の目」で情事摂発信している。  たなか・さなえ  1962年東京都生まれ。慶応大法学部卒。弁護士。女性と人権、幸摂道と人権・プライバシー問題などに取り組む。著者・共著に「企業のセクハラ対策最前線」「Q&Aこどものいじめ対策マニュアル」などがある。  きむら・たろう 1938年米国バークリー市生まれ。慶応大法学部卒。NHKベイルート、ワシントン特派員などを経てニュースキャスター。87年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。著書に「デイア・グロリア」などがある。 2017年10月15日 東京新聞朝刊 10ページ「政治の流れ 見逃すな」から一部を引用  希望の党は小池代表が「リベラル排除」を公言した途端に失速して、自民党安泰のモードに入ってしまった。安倍政治からの脱却を求めた人々は、一時的に希望の党に期待したのであったが、これがどういう政党であるのかという点を薄々不安に思っていた時点で、うっかり小池氏が本音を口にしたため、そういう本音ではダメだと判断した世論は正常に機能したと考えてよいと思います。しかし、この期に及んで尚、自民党を支持するという勢力は、これは「ファシズム推進勢力」と断定してよいのではないかと思います。関東地方ではまだ見かけませんが、関西では街頭演説を始める前に君が代を演奏するのだそうで、これが意味するところは、日本人なら自民党に入れろ、ということで、やがては「野党に入れるような奴らは国賊だ、日本から出て行け」と言い出すであろうと思われます。

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