|
テーマ:ニュース(99393)
カテゴリ:ニュース
保守派の論客として知られる東京工業大学教授の中島岳志氏は、近い将来日米同盟が終わる見込みであることと、その後の日本がどうなるのかという問題について、5月25日の「週刊金曜日」に次のように書いている;
2018年5月25日 「週刊金曜日」 1185号 9ページ 「風速計-アメリカなき超右傾化に備える」から引用 この記事が紹介する「産経新聞」の主張は、米軍が日本から撤退した時は、撤退した米軍の装備に見合う軍備を日本が自ら持つべきであるということのようであるが、それは無駄だと思います。元々日本に基地を置いた米軍の目的は、スターリンに指導された当時の国際共産主義運動の膨張政策に対向するためであったので、その中心勢力だったソ連が崩壊し冷戦が終結しており、冷戦の遺産だった朝鮮半島の分断も解消される方向で交渉が進められているのですから、この先に過去にあったような日本も巻き込まれるような大きな戦争が起きるとは考えられません。したがって、日本の防衛力はこれまでと同様に「専守防衛」を旨とし必要最小限度に押さえるべきです。大昔には農業生産が国力を規定した時代があり、その時は国力増強を目的に領土を広げる戦争をしました。その後、資本主義経済が発達すると市場拡大のために戦争をした時代がありました。しかし、現代は軍事力の後押しがなくても資本が勝手に国境を越えて活動する時代になりましたので、もはや軍隊は無用です。また、この記事が紹介する「産経新聞」の主張で指摘しなければならないのは「米国に過度に依存しない『偉大な国』を目指す」と言っている点です。産経新聞のこの主張は事実の誤認に基づいている。国家を規定する「領土、国民、主権」のうち、領土も人口も日本はアメリカや中国に遠く及ばないという現実を見れば、将来の日本が中国と肩を並べる「大国」になるのはムリな話です。戦後の長い間、日本がアメリカに次ぐ経済大国の地位にいたのは、たまたま中国が歴史的な経緯で近代化に遅れをとったために偶然そうなっただけのことであって、長い時間が経てば偶然的な要素は平準化されて本来あるべき姿でバランスがとれていくのが自然の在り方だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年06月04日 01時00分08秒
[ニュース] カテゴリの最新記事
|
|