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2018/09/10(月)01:00

異論と権力(10日の日記)

ニュース(3793)

言論の自由を認めようとしない安倍政権の政治手法について、法政大学教授の山口二郎氏は2日の東京新聞コラムに、次のように書いている;  9月に行われる自民党総裁選と沖縄県知事選挙は、安倍晋三首相の政治手法を如実に物語る機会となった。それは、権力者に異論を唱えるものを力ずくでねじ伏せて、唯我独尊の政治を追求することである。  自民党総裁選において反主流派の存在自体を許さないという安倍陣営のいきりたち方は異様である。沖縄でも、辺野古新基地建設に反対する沖縄県に対してあめとむちで圧力を加え、中央政府に反対しても無意味だと、県民の心を折ろうとしている。  自分に対する異論を許さない権力者は、自分よりも強い権力者には異論を唱えず、追従する。日朝の実務者が秘密会談を行ったことに米政府が不快感を示し、トランプ大統領が真珠湾を忘れないと発言しても、日本として反論をした形跡は見られない。これこそ卑怯な権力者の真骨頂である。  外交であれ、民主政治であれ、異論は不可欠である。8月30日付の琉球新報で、元米外交官のモートン・ハルペリン氏が、沖縄返還について米国に遠慮していた日本政府に、日本から返還を強く要求しなければ米軍統治に批判的だった穏健派の米外交官の問題意識が政策化されないと説得した経験を記していた。  自由な異論が飛び交う国内の民主政治があってこそ、政府は外国に対しても国益を主張して本物の交渉ができるのである。 (法政大教授) 2018年9月2日 東京新聞朝刊 12版 27ページ 「本音のコラム-異論と権力」から引用  反主流派の存在自体を許さないという姿勢は「現職がいるのに、対立候補として立候補するということは、現職に止めろと言うのと同じ(だから、許されない態度だ)」と安倍氏が発言したことを指している。安倍氏のこの発言の主旨は「オレが現職としている限りは、対立候補の存在は許さない。逆らって立候補するなら、徹底的に干す」と、このように党内を恫喝しているのであるから、もはや独裁政治である。実際に、国会は与党が3分の2を超える議席を占めており、最高裁判所には息の掛かった元加計学園理事を判事として送り込んでおり、どんな裁判でも政府に不利な判決はでる可能性はない。このように後退してしまった日本の民主主義を、どのようにして再生するか、国民は考えなければならない。

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