より良い明日をめざして

フリーページ

2019年07月16日
XML
テーマ:ニュース(76703)
カテゴリ:ニュース
朝日新聞出版から「私たちの国で起きていること」を出版した慶應義塾大学教授の小熊英二氏が、6月23日の「しんぶん赤旗」日曜版で、次のように述べている;


 歴史社会学者で慶応義塾大学教授の小熊英二さんが、『私たちの国で起きていること』を刊行しました。朝日新聞の論壇委員・論壇時評執筆者だった8年間(2011~19年)の時事評論をまとめたものです。「日本は変動期にある」という小熊さんに話を聞きました。
(北村隆志記者)

◆読書

 朝日新聞の論壇委員を頼まれたのは11年初め。大著を仕上げた後、精神過労がもとで意識不明で倒れ、1年間休養した後でした。

 「以前は研究の妨げになるからと断っていました。でも倒れた後、次の研究のめどもまだ立たないし、勉強にもなるからと引き受けました」

 論壇委員は論壇時評執筆者(11年~15年は作家の高橋源一郎氏)のサポート役で6人います。月に1度、注目の雑誌論文を報告し合い、その議論を踏まえて、執筆者が論壇時評を書きます。論壇委員は回り持ちで時事コラムを書きます。

 小熊さんは毎月60冊以上の論壇誌・専門誌などに目を通し、読める形で長文のメモをつくりました。大変な作業ですが、「読んでも、それを文章に書かないと、頭に定着しないので」と。これまでのメモは、すでに2冊の本にまとめています。

◆閉塞感の根底

 小熊さんが論壇委員になる直前の11年3月には、東日本大震災と福島第1原発事故が起きました。その後の8年は、さまざまな分野で日本が曲がり角にあることが明らかになっていきました。

 16年4月からは、小熊さん自身が論壇時評の執筆担当に。原発、雇用、外国人労働者、憲法、選挙と政党など、幅広いテーマを、厚みと鋭さをもって論じました。



 例えば雇用について「最低賃金を時給2500円にしたら」という「思考実験」を提案。「日本社会が労働を湯水のように安価に使い、人間の尊厳を軽んじていることが、停滞と閉塞感の根底にある」と指摘しました。

 安倍晋三首相の改憲論は「時計の針を逆戻りさせる」と批判。「1946年の体制変革を認めない改憲論はリアリティーがない」と語ります。

 原発問題も何度も取り上げました。自らも最初の反原発デモから参加し、その後も深くかかわってきました。

 「原発問題ではポジティブ(肯定的)な話が書けました。これは勝てる運動だという考えは、最初からずっと変わりません。社会の進路を決めるのは民意です。デモは民意にはためく旗みたいなものです。民意という見えない風を可視化するとき、デモは力を持ちます

 今年3月の反原発国会前行動でも「民意の支持のある運動が、落ち目の産業に負けるはずがない」とスピーチし、参加者の大きな拍手を受けました。

◆各地を回って

 戦後思想史の研究で知られます。敗戦から60年代までを論じた『〈民主〉と〈愛国〉』は1000ページ超。学生運動の社会的背景を探った『1968』は上下巻で計2000ページ超です。論壇委員・時評執筆の今回の仕事も従来の研究と無関係ではありません。

 「自分の社会認識の枠組みを、10年ごとに更新していかないと、時代の変化についていけなくなります。論壇時評の仕事は、日本社会の現状を知るうえで、大変勉強になりました」

 最近は日本各地を回り、地方の疲弊を目の当たりにしました。

 「介護関係しか産業がないところもある。展望などといって無責任なことは語れません」

 今月『地域をまわって考えたこと』(東京書籍)も刊行。来月は、雇用慣行を軸に日本の近現代を考えた『日本社会のしくみ』(講談社現代新書)も出ます。小熊さんの現代日本研究は終わりません。


おぐま・えいじ=1962年東京生まれ。著書に『単一民族神話の起源』(サントリー学芸賞)、『〈民主〉と〈愛国〉』(大佛次郎論壇賞、毎日出版文化賞)、『社会を変えるには』(新書大賞)、『生きて帰ってきた男』(小林秀雄賞)など


2019年6月23日 「しんぶん赤旗」日曜版 29ページ 「進路を決めるのは民意だ」から引用

 この記事を読んで、私は小熊英二氏の発言の一つ一つに真実が込められているように思いました。私たちの社会は労働を湯水のように安価に使い、人間の尊厳を軽んじているから、大企業が莫大な内部留保をため込む一方で、労働者は日々の生活に窮している。これでは世の中が活性化するわけがないし、「全国津々浦々から好景気の暖かい風が吹いてくる」など、あるわけがないでしょう。政府与党がどんなに電力会社に便宜を計っても、原発再稼働反対の「民意」の支持を受けた運動が、落ち目の産業に負けるはずがない、というのは「名言」だと思います。






最終更新日  2019年07月16日 01時00分07秒
コメント(4) | コメントを書く

■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


 どうしてこう、左巻きは視野が狭いかね   Voss さん
あのねえ、民意を問う上で最も確実なのは選挙です。
法律でルール決まってますから。

デモなんてのは、特定の思想とか特定の団体に所属する輩が、仕事サボって集まればある程度の規模で実施出来ます。
実際、仕事サボりまで出来るのは特定団体の輩だけなので、反政府デモの殆ど全部、特定思想で脳内ハッピー状態なリタイヤ老人ばっかりでしょが。

本当に民意を反映するデモなら、香港みたいな超大規模デモになってます。
あれとて、事実上の一党独裁、選択肢が奪われつつある民主主義体制という特殊事例で膨れ上がったところがあります。

成熟した民主主義国家において、デモは必要な要素ではあるけども、それが国民すべての民意を反映しているなどというのは明らかに大嘘で、それを正確に全国規模で推し量るには、選挙という手法が最も確実かつ公平。

デモで国の方針が決まるとか、仏門強訴で幕府が屈服した室町時代じゃあるまいし。
曲りなりにも百年以上かけて、どうにか近代民主制国家として存立してきたわが国を、隣国のような蛮族レベルに貶めようと画策すんの、辞めて貰えませんかね?

そういう暴力的な思考、ふつーに近代民主国家の敵なんで。 (2019年07月17日 00時42分28秒)

 Re:進路を決めるのは民意だ(16日の日記)(07/16)   maki5417 さん
高橋源一郎さんのサポートをされていたのですね。
月一回目を通していました。


ネット右翼なんて、家でうつうつとしているだけで、デモとは無縁なのでしょう。
権力者は小さなデモでも恐れるものです。
氷山の一角、その背後に多くの民衆がいることを知っているからです。

原発を抱える当地でも、忖度一郎は再稼働推進とは言えません。
前の知事が始めた検証結果を見てからだそうです。
(2019年07月18日 21時07分18秒)

 Re[1]:進路を決めるのは民意だ(16日の日記)(07/16)   佐原@スタバ さん
maki5417さんへ

>氷山の一角、その背後に多くの民衆がいることを知っているからです。

そうですね。それなりにセンスのある政治家は、そのことをわきまえていますね。野党議員を馬鹿にしたり嘲笑したりするのは、実は恐ろしいことだ。彼の後ろには彼を支える多くの国民がいることを忘れてはならない、と最近の新聞で石破茂議員が発言しているのを読みました。


(2019年07月19日 17時30分40秒)

 なお、デモをやるのは基本的に「少数派」なのよね   捨てハン.@ログアウト さん
ここ数年の衆院選、参院選で自公が勝つのは非常にざっくり言えば「サイレントマジョリティが(消極、積極あれど)自公に投票している」からなんだがね。
それを踏まえ、手前らがノイジーマイノリティであると自覚した上で対応策を検討するならまだしも、現実を無視して手前らがマジョリティと勘違いして対策練っても上手くいくわけがない。


しかしまあ、何でパヨどもは自分らがマジョリティであると思いこみたがるのだろうね。ニッチであっても、それを楽しめばよかろうに。
(2019年07月19日 20時48分29秒)

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール


佐原

お気に入りブログ

『アイヌと縄文』1 New! Mドングリさん

差別といじめ New! maki5417さん

千葉JR駅、郵便と… 背番号のないエース0829さん

マンハッタンで考え… ひまわり娘!さん
外資系経理マンのペ… 呉雅力さん

コメント新着


Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.