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2019年11月16日
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テーマ:ニュース(79616)
カテゴリ:ニュース
押し入れを整理していたら古新聞の束が出てきたので、よく見ると2005年の東京新聞コラムに作家の宮崎学(みやざきまなぶ)氏が、次のように書いている;


 8月8日の参議院での「郵政法案」否決の模様を報道するテレビを見ていてふと旧(ふる)い歌謡曲を思い出した。それは故鶴田浩二の歌で、確か「・・・莫迦(ばか)と阿呆(あほう)のからみあい・・・」という歌詞であった。なるほど反対派が既得利権を守ろうとしている姿には、旧い日本の姿を見る思いで、みっともないものではあった。一方、小泉派の姿は、反対派よりも醜悪に見えた。それは民営化によって発生する新しい利権へのあくなき執念を見るからである。

 この国は、国鉄民営化、電電公社民営化を経験した。「民営化」で確かに、旧い利権はなくなったかも知れないが、その後新しい利権構造をつくりだしたことはまぎれもない事実である。小泉派の醜悪さは、「改革」なる旗印の下に結局は利権を求める思想の醜悪さに由来する。その点では、「職場が無くなる」とした反対派の方が旗印を示せないだけにまだわかりやすい。経済のグローバル化か急速に進んでいる中での「郵政民営化」によって新しく生まれるであろう利権は、米国への身売りという姿だと思われる。それだけに小泉派の執念は、米国への忠誠心の発露であり、そのためさらに醜悪に見えるのだ。しかし日本という国の歴史を見た時、明治維新ですら所詮(しょせん)は利権の再配分であったと思われる。日本という国は、利権の再配分でしか勣かない習性がある。この国はかくも素晴らしい国なのだ。
(作家)


2005年8月11日 東京新聞朝刊 11版S 25ページ 「本音のコラム-利権の再配分」から引用

 鶴田浩二の「傷だらけの人生」という歌が流行ったのは、確か私がまだ学生だった時分で、その頃流行った「ラジカセ」に録音して聞いたような、かすかな記憶があります。この記事が書かれた頃の小泉政権の「郵政民営化」は、それ以前の70年代、80年代に「郵政省が郵便貯金として預かった国民の金を、財政投融資の資金として使う権限を持った官僚が、この国の政治をいいように牛耳っている。これを止めさせて、わが国の政治を硝子張りの民主主義国にする必要がある」という議論が、盛んに為された時代があって、小泉政権が「郵政民営化」に一生懸命なのは、そいうい信念を持っているからなのだろうか、と思ったものでした。しかし、郵政民営化の手順を検討する有識者会議には、宮崎氏が言うところの「新しい利権」を狙う財界人が多く参加し、有名な不動産会社を経営する人物は、郵政省が全国の温泉地に建てた「簡保の宿」をただ同然で入手する直前までいったのに、さすがに世論の批判を浴びて、計画は頓挫したという場面もありました。「日本という国は、利権の再配分でしか動かない」という宮崎氏の指摘は当たっていると思います。






最終更新日  2019年11月16日 01時00分06秒
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