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2020年02月19日
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カテゴリ:ニュース
『古墳時代に魅せられて』を出版した考古学者で大阪大学名誉教授の都出比呂志氏について、2日の「しんぶん赤旗」は次のような記事を掲載している;


 日本の古代国家はどのように形成されたか。その形成過程を「初期国家」とした理論を提唱したのが考古学者の都出比呂志さん。本書では、昆虫少年が土器や埴輪に関心を移して考古学者になった経緯や、「クニのはじまり」について唯物史観で研究を始めたころからの論文、講演をまとめています。

 「日本の古代国家が、710年の平城遷都に始まる律令国家であることはどの研究者も認めています。しかし、成熟した『国家』には達していないが、未完成な、身分、官僚、徴税、軍隊の諸制度を持つ社会、国家成立の『前段階』があるはずと考え、古墳時代をとらえ直しました」



 古代国家の成立論に大きな影響を与えたのは、エンゲルスです。彼はモルガンの『古代社会』を参考に『家族・私有財産・国家の起源』を書きました。エンゲルスは、国家の成立過程では血族で結ばれた氏族組織の解体の比重を非常に重く見ていました。しかし、エンゲルスが本を出してから130年余たち、その後の考古資料の蓄積は飛躍的でした。

 「そのため、ヨーロッパを含め、事実と合わないことも多く、特にアジアについてはエンゲルスはほとんど書いていませんが、アジアはエンゲルスの類型には当てはまらない特徴を備えています」

 このような特徴から、都出さんは古墳時代に魅せられたといいます。

 ヨーロッパの人類学者クラッセンの初期国家論にヒントを得て、古墳時代とよばれる3世紀半ばから6世紀の約400年の日本を「初期国家」段階と都出さんは定義しました。

 「古墳時代は決して原始的な部族社会ではなく、前方後円墳が成立したあと墳形と規模の違いに基づいて、日本列島各地の首長の身分的な編成が出来上がりました」。これをユニークな日本の初期国家「前方後円墳体制」と位置づけました。

 大阪大学教授だった1999年、57歳の時、くも膜下出血に倒れました。リハビリ生活の苦闘と言葉の不自由な中での講演、授業をおこなえたことを、考古学研究室などのみなさん、助言・介護してくれた妻に感謝していると語ります。
(澤田勝雄)

<つで・ひろし> 42年大阪市生まれ。大阪大学名誉教授。89年、浜田青陵賞受賞。『古代国家はいつ成立したか』


2020年2月2日 「しんぶん赤旗」 8ページ 「本と人と-『前方後円墳体制』への道」から引用

 千数年前の私たちの国家が、どのように成立したのか、学問的に明らかになるのは大変興味深く思います。エンゲルスが『家族・私有財産・国家の起源』を書いてから130年も経ち、その間に発掘された新しい遺跡や史料、放射性同位体を用いた年代測定の技術の開発などで、エンゲルスの時代より遥かに多くの史料が得られて、これからも古代の様子が益々具体的に認識される時代が来ることと思います。






最終更新日  2020年02月19日 10時19分34秒
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